Fiction 2 兵庫県西宮市

『あ、もしもし? あんた今どこなのよ』

 携帯を取るなり聞こえてきたのは、またもや怒っているような少女の声だ。

そんな彼女の怒りとは対照的に、男は呑気な対応をする。

「西宮駅だよ。君の指示通り」

彼の意識は、怒りを通して少女の感情表現が豊かになったことに向いていた。

なんにせよ、他人の内面が少しでも見えるのは嬉しいことだ。

『……』

「確か、集合は今日の朝八時だったよな?」

『あんた。自分の居場所、もうちょっと正確に言ってくれる?』

 男ののんびりとした様子に彼女の不機嫌さが一層増した。

「西宮駅の……北口だよ。これも一昨日LINEで聞いたとおりだろ?」

『……』

 男は携帯を左耳に当てながら、少女の姿を探して左右を見渡す。

「ただ君の姿は見えない、な」

『そうよ』そっけなく少女は同意する。

「ん?」

男はその言葉の意味が掴めずに曖昧な反応をした。

『——あんたさ、関西の方に来るのって初めて?』

「いや、そりゃ初めてってことはない。二、三度は来たことがあるはずだ」

『あ、そ』電話越しで少女は大きなため息をついた。『じゃあ、とりあえず、そのまま駅前のロータリー、もしくは大きな国道の方に歩いて行きなさい』

「……。ん?」

『それで、タクシーを捕まえるの』

「なんでだ?」

『そして、私の言ったことを一言一句抜け漏れなく、運転手さんに言いなさいよね。いくわよ。「阪急西宮北口駅までお願いします」』

 ちょうどその時、男の目の前に一台のタクシーがやってきた。彼女に言われたところで、彼の右手は自然に伸びた。

「……ああ、ちょうど今タクシーがきた」

『すぐに止めて!』

「もうやった」

 男は体を折って、タクシーの車体へと乗り込んだ。

「それで、なんだって? どこに行けばいいんだ?」

『……。「阪急の西宮北口駅までお願いします」と復唱しなさい』

「……。ええと、運転手さん、『はんきゅうのにしのみやきたぐちえきまで、お願いします』

 運転手は静かにこくりと頷いた。そのやり取りが電話越しに聞こえていたのかどうか、少女との通話はすでに切れてしまっていた。

 男はそんなスマホの画面をしげしげと眺めた。

タクシーの車体に揺られて数分。

「お客さん、南口のロータリーでいいんかい?」

 運転手の低くしゃがれた声が車内の沈黙を破った。

 そして、男は素直に頷いた。

彼は車窓の外に広がる街の景色に目を向けた。自分の地元とさして変わるところのない景色だった。直に少女との待ち合わせ場所に着く。

 そして、数分も経たず、タクシーが停車した。

男は代金を手持ちの現金で支払って外に出る。左右を見て、駅舎らしき建物へと近づくことを決めた。

 ちょうどその時、少女から再び電話がかかってきた。

「はい、もしもし」

『もしもし。そろそろ着いた?』

彼女の声は先ほどよりは落ち着いていた。彼女の怒りは幾分収まってくれていると楽だ、と男は期待した。

「ちょうど今着いたところだ」

『でも、あんたの姿、見えないけど』

「いやでも言われたとおりに来たんだが」

『……。えっと、今何口にいる?』

 男は電話を耳に当てながら、目で駅の案内板を探した。

「……南口だ」

『じゃあ、北西出口の方に今すぐ来て。その前の広場で』

「は」——いはい、と続ける前に電話が切れた。

 そういうガサツな対応を見るに、まだ彼女に苛立ちは残っているのかもしれない、と男は推測した。

彼は素直に歩みを進めた。駅舎コンコースへ上がり、案内板の指示に従って、北西口へと向かう。再び地上へ戻ると、ようやく少女の姿を認めることができた。

「やっと来たわね……」

 少女の髪は先週よりも短くなっている。今は肩口に伸びるほどだ。

 それに、頭にはオレンジ色のカチューシャ風リボン。

「今日はハルヒか」男は小さい声でつぶやいた。

じゃあ、あの怒り仕草もある種のオマージュか否か……、男の頭によぎるのはそんなことだった。

「朝8時集合って言ったのにもう8時半じゃない」少女はやはりムッとした顔をしていた。

 せっかくの整った顔が勿体無い、と男は思った。

「——なんでよ」

「すまんすまん」

 とはいえ、普段の少女はここまで苛烈な性格はしていないはずだった。ただ、この日の不満オーラは自ずと涼宮ハルヒのイメージを呼び起こした。

「……つまり、俺は8時には間違った場所にいたわけだな」

「そうよ」

「せっかくなんだ、後学のために説明してくれないか」

「まあ、いいよ。ここらへん、ってか関西って、結構駅名がややこしかったりするのよね。私鉄とJRで同じ駅名を使っていても、場所は徒歩では到底辿り着けないかけ離れた場所にある、とかね」

