4#2



臭くて汚い盛ったバカ2人。頭がパーになっておかしくなっていた。こんなのは大体ぶっ叩けば治ると思いっ切り、引っぱ叩き、気合いを注入。それで多少はマトモになったので、それぞれ別々に身体を洗ってこさせた。


しっかり身体を拭かせて、服を着させ、床に座らせた。


勿論、正座で。



ぐぅー……。



この馬鹿共には説教だ、と思ったところでタイミング悪く誰かのお腹が鳴った。



「……2人とも最後に食事をしたのは?」


「……ちょっと覚えてないです」


「……です」


「はぁ……」



深くため息を吐いた。おそらく食事をするのすら忘れてセックスに夢中になっていたと、そんな所だろうと察する。



「何か食べる物は?」


「米はあったと思うけど……それ以外は特に買い置きはなかったと思う……」


「そうですか。分かりました。しばらく待っていてください。僕が何か食事を用意します」


「えっ……でもっ……」


「でもではありません。そのまま正座で反省していなさい」


「反省って……」


「なんの反省か分からないとは言わせませんよ?僕が何故ここに居るのか、心当たりはありますよね?2人揃って仲良く学校を休んで昼間から盛っていた、バカな、お二人さん」


「うっ……」



誤魔化す様に苦笑いする久保くんと手で顔を覆って俯く白井さん。ヤッていた事がバレ、ガッツリと自分らがしていたプレイを同級生のクラスメイトに見られたのだ、恥ずかしくないわけが無い。流石にその羞恥心は残っているようだ。


台所に向かう。部屋の惨状とは対照的に妙に綺麗な台所だ。しっかりと掃除がしてある。


久保くんの言ったように食べられそうなモノは米しか無かった。冷蔵庫の中は空っぽ。辛うじて調味料はある。


まぁ、米と水と塩があればいいでしょう。


それで僕は手早くお粥を作った。味付けは塩のみ。しばらく食事をしていなかったというので胃に優しいお粥でも食べさせておけばヨシ。栄養は足りてませんが腹は膨れるでしょう。


お粥を2つ手に猿どもの元に戻ります。




……僕の居ない隙におっぱじめてはいませんね。


流石に大人しく正座で待っていました。


もし性懲りも無くおっぱじめていたら、今度は手のひらをパーからグーに変えて顔面に打ち込むところでしたが、それは必要無さそうで安心しました。



「ほら猿ども、食事です。食べなさい」


「さ、サル……」


「何か?」


「い、いえ……な、なんでも、無いです……」



何かを言いかけましたがギンッとひと睨みすると黙って僕が差し出したお粥を食べ始める猿共。



「……美味しい」


「……優しい味がします」



ボソリと呟いたあとは無言で、2人は夢中になってお粥を食べました。瞬く間にペロリと平らげます。



「ご馳走様でした」


「美味しかったです……ありがとうございます」


「何かしら食材が有れば、もっとマトモなモノも作れたんですが、現状ではこんなものしか作れず逆に申し訳ないですね」


「い、いや……そんなことは!ホント美味しかった!」


「ただのお粥がこんな美味しかったの初めてです……」


「お腹が減っていれば大概何でも美味しく感じます。まぁ、喜んでいただけたのなら良かったです。お粗末さまでした」



食事を終えて顔色もマシになった2人。今ならマトモに会話も成立しそうです。


本題に入って行きましょうか。



「それでは2人とも……今なら”お話”出来ますね?」


「はい……」



説教を待つ子供のように2人は身を縮こませます。今からするお話は普通に説教なので正にといったところですね。


さぁ、ありったけぶちまけて発散させてもらいましょうか。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る