#16 皐つきくんは誘惑に抗えない
事の経緯が大体把握出来た。
まず聖歌ちゃんは催眠アプリを手に入れた。
出処が不明なのが、かなりキナ臭いが、とりあえずこれは考えてもわからないので置いておこう。
次に聖歌ちゃんはその催眠アプリを俺に使って、俺が聖歌ちゃんの事をどう思っていたのかを聞き出した。ここで俺が聖歌ちゃんの事を「好きでも嫌いでもなく、ただのクラスメイト」としか思ってないことを知る。
これは実際その通りだ。俺は聖歌ちゃんの事は可愛いとは思えど、特に恋愛感情を抱いていたわけじゃない。
そして俺自身、そんなことを聖歌ちゃんに話した記憶など無いことから、催眠アプリの効果が実証された事になる。やっぱり本物なのか、この催眠アプリ……。
それで、俺の気持ちを知りショックを受けてしまった聖歌ちゃんは自分に催眠アプリで暗示をかけることになる。
何故?と思わなくもないが、聖歌ちゃん自身、失恋(?)でわけがわからなくなってしまい、自分が本当にしたいことを引き出すための暗示だったようだ。
結果、はっちゃけた聖歌ちゃんは俺に過激にベタベタしてきた。おかけで校内に巣食う聖女様ガチ恋勢の脳を破壊し尽くした訳だ。
それから数日ーーというか昨日。
俺の部屋で2人っきりになりたいという聖女ちゃんのオネダリに俺は為す術なく屈して、聖女ちゃんを部屋に招き入れた。
そしてまたもや聖歌ちゃんに催眠アプリを使われたようで……。
俺の事を深く理解したかった聖歌ちゃんは俺の身の上話などなどを俺から聞き出した。
それで、まぁ、どうやら俺は深層心理ーー心の深いところで母親の愛情に飢えていたらしい。
俺はそんなことを思っていたのかと驚きを隠せないところはあるが、そういうことなのだろう。心当たりが全く無いかと問われると、自信を持って首を縦には振れない。
で。
最終的に「私が皐月くんのママになります!」となった訳だ。
…………。
どうしてそうなった……?
…………。
いや話の流れ的に分からなくはないんだけどね。
…………。
ママ……ママかぁ……。
さて現状。これからどうしていけばいいのだろうか?
「聖歌ちゃんは今後どうして行きたいと思ってる?」
「はい!私は皐月くんのママとしてこれから皐月くんの事をめいいっぱい甘やかしてあげたいです!」
「お、おう……」
現在、聖歌ちゃんには催眠アプリを使って「俺の言うことを聞くように」と催眠をかけている状態だ。
本心なんだろうなぁ……コレ。
これは流石に何とかしないとなるまい。
聖歌ちゃんは自分に暗示をかけていると言っていたので、その暗示を解除すれば元にーー前みたいな感じに戻るだろうか?
暗示を解除するにはどうしたらいいだろう?催眠アプリで「暗示を解除する!」みたいな感じでいけるか?
聖歌ちゃんから取り上げたスマホの画面を見る。
紫がかったピンクの画面、その中央には古代エジプトの石板に掘られてそうな瞳のマーク。それの下には『起動中』と表示されている。
「自分に素直になる、か」
無意識に呟いた独り言が、妙に脳に響いた気がした。
聖歌ちゃんを見ると幸せそうにニコニコしている。
改めて見てもやっぱり聖歌ちゃんは可愛い。皆が聖女様ともてはやし夢中になる気持ちは大いにわかる。それに風呂上がりでまだその綺麗な金色の髪はシットリとしていて、彼女の魅力を引き立たせていた。あと物凄くいい匂いする。聖歌ちゃんは俺ん家風呂場の備え付けの安物シャンプーしか使って無いはずなのに、なんでこんないい匂いなんでしょう?
それにやっぱり聖歌ちゃんのおっぱい大っきいなぁ(小並感)。
男女問わず一度は触れてみたくなるであろう極大果実……それを俺はめちゃくちゃにして、あろう事か自分の名前まで書いたんだよな……。
それについさっき、寝起きに濃厚すぎるちゅっちゅっもしたし。
いかんいかん。いろいろ思い出してムラついてきた。
でも、聖歌ちゃんみたいな超絶美少女とあんなことやこんなことをして、ムラつかない方が男としてどうかしてる。仕方ない仕方ない。
聖歌ちゃんのおっぱいは柔らかくて気持ちよくて最高だったし、聖歌ちゃんの唇は美味しくて気持ちよくて最高だったし。
それにママ言ってたし、私の全部は俺専用で好きにしていいのは俺だけだって。
俺のモノをどう扱おうとそれは俺の勝手ではないだろうか?
全部、全部、好きにしていい。好きにしていいんだ。俺のモノなんだから。
そうだ。ママは俺だけのママで俺だけのモノで俺だけが好きにしていい。何をしたっていい。なんでもしてくれる。なにをどうしようと俺の自由だ。
…………。
今、ママは催眠中で俺の言うことをなんでも聞いてくれる。
…………。
それに催眠アプリを使えば何をしたって記憶を消すことが出来る。
…………。
…………ごくりっ。
(想像におまかせするシーン)
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