「ふむふむ」

「で、今回は、『西宮北口駅』に集合だったのよ。『西宮駅の北口』じゃなくてね。こっちがハルヒの聖地だから」

「あー、なるほど。そういう細かい違いがあったのか」

 少女の説明は事実ベースに行われた。予想された非論理的な感情論は炸裂せず、男も遅刻の責任を全面放棄するわけにはいかなさそうだった。

 すると、少女は、

「まあでも、あたしもちゃんと『阪急』西宮北口駅とか書けばよかったわね」と、急にいじらしいところを見せた。

 こう垣間見える少女の育ちの良さそうな部分を男は気に入っていた。

「本当のとこは、あんたに自転車で来てもらってもよかったんだけどね。まあ、それは妥協したけど。さすがに、ここまでグダグダになるとは」

「俺ももう少し確認すればよかった」

「まあいいわ。こうやって集合は出来たんだし、今日の目的を達成しに行きましょう」

 少女は鷹揚に気持ちを切り替えた。男は隣に立つ活発な少女を遠い目で見ていた。


  *


「それで、今日はどこでやるんだ?」

 二人が立っていたのは休日の駅前である。通勤客がおらず、代わりにファミリーがぽつぽつと歩いていた。

「この広場もだいぶ大事めな聖地ではあるけど、やっぱり高校かな。北高」

「あーはいはい。確かにそこだな」

『でしょ?』とばかりに少女は無言で頷いた。

「てことは、山道を登っていくんじゃなかったか?」

「そうそう。よく覚えてるわね」

「まあな。じゃあ、早速?」男は両手を歩道の二方向に向けてみせた。どちらに行くのか、ということを彼女に尋ねるハンドサインだ。

「待った。高校の最寄り駅はここじゃないから、電車に乗るわ」

 そう言って、少女は男には背を向けて駅舎の方へ歩き出した。

 男は軽くあげていた両腕を下ろし、すっと彼女の後をつけた。

二人はそのまま乗客の少ないローカル線に乗って、二駅離れた北高の最寄り駅へとやってきた。

「よし。着いたわね」

 プラットフォームを改札口の方へ向かって歩きながら、少女は声を上げた。そのまま、彼女は両手を高く掲げ、伸びの仕草をした。

「そういえば、今回はしっかり下調べしたのか?」

 男は半歩前を歩く少女に問いかけた。

「さすがにね。てか、前回は手抜きだったからね。懲りたよ」

懲りることはないだろう、と男は言ってやりたくなった。先週は美味しいカニも食べられたし結果オーライだった。彼の人生観では、事前準備というもの一般にそこまで大きな価値はない。

