第24話 妹すみれの狂言………?
実は警察の調べで分かって来たのだが、あの岸田コ-ポレーション社長一家の長女すみれちゃんが、極々親しい友達にどうにもならない家族の秘密を悩みに悩んで、切羽詰まって打ち明けていたらしい。
あれは確か……九月も半ばというのに、真夏が一気に戻ってきたようなそんな暑い日に起こったのだ。兄の隼人が高校受験の為に猛勉強の日々が続いていたさ中に起きた事件。
その日は丁度日曜日で、父雄介はミノに誘われ朝早くからゴルフに出掛け、すみれちゃんと百合ちゃんはそれぞれ「お友達とお出掛けして来るから、門限ギリギリの6時に帰る」と言い残して出掛けた。
だが、すみれちゃんが友達と些細な事で言い争いになり、その日はサッサと帰って来た。
兄隼人は自動車やスポ-ツカーが好きで、子供の頃から車のプラモデルや雑誌を集めまくって、至る所に飾って楽しんでいる。
自分の趣味を活かした仕事。それは大手の自動車メーカーに就職してエンジニアになる事。
(その為にも名門校に合格しないと!)血眼になり勉強にいそしんでいる。
◆▽
あれは確か……1年前の夏休み期間中の、隼人が中学2年生の時の夏の一番暑い盛りの事だ。
母詩織が、隼人の部屋にスイカを持って行った時の事だ。
隼人があまりの暑さに頭がボ~ッとして、漫画のエロい部分を見ながら興奮状態でマスターべ-ションをしていた。
「ああああ~?まあ~まあ~お盛んな事!スイカ置いとくからね?」
その時は何事もなく済んだのだが、母の詩織にすれば全くの赤の他人で、クォ-タ-という事もあり高身長で一際人目を引く爽やかな美少年。
誰しもが心奪われるこの美少年を母と言っても全くの赤の他人、この美しい美少年に心奪われない訳がない。ましてや女盛りの40歳。
家族が出払って2人だけの時間を見計らって、隼人の部屋に向かい「隼人お母さんを好きにして良いのヨ……こっちにいらっしゃい……」
「何を言っているんだヨ~?バカ言うんじゃないよ……」
「あなたも薄々は感じているだろうけど……私と隼人は全くの赤の他人。だから好きにして良いのよ……だって?そんなマスターべ-ションばかりやっていると良くないらしいよ。はっきりは分からないけどネ?勉強にも集中出来ないでしょう……」
そして強引に、豊満な身体をさらけ出して、隼人の手を乳房に……秘密の部分にもう一方の手を押し当て唇💋を奪った。
興奮した隼人は母詩織に飛び付き、若い欲望の限りを詩織にぶつけた。成熟した女性の身体は隼人には魅力的で、隼人は母詩織の肉体の虜となって行った。
すみれと百合はあの一件以来、母詩織と隼人の妙な光景を度々目撃する事になる。
台所などに一度たりとも立った事のない隼人が、やけに食事前に2階から降りて来て母の手伝いをするのだが、ある時はお尻を……ある時は乳房を……何気に触っている瞬間を思春期の2人が見逃す筈がない。
その時は、すみれと百合が目を合わせて(あれは何~っ?)と目で合図する程度だったのだが、それでも……そんな光景は度々目撃されていたのだった。
それでも……まさか?母と隼人が、隙あらば目を盗んで肉欲にふけっていた等……どうしてこんなうら若い2人に想像できようか……。
そんなある日に事件は起きた。
喧嘩別れした友達と別れて早々に帰宅したすみれは「受験勉強の邪魔をしては絶対ダメですよ!」
日頃から母に口が酸っぱくなる程言われているので、忍び足で自分の部屋に向かった。その時だ。
隼人の部屋から艶めかしい喘ぎ声がして来た。
「ああああ~~~~!・。⋆💋*・☆💛**・。*嗚呼~~!⋆。*⋈ ♥・* ◍。✧♡」
(エエエエ————!エロビデオでも見ているのかな~?もう全く~!私達は遠慮してテレビも小さな声で見ているって言うのに……自分は真っ昼間からエロビデオかい。全くいい加減にして欲しいわ!)
そして「兄ちゃんいい加減にしてよ!」と隼人の部屋を勢い良く開けた。
美しい豊満な女体を晒した母詩織と隼人が、今まさに欲望の権化と化し……狂ったように欲望に溺れ……濃密に絡み合っているではないか……。
「キャ————!ナナナナ何してるの————!」
やはり詩織はあの時代に散々玩具にされ……開発され……今尚あの味が忘れられなくて、いっときたりとも男無しでは生きて行けない。だらしない女になってしまったのか……?
すみれは余りの出来事に現実を受け入れる事が出来ない。
(これは本当に現実なの?ああああ!ああああああああああ!あああアアアアアア……)
ショックの余り極々親しい友達に悩んだ挙句、とんでもない家族の秘密。『親子丼』の事を相談した。
そして……やがて……こんな男にだらしない詩織によって、家族はどん底に突き落とされる事になる。
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