#6 さっくんは名前を書きたい




あれ……?



なんで俺の部屋に聖歌ちゃんが居るんだろ……。




「ーー……そんな感じで今はアパートで一人暮らししてる。父親とはもう連絡もつかないし、何処で何をやってるかも知らない。もう慣れたけど、たまに人肌恋しくなる事はあるかな」



頭がボンヤリとしてる。



「街中でさ。笑いあってる子連れの親子を見ると何がそんなに楽しいんだろって思うことはある。俺にはソレの気持ちは全く分からないから、特に気にはならないけど……こう考えてるってことは本当は気にしてて、羨ましいとかって思ってるのかも」



俺は今、何を話しているのだろうか?



「俺、母親に甘えた記憶ないんだ……それも当然で、そもそも物心着く前にはもう母親なんて居なかったからさ」



誰にこんなことを聞かせてるのだろうか?



「母親に甘えるってどういう感じなのかな?まぁ、今更こんなことを考えたって、どうしたって叶えられることじゃないけど、1度でいいからお母さんに甘えてみたりとか、してみたかったな」



自分で発した言葉の意味がわからない。


俺は心の奥底ではそんなことを思っていたのか?




「そう……だったんですね……」



聖歌ちゃんが今にも泣き出しそうな表情で俺を見ている。


なんでそんな悲しい顔をしてるのだろうか?



「分かりました……!」



目元をゴシゴシと拭って、聖歌ちゃんの表情が切り替わった。


決意を秘めた表情で、聖歌ちゃんは力強く言葉を発する。



「私が皐月くんのママになりますッ!」




◇◇◇




「ママのおっぱいに……な、名前を書きたいんですか?」


「うん!」


「そ、それは……」



俯いてふるふると震えるママ。どうかしたのかな?名前を書くのはダメだったのかな?



ガバッ!



「さっくんエラいっ!」



勢いよく顔を上げてママはそう言った。



「そうですね!ちゃんと自分のモノにはお名前書かないといけませんよね!ちゃんとコレはさっくんのだー!ってしとかないといけませんね!それに気がついて、やろうとするさっくんはとってもエラいです!流石はさっくんです!とっても出来たいい子ですね!」


「ホント……?ボク、エラい?いい子?」


「はぁいっ!さっくんはとってもエラくていい子です!いい子いい子してあげちゃいますよっ!」



むぎゅりとママはボクの事を抱きしめて、頭をよしよしと撫でくりまわしてくる。


ふぁあ……いい子いい子気持ちいい……。



「ママぁ……」


「えへへっ……さっくん可愛いですぅ……!」



しばらくいい子いい子されてからママはボクのことを離して改めて向き直った。



「それじゃぁさっくん?ママのおっぱいにお名前書き書きしましょうか?」


「うん!名前書くー!」


「はい!まずはおててにペンを持ちましょうか!」



言いながらママはボクの手を持って、その手にペンを持たせてくれる。



「ペンの持ち方は……こうして……こうですね!」


「こうかな……?」


「わー!さっくんペンの持ち方上手です!こんな綺麗にペンを持てるさっくんカッコイイです!イケメンすぎます!もうママはカッコイイさっくんにメロメロです!さっくん凄い!」


「そうかな……」


「そうですよ!こんなママの事をメロメロにしてさっくんったらイケない子ですねー!将来はきっと女の子にモテモテです!でもあんまり他の女の子と仲良くしたらダメですよ?さっくんのママはママだけなんですからね?さっくんが他の女の子と仲良くしたらママ泣いちゃいますからね?」


「えー!ママ泣いちゃヤダー!」


「大丈夫ですよ!さっくんが他の女の子と仲良くしなかったらママは泣いたりしませんから!だから、ね?ママ以外の女の子と仲良くしたり、お喋りしたらいけません!これはママとの約束です!」


「うん!約束する!ママ以外の女の子と仲良くしない!」


「はい!ママとの約束です!その代わりさっくんがしたいこと、なんでもママがさせて上げますからね!ママはさっくんの為ならなんでも出来ちゃうんです!」


「わー!ママありがとう!なんでも出来ちゃうママ凄い!」


「そんなことないですよ!さっくんの方がママよりずっとずっと凄いです!なんでも出来ちゃうママですけど、さっくんにだけは勝てませんからね!さっくんが1番凄いんですよ!」


「ボクが……1番……」


「さっくんが1番です!さっくんが1番凄くて!さっくんが1番カッコよくて!さっくん1番素敵で!ママが1番に大好きなのがさっくんです!」


「ボクもママがいちばん大好き!」


「えへへっ……そんな大好きなんて……さっくんたらっもう……!それじゃぁペンもカッコよく持てたことですし大好きなママのおっぱいにお名前書き書きしましょうね?」



ママは書きやすいようにと自分の胸を手で下から支える。


改めて見てもやっぱりママの生おっぱいは凄い。デカくて、おっきくて、大迫力で、さらに綺麗なピンクの突起がとても可愛らしい。


今からこのママのおっぱいに自分の名前を書くのかと思うと堪らない。興奮してドンドン身体が熱くなっていく。



「さて、さっくん?ペンの持ち方はカッコイイですけど、自分のお名前はちゃんと上手に書けるかなー?」


「だ、大丈夫……!ちゃんと名前書けるよ!」


「うふふっ……それじゃさっくん……ママおっぱいにさっくんの名前……書いて?」


「う、うん……!」



そうして黒くて硬い棒状のペンがママのおっぱいにふにゃりと沈んだ。









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