「で、その調査の結果、今日はどれくらいかかりそうなんだ?」

 男は質問を続けた。その間に、二人は改札を抜けていく。

「うーん、どうかな。早く終わらそうと思えば終わらせられるし、時間をかけようと思えばかけられる。それはいつものことだけどね」

 その回答に男は首をひねった。

「そういやさ、あんた今日はホテル取ってるの?」

「いや、取ってないよ」

「じゃあ、新幹線で今日中に帰るつもり?」

「いや、夜行バスを予約してる」

「そっか」

少女は表情を崩さずに前へ進み続けていた。

ちょうど目の前の道が登り坂へと差し掛かるところだった。

「ああ、この階段!」

 男は感嘆の声をもらした。

駅前の道が登り坂を経て、歩行者用の急な階段へと変わった。階段の左右は剥き出しの斜面に木々が立っている。

「見覚えあった?」相変わらず前を歩いている少女は少し後ろを振り返った。

「うん。かすかに、だけど」

 その急な階段はやけに長かった。

まだその半分にも到達するかどうかの時、

「いや、にしても長いな」と男は思わず漏らした。

「疲れちゃった?」少女は淡白に男に尋ねた。

「いや全然」男はかぶりを振った。「ただ、こんな厚着してきたのに体が熱くなってきた」

 男はダウンジャケットにマフラーを巻いた、冬の完全装備をしていた。

彼は反射的にマフラーをほどいた。

「これ夏に歩いたらどうなるんだろな」

「あのさ。ちなみにあたしの調べでは、こんなの序の口らしいよ」

「へ?」

「覚えてない? この階段、通学路のシーンでもだいぶ最初の方だったでしょ? それにキョンがもっと急な坂道歩いてたし」

「そうだったっけ……」

 華奢な体つきの割にパワフルな少女はずんずんと急階段を登り進めていった。


 目的地である北高のモデル・県立西宮北高校へと辿り着くまで徒歩であと5分というところ。

男は体力をかなりすり減らしていた。

「完全に山道、なんだな」

 息も上がっており、男の言葉は途切れ途切れにしか出てこない。

「だから言ったでしょ? 結構しんどいかもって」

「にしても、途中、トレッキング装備の集団とか、いたぞ」

「まあ、ここらへんは良い山登りスポットなんじゃない?」

「それが、通学路だなんて……」

「でもほら、見てよ」少女は後ろを振り向いた。今まで歩いてきた道はかなりの勾配を下っていた。「なかなか綺麗な景色じゃない?」

 男が振り返ると、視線の先には、平野に連なる住宅街。さらにその奥に、太陽光をところどころ照り返す大海が広がっていた。

「おお」

「神戸って100万ドルの夜景、みたいに言われたりするだけはあるね」

「あ、そういえば——」男の視線が斜め上をゆく。何か別のことが彼の頭に浮かんだ。「昔、彼女と関西旅行に来た時、こんな感じの夜景を見たな」

「へー……」

「あの時は、ロープウェーかなんかに乗って山頂まで行ったけど、今はそれを歩いてるんだもんな」

「獣道ってわけでもないんだからマシよ」

 彼らが歩いているのは、山を切り開いて出来た一般の県道だ。アスファルト舗装もしてあって、ちゃんと車も通る。

「で、この景色を眺めるようなシーンはあったんだっけ」

「この場所このカットではないけれど、ここらへんの街並みとか景色はなんとなく見覚えがあるわ、あたしは」

 それだけ言って、少女は再び坂を登り始めた。


「よし、到着!」

 少女が声高に、北高の正門前で言った。

 彼女はまだまだケロッとしていた。坂道を歩いてきたことは彼女にとってむしろ良い運動となった。そうして程よく体力を消費したことが機嫌の良さにつながっている。

 一方、男は結局たどり着くだけでヘトヘトになっていた。

「元気だな……」腰に手を当てて、体力を回復せんとするその姿は、もはや彼に十代の頃の活力が残っていないことを象徴する。

 そんな男を尻目に、少女は背伸びを繰り返して、フェンス越しに学校の中を覗いていた。この日は休日ということもあってか、生徒がたくさん集っているような印象はない。

 ただどこからか運動部のよく響く掛け声が聞こえてくる。

「そういえば、やっぱり学園系の作品って、いくら学校のモデルが実在しても、その中に入れないのが、難点だよな」男は呼吸を整えながら言った。

 モデルが一般の高校である以上、特に関係者でもなければ入ることはできない。

今こうして高校の正門前で立ち尽くす二人だって、あまりに長居すれば不審者ということになってしまう。

「だからさ、そこは堂々と入っていけばいいじゃん」

「おいおい、ちょっと待て。それはさすがにまずいんじゃないか」

「なによ」

「聖地巡礼にもルールと嗜みというものがある、んじゃなかったのか?」

 男はいつかの少女との会話を思い出す。そういうセリフを彼女が一度吐いていた気がするのだ。

「それは『普通』の場合。あたしたちは違うでしょ」

少女はしたり顔で男の肩を叩いた。

彼女の意図するところは明確だ。彼女は男の特殊な能力をもって、「あたしたちは違う」と述べたてたのだ。

 そして、少女は続けた。

「それにさ、『ハルヒ』にとって学校に忍び込むってモチーフは結構大事でしょ?」

「ああ、確かに」言われてアニメのそんなシーンが男の中でフラッシュバックした。

「でも、そうは言っても、俺たちが制服に着替えて侵入するとか、そういうことじゃないよな?」

「いやいや。これだよ、これ」

 少女は背負っていたザックを下ろす。そしてその中から、高校生用風のジャージを取り出した。

「あー……」確かに、と男はまた思う。「ジャージに着替えて侵入、みたいなやつハルヒにあったな」と内心で独りごちた。

「それは、内部の知り合いに借りるから成立するやつでは?」

 その高校指定のジャージを着なければ、いくらジャージでも結局不審者だろう、と男は指摘する。

「……」少女は不思議そうな顔をした。「だからさ、わざわざ土日にしたんじゃん」

 男は少女の純粋に不思議がる表情を見て、彼女の思考を推測する。ほどなくして、彼女の行動の理由を推定した。

「……。土日なら部活の試合とかで他校の生徒が来てるから、どんなジャージでも問題なく入れると?」

「そうそう!」

わかってるじゃん、と少女はまた男の肩を叩いた。

 なるほど、と妙な納得感を覚えた男は、しかしながら言葉を濁した。

「いやあ、でもさすがにそれは……」

 その機微を十分に察したのか、少女は先に説明に回った。

「いやわかるよ、言いたいこと。あたしだって、いっつもこの手法を使おうとは思わないし、それがダメなことだというのもよくわかる。けど、やっぱりあたしの仕事として、このモチーフも忠実に再現しておこうかなと思ったんだよ」

