end



「オギャァ……ばぶぅ……」



皐月はすっかり聖歌のおっぱいにヤラれてオギャバブしか言えない赤ちゃんにされてしまいました。



「ふぅ……これでわかりましたね、さっくん?さっくんのママはママ。そしてママのママは紫音ママです!」


「オギャ……オギャ……」



聖歌の勝利宣言に皐月は泣け無しの意識を振り絞っておっぱいに顔を埋めながら首を横に振り、否定の意志を示します。ですが誰の目から見ても勝敗は決しています。皐月はおっぱいに負けました。これ首振ってるのおっぱいを堪能してるだけですね。


完全敗北。聖歌の下品なデカパイに負けてしまうとは、なんと情けない。見損ないましたよ皐月。


仕方の無いことではありますが、僕も揉みしだいた事があるから分かります。あのデカパイは凄い。女の僕でもそう思うんですから皐月が抗える術はないでしょう。



「オギャ!オギャァ!」


「どうちたんでちゅかさっくん?」


「ちゅー!ちゅー!」


「なるほどさっくんはママとちゅっちゅっしたいんでちゅね?しょうがないですねー!はいっ!んちゅー!」


「ちゅう!ちゅっぱっ!ちゅっちゅっ!」



口を重ねる2人。あ互いの口と口を押し付け合い。貪り合うようにして濃厚な口付けを交わしています。ぴちゃぴちゃと盛大に音を立てながら激しく混じりあい、トロりと惚けた表情で官能に浸ってますね。



ムラッ。



間近でそんなものを見せつけられては僕も熱くなって来てしまいますね。


2人とも僕に夢中だと言いつつ、2人で楽しみ始めるとは、やはり性欲に脳内を支配されたスケベザルです。目の前の欲に抗えらない意思の弱さ。躾が必要ですね。


ここで1人寂しく下の口に指を咥えて見てするという選択肢は無いです。僕も参戦しましょう。


聖歌にはこれまでかなり我慢をさせてきましたし、そろそろいいでしょう。



























生まれて○○年。高2で俺にはママが出来た。


同級生でクラスメイトの白井聖歌というかわいい女の子だ。


何故にママなのか?過程の話はとりあえず置いておこう。正直、俺もちゃんとした理由は詳しく把握してなかったりする。



「さっくんはママ大好きっ子ですねー!」


「あい!ママ大好きっ!」



これまで家族と呼べる者が皆無だった俺にとって初めての家族と呼べる大切な存在だ。


ママとあとおばーちゃんも出来た。


同級生でクラスメイトの佐藤紫音という女の子だ。


何がどうしておばーちゃんなのかとツッコミどころは満載だ。初めはおばーちゃんじゃなくてママだった。それが聖歌ママに奪われてしまったのだ。ママのママなのでおばーちゃんというところで落ち着いた。不服だ。



