#5 実はされたい聖女様
『催眠アプリ』
機能:アプリを起動し表示された画面を見せることで相手に催眠をかけることが出来ます。催眠にかかった相手は自分の好きに操ることが出来ます
[使用例]
STEP1:彼の心の中を覗いちゃおう!
催眠にかけられた相手は貴女の言葉に従います。そこで彼が普段何を考えてるのか聞き出すことが可能です。聞き出した後は催眠中の記憶を消すことも可能です。これで彼にバレずに彼の気持ちがわかっちゃうね!
私のスマホにインストールされていた見覚えが無い『催眠アプリ』なるもの。
私のスマホに入ってる訳ですから、自分でインストールしたとは思うのですが……こんなの何時インストールしたんでしょうか……?謎です。
ひとまず、試しにアプリを起動するとアプリの説明画面となりました。
どうやらこのアプリを使うと相手に催眠を掛けられるようです。それで相手を好きに操れると。
う、胡散臭いですね……。
説明画面にはアプリの機能説明の他に使用例なるものがありました。
なるほど、これで相手に知られず気持ちを聞き出せる訳ですか……。
えっ……普通にこれってダメじゃないでしょうか?
自分がする側ならまだしも、される側はたまったものじゃないですよね?
知らぬ間に自分の心の中を覗かれる……自分がそれをされると考えるだけでゾッとします……。
でも……。
ふと思い浮かぶのは愛しの彼の事。
彼が私のことをどう思ってるのか……知りたい……。
邪な考えが私の脳裏を過りました。
だ、ダメですダメです!いけませんいけません……!
そんな自分勝手な事をして、もし万が一にでも彼にその事がバレたら幻滅されて嫌われてしまいます!
だいたい催眠だなんて眉唾です!本当にこんなことが出来るわけないですよ!こんなアプリはインチキです!悪ふざけで作られたジョークアプリです!本物じゃないです!偽物です!
…………。
あっ……で、でも……偽物なら……。
…………。
つ、使ってみても、いいのでは……?
…………。
どうせ偽物ですし……それで、それをネタにして彼とお話出来るかもしれませんね……。
…………。
そうして私は彼に『催眠アプリ』を使ってしまいました。
その催眠アプリが本物だと知らずに。
いえ……違いますね。
この催眠アプリが本物であればいいなと、淡い期待を込めて……ーー。
ーー使いました……。
◇◇◇
ブラジャーのホックを……ーー。
ーー外しました……。
「ふぁ……っ!?」
ぐりぐりと私の胸に顔面を押し付けて、発情期の犬のようにハァハァと息を荒らげていた、情けな(ゴホゴホ)可愛らしい皐月くん。
下着が邪魔そうと思いました。
皐月くんとしてもやはり、私の胸に直に触れる方がいいんじゃないかと思います。
これは決して、私が先ほど散々服越しに胸を揉まれ、さらには胸を顔を押し付けられてグリグリと刺激されて、体が火照って熱くなってしまって、感情が高ぶって興奮して、それでもって直に皐月くんに触れて欲しい……!なんて思ったからではありません。
私は皐月くんのママですので!皐月くんの望むことをしてあげてるだけですので!決して自分の欲望を満たすための行動では無いのです!
それにやはりママとはいえ、下着も何もつけてない生の胸を見られるのは……恥ずかしいです……。
ハラリと私の胸を隠していた下着が落ちました。
「あわっ……あわわわわわっ……!」
私の丸見えになってしまった胸とご対面した皐月くんはアワアワしています。
「せ、聖歌ちゃん……し、下着が……!む、胸がァッ……!アッ……アッ……!丸見えっ……全部、見えてますっ……!」
しどろもどろ呟く皐月くんですが、バッチリ私の胸を見ていました。視線を逸らすつもりは無いみたいです。ガン見です。照れちゃいます。
「せい、か、ちゃん……だ、ダメだって……これ、これいじょーわぁ……ぐぅお……おぉおおっ……!」
皐月くんは何かに抵抗するように頭を振り乱しました。泣け無しの理性を総動員して自身の気持ちを押さえ込もうとしているのでしょう。
皐月くん……本当に音が真面目なのでしょう。
だからこの期に及んでも尚、抵抗しているのでしょう。
それに比べたら私は……。
いえ、これは皐月くんが望んでいることです。
心の奥底に眠っていた皐月くんの本当の本当の気持ち。
私はそれを知っていますから。
だから私はこの手を汚してでも彼の、皐月くんの為に、貴方の……ママになりたい。
「さっくん」
「……マ、……ママ……?」
「そうです。ママがさっくんのママです。さっくんの為ならなんでも出来ちゃうママです。だからさっくん我慢しなくていいんですよ?我慢したら苦しいでしょ?だから我慢しないで自分に素直になって、やりたいことをママにぶつけるんです」
「で、でも……!」
「大丈夫。大丈夫です。ママはさっくんの家族ですから、何したって嫌いになんかなりません。ずっとずっと一緒に居ます、家族ですから離れたりしません、1人にしません。だから安心してください。だって私はさっくんのママなんですから!」
「一緒……ボクのこと……1人にしない?」
「はい!さっくんのことはママが1人にしません!約束です!だからほら!さっくんは何がしたいのかママに教えてください!」
「それじゃぁ……ママ……ボクね……やりたいことがあるんだ」
「なんでしょう?」
「ママの大きなおっぱいにボクの名前を書きたい!」
キュポッ!
皐月くんはどこからとも無く油性のマジックを取り出しました。
あっ……これちょっとやらかしたかも知れませんね。
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