2#2 ママとお料理2



さっくんにゴハンを作ってあげることになりました!


お料理はこれまでの人生でまだした事はありませんが、先程、不思議なおキノコさんの調理は上手に出来たと思いますので、おそらく普通の料理も出来るはずです!家でもお母さんが料理をしている姿を何度もチラ見をしているのでママに隙は無いはずです!


さっくんとおててを繋いで近場のスーパーに向かいます。さっくんのおてておっきくてあったかいです。こうして手を繋いでいるだけで幸せな気分になってしまいますね!



「何から買う?」


「まずはそうですね·····やっぱりお肉ですかね!」



スーパーに着きました。さっくんのリクエストはハンバーグです。作り方はさっぱりわかりませんし、作り方をネットで調べようとしましたが私のスマホは何故かさっくんに没収されていて調べるに調べられません。


なるほど·····もしかしたらさっくんはママの事を試しているのかも知れません。


「俺のママなんやからハンバーグぐらい調べんでも作れんだろ?」的な感じですね。だから作り方を調べられないようにスマホはまだ返してくれないのでしょう。


ここはママとして華麗に美味しいハンバーグを作って見せましょう!それぐらい余裕です!なんてたって私はさっくんのママですからね!出来て当然なんです!



というわけでまずはお肉ですね。ハンバーグはお肉の塊ですので、とりあえずお肉さえあればハンバーグを作ることは出来ると思います。



「お肉って色んな種類があるんですね」


「そりゃね」



お肉コーナーに着いて私は愕然としました。


なんか色んな種類のお肉がありますぅ!どれを買っていいのかさっぱりわかりません!



「あっ、聖歌ちゃん。これハンバーグ用のの挽肉あるよ」



言いながらさっくんはらしいお肉を手にしました。



「ダメですさっくん。それは戻してください」


「え?なんで?」


というのは頂けません!ママの手作り感が減ってしまう感じがします!」


「えー·····」


「さっくんの事に関してママは妥協を許しません!さっくんに初めて作ってあげる手料理です!そんな加工済みなんて物を使った手抜き料理をさっくんに食べさせる訳にはいかないんです!ママが全部いちから手作りします!」


「ママ·····それ·····大丈夫?」


「大丈夫です!任せてください!」



さっくんは少し不安気な表情で加工済みのお肉を陳列棚に戻しました。どうしたんでしょうね?



兎にも角にも加工済みの挽肉は使えませんが、参考にはなりますので見ておきましょう。


ぐちゃぐちゃにされたお肉がミミズの様になってますね·····ちょっとグロいです。これがハンバーグ用のお肉ですか。


しかしママは分かってしまいましたよ。お肉をグチャグチャの挽肉にしたものを丸めて固めたモノがハンバーグになるわけですね!これに気がついてしまうとはママは天才です!


となれば、どうせぐちゃぐちゃにしてしまうのでお肉はなんでもいいって事ですね!



「さっくんの好きなお肉はなんですか?」


「豚かなぁ。やっぱり安いし」



なるほどさっくんは豚さんが好きなんですね。それなら豚肉を買うことにしましょう。


適当に美味しそうな豚肉をぽんぽんと買い物カゴに入れます。あっ、この厚切りベーコン強そうでいいですね。さっくんには強く逞しく育って欲しいのでコレも買いましょう。あっ、ソーセージもあります。不思議なおキノコさんみたいでいいですね!好きです!ソーセージも買いましょう!どうせ全部ぐちゃぐちゃにしますから大丈夫でしょう。それにやっぱりママ特製のオリジナル感も出したいです。これが隠し味って奴ですね!


お肉を確保して、さらに隠し味も確保したのでハンバーグの材料はこれで充分でしょう!



ーーと、思いましたが、何か足りない気がします·····。



ハッ·····!そうです!確かハンバーグには目玉焼きが乗ってました!あと中にチーズが入っていたりします!これは盲点でした!卵とチーズも買っておきましょう!


これで完璧ですね!



ハンバーグの食材が揃ったので、今度はお菓子コーナーへと向かいました。



「お菓子もなんか買ってくの?」


「ジー·····」


「どうしたの?そんなジッと俺の事を見て·····」


「·····さっくん·····お菓子欲しくないですか·····?」


「いや別に欲しくないけど·····っていうかそもそも、俺、お菓子とか食べないし·····」


「ジー·····」


「えっ·····いや·····ホントなに·····?」


「ホントの本当にお菓子欲しく無いんですか?」


「いや本当にいらないけど·····」


「ジー·····」


「··········あっ·····あー·····っ!や、やっぱり、なんかお菓子欲しくなってきたかも知れないなー·····!」


「そうですかっ!?もうっ!さっくんったら仕方の無い子ですね!でも仕方ありませんっ!そこまで言うならママがなんでもひとつだけお菓子買ってあげますっ!ほらっ!さっくん!好きなお菓子選んでくださいね!」


「·····まさか、これがやりたかっただけ·····?」


「あっ!でもお夕食前にいっぱいお菓子は食べたらダメですよ?ゴハン入らなくなっちゃいますからね!」



「は、はい·····っていうか、その前に食材諸々、俺が全部買うつもりだったんだけど?お菓子も·····」


「ダーーメーーでーーすーー!ここはママが買いますぅ!」


「いや料理してもらうのに、お金まで払ってもらうのは流石に悪いって·····それに聖歌ちゃん財布持ってきた?カバンは確か俺の部屋に置きっぱなしだったと思うけど·····」


「あっ·····」



バッ!バッ!と自分の体を触って確かめますが、何処にもお財布の感触はありませんでした。


そうです。私のお財布·····カバンの中です·····。


こ、これじゃ·····さっくんにお菓子買ってあげられないです·····。



「ごめんなさい、さっくん·····ママお財布忘れました·····ママはダメなママです·····ゴミカスポンコツダメママです·····さっくんのママ失格です·····自室で首吊って来ます·····さよならさっくん」


「ちょおおっと聖歌ちゃん!?マジで縁起でもないこと言わないでくれるかな!?そのジョークはブラックが過ぎるけど!?大丈夫!大丈夫だから!ママはゴミカスポンコツダメママじゃないから!最高!ママは俺にとっての最高のママだからっ!」


「さっくんはこんなおっぱいしか良い所が無いゴミカスポンコツ首吊りダメママを許してくれるんですか?」


「うん!許す許す!そもそも許すも何も怒ってないし!」


「うわーん!さっくんはとってもいい子です!好きです!大好きです!ちゅっちゅっしますー!」


「ちょおおっ!?それはそれで待って!?ここ公衆の面前だかーーーーンッーー!?!!!」



感極まって我慢出来ずにさっくんに飛びついてちゅっちゅっしました。




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