「紫音おばーちゃん!紫音おばーちゃん!」


「おばーちゃんは普通に嫌なので紫音と呼びなさい」


「はい。わかりました」



何にしても紫音も俺にとってはもう大切な家族だ。


2人の家族が出来た。


いろいろな段階をすっ飛ばした気がする。


いろんな問題もある気がする。


それでも俺はこれからもこの2人の家族と幸せな人生を歩んでいきたいと思ってる。



あれから3人一緒に仲良くすごす日々を送っている。



ひとつのベットに俺を真ん中に3人で身を寄せあって寝ている。聖歌ママは俺の腕をがっしりとホールドして寝息をたてていた。


その反対側には紫音が居て、まだ起きていた。



「もうすぐ皐月の誕生日ですね」


「そうだね。誕生日が来たら「婚姻届出しに行きます!」って聖歌ママがはりきってたね」


「…………」


「……紫音?」


「……僕はそろそろ身を引く頃合いだと思ってます」


「何の話……?」


「皐月、聖歌と2人で幸せになるんですよ」


「何言ってるの紫音も一緒で3人でしょ?」


「現実的に無理でしょう。3人で居るのは楽しかったですし、いい思い出になりました。まぁ、わりとヤンチャな思い出になってるような気がしますが」


「……なんか私居なくなりますみたいな台詞を言ってるけど……俺も聖歌ママも紫音が居ないとダメだからね?居なくならないでね?」


「2人ならもう大丈夫ですよ。聖歌はちゃんと家事が出来るようになりました。皐月も前みたいなバカな真似はもうしないでしょう?」


「…………」



俺は無言で紫音に覆いかぶさった。両手を拘束して逃げられないようにする。



「……皐月?」


「やっぱり紫音はおばーちゃんじゃなくてママになってもらう」


「はい……? 」


「紫音ママが逃げられないように。ママにする。孕ませる。俺の子供を産んでもらう」


「あっ……ちょっ……!皐月ッ……!?」




























高校卒業を目前に控えた今日この頃。



「えへへっ!すっかり大きくなってきましたー!」


「まったく動きづらいったら無いですね」



幸せそうな表情を浮かべてぽっこりお腹を優しく撫でる聖歌ママに悪態をつきながらも満更でもない表情でぽっこりお腹を撫でる紫音ママ。


大きく膨れたお腹。2人とも妊娠していた。どっちも俺の子供だ。



「元からママでしたが、本当にママになっちゃうんですね、私」


「まさか2人まとめて学生のウチに妊娠させるとは……皐月は中々のクズですね」


「俺はクズでもなんでも構わない!2人とも大好きだから!これかもずっと3人でいたい!」


「はい!ママはこれからもずっとさっくんと一緒です! 」


「まったく仕方ない子です。仕方ないのでこれからも面倒を見てあげますよ」



離さぬようにと2人まとめて抱きしめる。



「あっ、でもこれから3人では無くなりますね!”とりあえず”5人ですよ!」























ーー10年後……。






「こらぁ。走っちゃ行けませんよ!」


「まったく手がかかる子達です。誰に似たのやら」


「あっ!パパ!そっちに行きました!捕まえてください!」


「よし!まかせて!」




パパ1人。ママ2人。子供6人。


すっかり大家族だ。


聖歌ママが4人で紫音ママが2人の子供を産んでくれた。みんな元気にすくすく育っている。ちょっと元気すぎるのが玉に瑕だが。



ここまで順風満帆とは行かなかった。


いろんな問題はあったし、相当苦労もしてきた。


でも、こうしてみんな笑って楽しく過ごせている今があるから、これまで苦労してきて良かったと思うし、これからもまた俺はパパとして頑張っていけるそう思う。


俺はパパとなったのだ。これからも家族みんなの為に身を粉にして働いていこう。


この幸せがずっと続けばいい。


いやこの幸せをずっと続けるために。

























「そういえば聖歌ママ」


「なんですかパパ?」


「凄い今更……というか昔の話なんだけどさ」


「はい」


「聖歌ママってなんで俺のこと好きになったの?」


「パパを好きになった理由……ですか?」


「そうそう」


「そうですね……忘れちゃいました!」


「そっか……まぁ何年も前の話だし覚えてなくても仕方ないか」


「あっ、でも、もしかしたらやっぱりコレが原因だったのかもしれませんね」



そう言って聖歌ママは1台の古ぼけたスマートフォンを取り出した。



「それって確か……聖歌ママが学生の時に使ってたスマホ?」


「そうです!」


「ってことはその中には……」


「はい。今でも入ってます。催眠アプリ!もうスマホは電源も入らないんですけど、ママはこれでママになったのでお守りとして今でも持ってるんです」


「あー……そういえばそんな物もあったね……というかそれが全ての原因だったか」


「もしかしたらママはこれでパパのママになるようにって操られてたのかもしれませんね」


「……そうだったっけ?」


「そうです!」


「そっか……そうだったかも」


「ママは今とっても幸せですよ!それもこれも催眠アプリのおかげでした!やっぱり催眠アプリは最高ですね!」


「まぁ、俺も催眠アプリがあってよかったって思うよ。こうして家族がいっぱい増えて、本当に俺も幸せだ」


「催眠アプリってなんだったんでしょうね?」


「ホントなんだったんだろうね催眠アプリ」























「ねえねえ、ちょっとこの画面見てもらえる?」




















〜おしまい〜












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催眠アプリでママになりたい聖女様 助部紫葉 @toreniku

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