2#1 ママとお料理



「お腹すいた·····」


「そうですね。お腹すきましたね」



よくよく考えて見れば朝から何も食べてない。


気がつけば既に3時過ぎ。朝も昼も通り越してオヤツの時間だ。


朝っぱらから2人で学校休んで·····まぁ·····いろいろしてましたね。時間も食事も忘れていろいろしてましたね。聖水飲んだり、不思議なおキノコさんの調理したりとか。魔力をすっからかんになるまで消費してしまいましたので、そろそろ補給したいところです。



「コンビニに何か食べるものでも買いに行こっか」


「いえ·····ここはママがさっくんの為にゴハン作りますよ!」


「聖歌ちゃんがゴハン作ってくれるの?」


「はいっ!ママですので!さっくんにゴハン作ってあげます!」



それは素直に嬉しい。聖歌ちゃんの手作り料理·····そも誰かに料理作ってもらった経験が無い身としては是非とも食べてみたいところだ。


あっ、いや、そういえば聖歌ちゃんから分けて貰ったお弁当は聖歌ちゃんのお母さんの手作りだったっけ?ってなると他人の手作り料理食べたことあったな。


アレはとっても美味しかったとなれば聖歌ちゃんの手料理も期待して·····ーーいや待て。



「なんか前にチラッと聞いた覚えがあったような気がするんだけど聖歌ちゃんって料理出来たっけ?」


「出来ませんよ?」


「それでよく料理するとか言えましたね、聖歌ちゃん」


「大丈夫ですよ!大概のことは愛の力でどうにかな

ると思うのです!料理は何より愛情を込めるのが大切だって聞いたことがありますので!」


「料理に込める愛情はね。最低限、料理が出来てからの話なんだよママ」


「大丈夫ですよ!お母さんが料理をしているところを見たことがありますので!ママに任せてください!さっくんにママの美味しい手料理をご馳走してあげます!」



うん。不安しかないね。


料理してるとこ見たことあるって、それ本当にチラッと見ただけなんじゃない?それで料理が出来ると思って?最低でもレシピは見て料理して貰ってもいいですか?


ふんすっと鼻息荒くヤル気はまんまんの料理初心者ママ。


そんなママに水を差すのはちょっと気が引ける。とりあえずやらせるだけ、やらせてみよう。何かあった時は俺がサポート·····いや俺も料理出来ないけど·····なんとかなるか!(ぶん投げ)



「さっくんは何が食べたいですか?なんでも作っちゃいますよ!」


「えっと、それじゃ·····ハンバーグとか?」


「ハンバーグですね!分かりました!それじゃ一緒にお買い物に行きましょう!」



というわけで聖歌ちゃんと近所のスーパーに買い出しに出かけた。


道中、仲良くお手て繋いで並んで歩く。何が楽しいのか聖歌ちゃんは鼻歌なんぞ口ずさんでいる。


となりのトト〇のお〇んぽか。あっ、お〇んぽって言っても下ネタじゃないからね。誤解しないでね。


でもトト〇のお〇んぽってデカーー·····やめよう。これは下手したらガチで燃える案件だ。トト〇にそんなものはついてない。だいたいトト〇がメスである可能性も否めない。


となると実はトト〇ってパパじゃなくてママだった可能性も。


劇中では圧倒的包容力でパパ感あったけど、あの包容力はママであったとしても納得だ。子供も居るし。子育てをしつつ家(棲家)を守っていたと考えると、やはりパパよりママ。まぁ偏見ではあるけど。


そっかぁトト〇ってママだったのかぁ(妄想)


幼少期、トト〇を見たら誰しもトト〇のお腹ベットで寝てみたいと思うのは避けては通れぬ道。アレって無意識にママに包まれたいっていう願望の現れだったのかもしれない。


まぁ!トト〇ママのお腹ベットよりウチのママのおっぱい枕の方がやわらかくて気持ちいいけどな!(多分)



閑話休題。



「そういえば聖歌ちゃん。昨日はウチに泊まった上に今日は学校サボっちゃってるけど·····その両親に説明とかって大丈夫なの?」


「大丈夫です!ウチの両親には催眠アプリ使って来ましたので!」



それは大丈夫では無いと思うんだが·····?


というか使って来たのね。それなら元から泊まる気まんまんだった?何気に用意周到だったりしますか?わからないし、ちょっと怖いので深く問いただすのはやめておこう。


催眠アプリって便利だなー(思考放棄)



「あっ!そういえばさっくん!そろそろママのスマホ返してください!」



聖歌ちゃんのスマホ(催眠アプリ入り)はまだ俺の手の内にあった。


こんな危険なモノを返してしまっていいのかどうか悩みどころである。


聖歌ちゃんなんかぽんぽんと躊躇せずに催眠アプリ使ってしまいそうだし·····。


聖歌ちゃんは多少(?)はっちゃけてしまっては居るが、まともで善人だ。催眠アプリを悪用することは無いと思う。


しかし、これが何らかの拍子で他人の手に渡ってしまったらと考えるとゾッとする。


他人を意のままに操れて、さらに自分に都合のいいように相手に暗示をかけることが出来る。悪用しようとすればいくらでも悪用が効くだろう。


出来ることなら消してしまいたいところだが、呪われた装備の様にどうやっても催眠アプリを消すことは出来なかった。謎のロックがかかっていてアンインストールが出来ない。


ホント、この催眠アプリってなんなんだろうなぁ·····。


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