Klasse10 空蝉
——三週間後
——桐生視点
「えー、黒崎さんですが諸事情により転校となりました」
告げられたのは黒崎さんの転校。あの極狂人が倒されたのは黒崎さんのおかげだと神凪さん、一条さんは言っていた。だけどそれから黒崎さんの姿を見ていない。
まだ、剣、教えてもらってないよ。
どこにいったの、かな……?
――西宮視点
「本当に化物、でしたねぇ」
「ああ。やはりあの組織のK、か」
理事長としてお偉方とあの一件について会議すると見えてくるのは黒崎さん……いえ、Kの圧倒的な強さ。
あの狂人はとても学生では太刀打ちできないし精鋭部隊を投入しても長期戦かつ消耗戦になることは必至のものだった。それを彼女は援軍が到着する頃には完全沈黙させてしまった。
きっと彼女にとって狂人なんてものは羽虫でも払うくらいの感覚で殺せるものなんだろう。私たちの狂人カテゴライズなんて毛ほどの役にも立たないくらいには。
「いったい、彼女は何と戦っているのかしら……?」
——神凪視点
あれからというもの、黒崎に大きな借りができたというのに返せぬままに黒崎は消えてしまった。
「あの時、黒崎がいなければ……」
「私たちはおろか街が滅んでたわね」
一条の言う通りであの狂人は段違いだった。それを単騎で倒せるとなればやはり黒崎しかいない。
「曇ってきたわね。私は先に戻るわよ」
「ああ」
できるなら、この回復した体でもう一度黒崎と……
——ピピピッ
「ん? なっ!?」
このメールの真偽は分からぬ。だが行くしかあるまい。
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