Klasse7 禍鎌

「ふぅ。だいぶと片付いたな」

 エリアをバシバシ回って狂人共を殲滅。多分一年生の掃討隊で対処できる規模までは小さくした。

「ん? ライターの信号だ」

『遠いですね〜。エリア11まで戻らないと』

 このライター信号があったということは桐生らになんかしらがあったということ。しゃあねぇ、助けにいきますか。

「カイト。なんか反応ないか?」

『うーん……あ、カモフラがかかってる反応があったよ。えーっと……うわ!』

「どうした?」

『これ超狂人より一回り大きい反応だよ! しかもライター信号の近く!』

「マジかよ。桐生らがヤベーな」

 ダッシュでいきますか。


——


「このあたりなんだがな」

 廃工場らへんから信号は来てた。カイトに桐生らの無線にアクセスできないか聞いたがどうやら桐生ら側の端末が壊れてるのか繋がらない。

 ヒタヒタと工場の中を歩く。イヤに静かだ。

「カイト、スキャニングは?」

『お任せ! はい、どうぞ!』

 私のバイザーにスキャンデータが送られる。バイザー単体の機能でもやれんことはないがカイトに任せた方が確実だ。

 ふむ……奥に熱源が三つ。多分桐生らだな。その向かいに彷徨く熱源が一つ。こりゃあの狂人だ。このままだと桐生らは見つかっちまう。しゃあねぇ。やるか。

「カイト、耳塞げ。すぅー……」

——Baoooooooooooo!!

 咆哮で狂人をこっちに誘き寄せる。お、きたきた。

「ふん、遅いな」

——ビチャア!

 飛びかかってきた狂人の腕を切り落とす。

 ん?

——ヒュン!

「うわっ、この腕単独で動きやがる。気持ち悪ぃな」

 腕と狂人のクロス攻撃。まぁ大したことはないんだが……

——バシュッ!

「これで腕は封じたぜ」

 アンカードローンと腕を一直線上に並べ、ワイヤーでぶっ刺した後、ワイヤーを切り離してそこら辺のパイプに縛り付ける。

 おーおー、気色悪りぃ腕だこと。そういや生捕りにしたら報酬増えそうだな。よし、やるか。

 まずはもう一本腕を切り落とす。そしてワイヤーで縛り付け。

 最後は本体頭部にワイヤーを打ち込み、またまたそこら辺にワイヤーで縛り込む。

 西成センセのワイヤー、なかなか頑丈だな。

「はは、ガッチガチに縛ったからな。暴れたって無駄だぜ、狂人」

 さあて、桐生らはどうなってるかな?


——


「ほい、来たぜ。桐生」

「ああ……! 京さん……!」

「ん? おいおい、霧隠、どうしたんだよ」

「霧隠さんは私たちを庇って大怪我したんですぅ……」

 うわ、血が凄え。なんとか応急処置で生きてるったら生きてるがヤバいな。

「私……私……何もできなくて……っ!」

「桐生、間違ってない。私、助けた。普通、見捨てる」

「あーあー、喋るな喋るな。死んじまうぞ。はぁ、仕方ねぇ」

 あんまり、「組織」の道具は使いたくないんだがここで死なれちゃ夢見が悪い。

「ちょっと痛いが我慢しろよ、霧隠」

——カシュンッ!

「京さん!? 何を注射したんですか!?」

「うぐ、あが……ぐあっ! がっあっ!」

「はうう。霧隠さんが」

「痛いんだよこの薬。まぁ大丈夫だ、薬で死ぬことはねぇ。10分辛いぜ? 手でも握ってやれ、桐生、宮泉」

「う、うん……」

 それから暫く、霧隠のうめき声が続いた。


——


「はぁっ、はぁっ」

「どうだ霧隠? 傷が痛まんだろ?」

「嘘……完全に塞がってる……!?」

 まぁドクトル製の薬だ。人間程度なら死にかけの傷でも治せる。私ゃ切り傷やらの治療につかってるがな。

「う、助かった。この薬、何?」

「くわしいこたぁ聞かない方がいい。それよりほれ、帰るぞ。なんかよくわからん狂人は生捕りにしたしな。報酬もウハウハだろ、多分」

「……」

 言葉を失う三人。んー、まぁそんなこともある、か。

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