5#7
「つ、遂に……出来てしまいました……!」
「長かったですね」
「目玉焼き……完成です!」
「カリッと香ばしい仕上がりになりましたが、それもアクセントと考えれば良さそうです」
見た目はちゃんと目玉焼きに見える。ただ、端の方がキツネ色になっていて焦げていた。黄身もガッチリ固まっていてトロリと中から出てくることは無いでしょう。
ですが、ただ卵を焼くだけだと言うのに暗黒物質を錬成していた聖歌にしては大きな進歩ですね。
「お写真撮ってさっくんに送りますー!「ママは目玉焼き作れるようになりました!」っと」
ニコニコしながらスマホを操作する聖歌。まったく可愛い子ですね。
皐月がすっかり抵抗せず「紫音ママしゅきー!おせっせするっ!」とアホな感じに仕上がってきた今日この頃。
聖歌の方も僕の献身的な介護(修行)で成長を見せるようになりました。暗黒物質錬金術師からポンコツクソザコ料理人ぐらいにはジョブチェンジ出来たと思います。
「えへへ!これでさっくんも喜んでくれます!」
「それは何よりです」
「これも全部紫音ママのお陰ですね!いつもありがとうございます紫音ママ!」
目を輝かさせて礼を言う聖歌。そこには感謝と信頼が見て取れます。すっかり僕に懐いていますね。
まったく可愛い子です。
「よく頑張りましたね聖歌。撫でてあげましょう」
「ふぁあ……くすぐったいですー……」
聖歌の綺麗な金色の髪を優しく撫でてあげると、気持ちよさそうに目を細めました。
「聖歌はやれば出来る子ですね。とってもエラいですよ。よしよし」
「はい……聖歌はやれば出来る子……」
「そうですよ。聖歌は頑張れば何でも出来ちゃうとっても凄い子です。ママが保証します」
「えへへっ……紫音ママに保証されちゃいましたぁ!やったぁー」
「頑張った聖歌には今日はご褒美でたっぷり甘やかしてあげましょう。ほら、おいで聖歌」
「そ、そんな……だ、ダメです……!私、さっくんのママなのに……!甘やかされちゃうなんて……」
「ママだって甘えたっていいんです。確かに聖歌は皐月のママですが、聖歌のママは僕です。聖歌が皐月を甘やかすのは当然ですよね?なら僕が聖歌を甘やかすのは当然のことです」
「確かに……!それなら私は紫音ママに甘えてもいいんですか……?」
「いいんですよ。思う存分甘えなさい」
「紫音ママー!」
そうして聖歌は僕に抱きついてきました。それを抱きとめて頭をなでなで。
「紫音ママになでなでされるの気持ちいいですー」
「まったく聖歌ちゃんは甘えん坊さんですね。いっぱい撫でてあげましょう」
「わーい」
しばらく撫でてあげて、立ちっぱなしもアレでしたのでソファーに移動して、聖歌を膝枕してあげます。
そこでんにゃんにゃとネコの様にじゃれつかれました。可愛いですね、この子。
「紫音ママしゅきでしゅー」
「僕も聖歌ちゃんのこと好きですよ」
「うれしいでちゅっ!」
すっかりアホになってますね。楽しいです。
元からこんな感じだったと思わないこともないですが、おそらく僕が言い渡した禁欲生活も原因のひとつだと思われます。
かれこれ皐月とセックス禁止を言い渡してから、それなりの時間後経ちましたし、人の温もりに飢えているといった所でしょうか。
当初は聖歌から皐月を奪い取ろうなんて考えてた時期が僕にもありました。
しかし曇らせたくない、この笑顔。
可愛いんですよね、この子。流石は聖女様と謳われるだけの事はあります。聖歌は可愛いです。最初はただのポンコツ淫乱性女ぐらいにしか思ってませんでしたが、僕の言うことをなんでもホイホイ聞いて、皐月の為と健気に頑張る姿に僕は絆されてしまったのでしょう。
という訳で僕は方向性をシフトすることにしました。
皐月も聖歌も僕のモノにしてしまおうと。2人まとめて僕のモノにしてしまえば全ての問題は解決するのです(?)
そうして早々に皐月を篭絡し、聖歌も徐々に仲を深め、今ではこうしてすっかり堕としました。
2人とも実にチョロい。
◇◇◇
「紫音ママは俺のママだ!」
「いいえさっくん!紫音ママは私のママです!」
言い争いをする皐月と聖歌の2人。
なにがどうしてこうなったんでしょうね?(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます