自作品が世に出ていた事を忘れていた
時々不意に思い出す。
某出版社のアンソロジーに現在と同じペンネームで自作ショートショートが掲載された事があった。検索をしたら2007年、2008年との事。
今はよく知らないけれど、その頃は自費出版のブームがあったように思う。
自費出版系の会社がショートショートコンテストみたいなものを随時やっていて、僕はそれにちょくちょく投稿していた。そこで入賞すればアンソロジーへの掲載権が与えられるという形式だった。
但し、飽くまでも自費出版形式のアンソロジーであるから、一作につき数万円の費用が掛かったと記憶している。丸々一冊何度か入賞したものの、流石に全てを掲載して貰おうとは思わなかった。
結局、二作だけ別々のアンソロジーに載せて貰った。アンソロジーの実物が届き、自作が載っている事に感動したのかどうか、よく憶えていない。金を支払ったから掲載された、ただそれだけの事。変に読み直すと「ここはこうすれば良かった」と後悔が募るばかりで、他人様の作品を読んでいる方が断然楽しいと思った。
当該本はもうとっくに売り払ってしまい、手元にはない。
現在も自費出版ビジネスは存在しているだろう。勿論、紙の本となれば安くない費用が掛かるだろうけれど、昔と違って電子書籍というルートもあろう。
でも、多くの書き手(投稿サイト利用者)は「自費出版じゃ意味がない」と思っているのではないだろうか。たとえ余りある金があっても「自腹を切って本になって、それに一体何の意味があるのか」と思っているのではないだろうか。
確かに、カクヨムでもよく聞く『書籍化』なる形式ならば自腹を切らなくて良いだろうし、大きな出版社であれば一通り宣伝もしてくれるし、著者が在庫を抱えるリスクもないだろう(システムはよく知らないけれど)。
しかしながら、そんなメリット云々よりも、『書籍化=承認』『自費出版=自己満足』という図式が書き手の自意識にある気がしてならない。「自己満足ではなく、出版社(他者)に認められたい」と。
話が冒頭に戻る。
当該のアンソロジーに纏められた作品を書いた作者は、現在何をしているのだろう。中にはプロになった人が居るかも知れない(名前は変わっているかも知れない)。試しにペンネームを検索してみたら、僅かながら、今でも小説を書いている人がヒットした。大多数はもう書いていない気もするが、もしかしたらカクヨムに別名義で存在していたりして――。
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