 しばしの沈黙。

 少女の言葉を尽くした説明を聞いて、男も少し考えるところはあったようだが、まもなく彼の中での結論は出た。「けど、やっぱダメだろう。不法侵入だよ」

「でも!」少女はまだ反論を加えようと試みる。

 だが、そんな少女の言葉を聞くまでもなく、男は「そんな面倒なことはせずに——」とつぶやきながら、地面に片膝を立てた。

 その状態で男が目を閉じ、集中を研ぎ澄ます様子を少女は呆気に取られながら目にするほかはなかった。

 すると気付かぬ間に、男と少女を中心とする周囲3メートルほどには、ガラスのレンズのような膜が立ち現れた。その外側には水蒸気のような微かな白い気流がどこからともなく出現し、そのガラスかのような球体を包み込む。

球体の中心でただ目を泳がせている彼女の視覚は機能していない。

神秘的とか儀式的とかいう言葉では表現しきれないこの体験は彼女にとって数回目だった。

その永遠にも感じられる一瞬の間、彼女が口を開いて言葉を発しようとしてもそれは紡がれず、頭で思考を練ろうとしてもそれは形を成さないのであった。これには、回を重ねたとしても一向に慣れそうにもなかった。


 ふっと意識が引き戻される感覚のあと、少女は自分の目の前に慣れ親しんだアニメのセル画の世界が視界一面に広がっているのを見た。

「ふう」

 その隣で、男は体を地面に横たえ、一息ついていた。

「ちょっと、あたしの話もロクに耳も傾けずにやっちゃうなんて反則でしょ!」

 その男の姿を認めた途端、少女はそんな言葉を無意識に発していた。その言葉は外から話すように指定されたようであり、その音声はアテレコされたようであった。こっち側の世界で喋る時、そんな奇妙な感覚が彼女にはいつも残った。

「あの勢いだと、本当にジャージに着替えて学校に入るとこだったろ」

 男はその場に寝転び、体を投げ出しながら言った。

彼の身体には、行き道の登り坂とこの能力の行使で相当な疲労が残っていた。体に力が入らないのも無理はない。

「それにしても……」やはり不承そうに彼女は言った。

 そんなやり取りをしている二人の目の前にはやはり北高の校門が構えている。

 しかし、それは限りなく現実の北高の校門に似てはいたものの、あくまでそれがトレースされたイラストのように少女たちには見える。

「あ!」と少女は声を上げた。

 その時彼女は自分の身体を見下ろしていたところだった。

「しっかり、制服になってるわね」

「俺も今回はちゃんと予習してきたんだ」

 そう思って少女が男の方を再度見ると、彼も北高の男子生徒用の服を着ていた。

次に、少女の目には自分の足下に乱雑に置かれたジャージが映った。

「これなら、ジャージ要らなかったじゃない」

少女はそう言いながら、ジャージを再びザックにしまってしまう。そして、その場で軽く跳んでみたり、手足を伸ばしてみたりした。調子はさっきまでと変わらないようだった。

「相変わらず不思議だね」独り言のように少女は小さな声でつぶやいた。


  *


「ああー疲れた」

 再び校門前へと戻ってきた二人は、そのまま地面に腰を下ろした。

 目の前には、まさしくアニメの背景に使われたままの北高の風景が広がっている。

「案外、面白かったわね」

「案外?」

「うん」

「やっぱ京アニだと細部が忠実だからかもな」

「あんたは楽しめた?」

「まあ、それなりに。で、仕事の方はちゃんとできたのか」

「ええ、それはそうよ。それが目的だから」

「ならよかった。……じゃあ、そろそろ戻ろうか」

「待って、最後に記念に」少女はそう言って、ポケットから自分のスマホを取り出した。

 そして、画角に気を遣いながら、校門を中心とした目の前の景色を写真におさめた。

「それ、毎度言うけど、あんま意味なくないか」

「まあいいのよ。これを見てあたしがどう感じるか、が重要でしょ?」

 まあな、と男は軽い相槌を打つ。そして、また目を瞑った。


 ふっと気がつけば、少女の周りにはいつものリアリティある世界が舞い戻っていた。自分が座っている道路のアスファルトの質感を服越しに肌で感じる。楽しみの時間はこれまでで、あとに残るは何の変哲もない平々凡々たる日常なのである。少女はこの時がどうも好きにはなれなかった。

「さあ、帰るわよ」少女は立ち上がり、荷物をまとめながら言った。

「ああ」男はすでにその場に立っていた。そして、足を伸ばし始めた。随分と足に来ているのだろう。そんな姿に少女は「帰りはタクシーにする」と落ち着いた声で告げた。

 少女は口をつぐんで歩き出した。

日は傾き、空は少し紅くなってきていた。


【en hommage à 『涼宮ハルヒの憂鬱』par 谷川流】

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