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「さて聖歌。料理において1番大切なことはなんだと思いますか?」


「大切なこと……愛情をたっぷり込めることです!」


「そうですか。ではコチラに愛情をたっぷり込めた豚の生姜焼きと愛情をまったく込めてない豚の生姜焼きがあります。食べ比べてみてください」


「ぱくっ……もぐもぐ……どっちも美味しい!」


「そうですね。僕の作った料理なのでどちらも美味しいのは当然です。愛情を込めても、込めなくても美味しいモノは美味しいんです」


「そうですか……で、でも温もり、とか?」


「それは料理が温かいだけです。あとは雰囲気でそう感じてるだけです。料理自体の味には関係ありません」


「そうだったんですね……」


「料理を作る上で重要なポイントは機械的に作業的にレシピ通りに手順をこなすことです。感情など必要ありません。まずは機械になりなさい」


「で、でも……それは味気なくないですか?」


「聖歌が作った黒い何かと工場で作ったコンビニのオニギリどちらが美味しいですか?コンビニのオニギリですよね?つまり聖歌の料理の腕は工場以下。まったくお話にならないんですよ。このポンコツ」


「う、うぅ……工場以下……」


「ですから聖歌にはまず心を捨て、感情を無くし、工場になってもらうことから始めます。指示された事を淡々とこなすだけの工場になりなさい。それが出来て初めて美味しい料理を作ることが出来ます。いいですね?」


「わかりました……!私、工場になります!」



自分で言っといてアレですが、大概、意味分かりませんね。工場になるってなんですか。




僕たちの新しい生活が幕を上げました。



2人の同棲生活を解消させ、聖歌を家に返しました。そして暫くはセックスも禁止。


その間、僕は聖歌に料理洗濯掃除etcと家事スキルを叩き込みます。いずれまた一緒に暮らしたいとのことなので、その為のママ修行ですね。


また同じ過ちを繰り返さないようにと、聖歌のやる気はあります。ですが、如何せん本人があまりにポンコツ。飲み込みが悪い。なかなか骨が折れそうです。



その傍ら、僕は宣言通り皐月の世話を焼いていました。




「ただいま、紫音」


「おかえりなさい皐月。食事の準備もお風呂の準備も出来ていますが。ゴハンにしますか?それともお風呂にしますか?先に一発ヌいておきますか?」


「え、えーっと……それじゃお腹減ってるしゴハンから……」


「わかりました。それでは僕も食事にします」



席につき食事を始める皐月の”下”で僕も食事にありつきます。


いつもの極太ソーセージにしゃぶりつきながら、舌鼓をうちます。まったくコレは癖になる味です。



「はむっ……じゅるじゅる……じゅぞっ……ずぞぞ……」


「くっ……し、紫音……!」



僕の口に吐き出されたドロっと特農ホワイトシチュー。毎日毎日、相も変わらず凄い量です。それをしばらく口内に溜め込み、舌で転がして味わい……ゴクリッ、と全部飲み込みました。喉に絡みつく感覚が堪らないです。



「食事はすみましたね。次はお風呂に入りましょうか」


「お、おう……」



当然の様に皐月と共にお風呂に入ります。


そこで皐月の身体を全身隈なく洗ってあげます。これもお世話のひとつ。何から何まで泡まみれになりながら綺麗に洗ってあげます。おっと、洗いきれないところがありますね。これは僕のドラム式洗濯機の中で洗ってあげることにしましょう。



「紫音……紫音ッ……!俺……もうッ……!」


「構いませんよ。そのまま全部空っぽになるまで出しきりなさい」


「うっ……!アァーッッッ!」



もうすっかり皐月は抵抗せず、寧ろ望んで僕にお世話されるようになってしまいましたね。


最初の頃、抵抗を示していたのが嘘のようです。


まぁ、それもこれも僕がなんやかんやと言いくるめた結果ではありますが。


ふっ……流されやすい男です。


そんなチョロい所、嫌いじゃありませんよ。












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