#15 催眠アプリを使いたい聖女様



[使用例]


STEP3:気になる相手に暗示をかけちゃおう!


催眠アプリで自分に暗示をかけた貴女は幸せな気持ちになったことでしょう。その幸福感を自分だけに留めず相手にも味わってもらっては如何でしょうか?暗示の掛け方次第では相手の不安や悲しみを取り除いてあげることが出来ます。苦悩することなく楽しく日々をすごせるならば、それは幸せなことでしょう。










毎日が幸せで楽しい日々を送っています。


最近は大好きな皐月くんとずっと一緒です。


朝は一緒に腕を組んで登校して、教室でも隣の席、授業中も肩を並べてひとつの教科書でお勉強、昼休みも楽しくお喋りしながらお昼を食べます、放課後になればまた腕を組んで仲良く下校。


もうとっても幸せで楽しくて楽しくて幸せで仕方がありません。


これも催眠アプリを使い自分に正直になる暗示をかけたお陰です。


それで私は自分のやりたいことを心の赴くままに行動する事が出来ています。


ここからさらに皐月くんとお付き合いーー恋人同士になってしまったのなら、私はどうなってしまうのでしょうか?


そうなったら私はもう幸せすぎて死んでしまうかも知れませんね。


ああ、皐月くんとお付き合いしたいなぁ。


早々に皐月くんに「好きっ!」と叫んでお付き合いを始められればとは思いますが、皐月くんは私の事を「好きでも嫌いでもなくクラスメイトととしか思ってない」というのを催眠アプリで確認しています。


これはいけません。こんな状態で告白しても断られてしまうことでしょう。


だからこうして皐月くんに好きになってもらえる様にたくさんアピールをしているわけなんですが……。



…………。



…………。



よくよく考えてみれば……。



私、自分がやりたいことをやるばかりですね。



…………。



…………。



これってアピールになっているんでしょうか……?



こんなことで皐月くんは私の事を好きになってくれるのでしょうか?



自分のやりたいことを押し付けるばかりで、皐月くんの気持ちを考えてなかったような気がします。


思い返してみても、私から皐月くんを求めるばかりで、皐月くんから何かを求められた記憶がありません。


こ、これはよろしくないのでは……?


いけませんね。そもそも私の本来の目的は皐月くんに私の事を好きになってもらうところにあります。


皐月くんとイチャイチャするのが楽しくてすっかり忘れてました……。



そうです。そうです。私は皐月くんに好きになって貰わないといけないのです。


でも、どうしたら皐月くんは私の事を好きになってくれるでしょうか……?



…………。



わ、わかりません……。



…………。



…………はっ!?



そうです!こういう時こそ催眠アプリの出番です!



催眠アプリで皐月くん本人から、どうしたら私を好きになってくれるかを聞き出せばいいんです!


それに私はまだまだ皐月くんについて知らないことがいっぱいあります。ですから、皐月くんから皐月くんの事についてをいろいろ聞いちゃいましょう!


それで皐月くんの事を深く理解し、彼の望むように私が行動していけば、いずれは皐月くんも私の事を好きなってくれるはずです!



あっ!それに皐月くんに暗示もかけてしまいましょうか!


皐月くんに私にかかっている「自分に素直になる」といった暗示をーーそうですね……「自分に正直になって私にやりたいことをぶつける」という暗示をかけるのはどうでしょう?


皐月くんはかなり奥手(?)なので私に素直にやりたい事をぶつけてくるとは考えづらいですが、こうして暗示をかけてあげることで、きっと素直に私にやりたいことをぶつけてくれるようになると思います。


これはかなりの名案ではないでしょうか!


催眠アプリで皐月くんがどうしたら私の事を好きになってくれるかを聞き出し、皐月くんのことをいろいろ聞いて深く理解し、私は皐月くんの望むように行動する。さらに皐月くんに暗示をかけて私に素直で正直になってもらって、私はその全てを受け入れる。


こうしていけば、いずれは皐月くんもきっと私のことを好きになってくれるはずです!


それで両想いになれたら、ゆくゆくは恋人同士に……。



…………。



あっ……付き合い始めたからって……そんな急に……。



…………。



どんとこいですね!



いけませんいけません。少々、想像が先走ってしまいました。



というわけで早々に皐月くんに催眠アプリを使いましょう!


使う場所はどうしましょうか……そうですね。私の家は両親が居ますし、ここは一人暮らしの皐月くんの部屋ですかね!そこなら2人っきりになれますし、邪魔も入りません!



「皐月くん!私、皐月くんのお部屋で2人っきりになりたいです!」



皐月くんのお部屋に突撃です!



そういえば皐月くんのお部屋ーーというか男の人のお部屋に伺うのは初めてですね。皐月くんのお部屋はどんなところでしょうか?楽しみです!








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る