醜悪な姫と憎しみの騎士R3

仲仁へび(旧:離久)

醜悪な姫と憎しみの騎士R3



 魔法王国ブリリアント。


 初代魔王女王の恩恵が、長年続く反映の国。


 しかし、その国のはある女王の統治で滅んでしまった。


 初代女王の魔法の加護すらけしてしまったのは、悪の心などではなく、澄んだ純粋な心だった。





 その姫は、温室の中で育てられた、箱庭の姫だった。


 両親から、大事に大事に育てられ、溺愛されて生きてきた、世間知らずのお姫様。


 一歩も外を出たことがなく、何かを自分で成したこともない。


 だから、世界は自分を中心に回っていると信じていた。


 王様と王妃様が、不慮の事故で死んでしまった後、お姫様は後を継いで女王となった。


 けれど、悪いものや辛いものを何も知らないお姫様では、うまく統治をすることができない。


 すぐに国は荒れて、革命が起こった。


 護衛の騎士と共に追っ手から逃げ続ける日々を送ることになった、可哀想な女王様。


 けれど女王様は楽観的だった。


 話し合えば皆、わかってくれるわ。


 きっと誤解してるのよ。


 だから、みんなの所へ戻りましょう。


 騎士はそんな女王様を必死で止めた。


 そして諭そうとした。


 話し合っても分かり合えない所まで来ているのだと。


 王女様の統治で国は荒れて、食べるものに困った多くの者たちが、犯罪に手を染めている。


 そうできなかった者たちは、飢えて死んでしまっている。


 騎士の家族もそうだった。


 下の年齢の者たちが死んでしまっていた。


 けれど女王はそれを、いつまで経っても理解できない。


 やがて、我慢していた騎士の心は女王から離れていく。


 きっと、分かり合える。


 そういい続ける女王に、憎しみをつのらせて、その首に剣を突き付けた。


 女王様は首を傾げて、ただ笑顔になり、話し合いましょうと告げる。


「あなたはなんて醜悪なんだ。綺麗ごとを述べるだけで、何もしない。それで十分だと思っているその心は、綺麗すぎて醜く見える」


 そう言った騎士は、王女様の首をはねて、革命が起こっている国を鎮めた。


「俺達は人間。泥水にすむ魚。澄んだ水では、生活できないんだ」


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醜悪な姫と憎しみの騎士R3 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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