21話
あけみの誕生日会が開かれる日曜日、窓から気持ちのよい陽射しが差し込む中、僕は頭を抱えていた。
昨日は格好付けて、事件を絶対に解決してやると豪語したが、どう考えても無理だ。容疑者はいるが、彼らは疑わしいから、容疑者なのであって、決定的な証拠がなければ、犯人と言えないのだ。
「ほら、準備しないと、ロートルみなもが迎えにくるわ」
アテナは僕をせかした。
「ああ、わかってるけど……」
僕は気持ちを切り替えられないまま、あけみに渡すプレゼントの中身を確認した。それはアテナの要望で用意したものだ。
「本当にこれでいいのか?」
「いいの。あけみはコレに目がないのよ」
「アテナがそういうなら良いけど」
プレゼントをカバンの中に詰め込むと、インターホンが鳴った。
「じゃあ、行ってくるよ」
「いってらっしゃい。部屋の掃除でもしておくわ」
「いや、おまえ幽霊じゃん」
玄関を出ると、みなもが待っていた。
「おっ。そうちゃん」
「おはよう」
「さっそくで悪いけど、あけみちゃんの誕生日会は12時からなんだ」
「えっ?」
僕はスマホを取り出して、時間を確認した。まだ午前9時だ。3時間もある。
「じゃあなんで9時集合にしたんだよ?」
僕が訊くと、
「事件の調査をしにいくからだよ!」
みなもは遠足にでもいくようなテンションで言った。
「は?」
「だ、か、ら、私も三ノ宮家殺人事件の調査を手伝うんだよ。灰色の脳細胞が疼いているんだ。じっちゃんの名にかけて、真実はいつもひとつなんだよ。実に面白い」
みなもはドヤ顔で言った。
「いや、詰め込みすぎでわけわからん」
「さっそく現場まで行くよ!」
「せやかて、みなも。お前が事件のこと手伝うって一体どういう風の吹き回しや?」
「いいから、いいから」
「お前事件のことなんもわかっとらんやろ?」
「バーロー。ハワイで親父に教わったから大丈夫だよ」
そういえば、みなもが僕のために自発的に行動してくれるのは、新鮮な気がした。いつもは僕がみなもを頼ってばかりなのに……。
§
みなも曰く、事件の犯人を幽霊が目撃しているかもしれないから、近所に住み着いている彼らに尋ねてみようとのことだ。僕はみなものやり方に感心した。なるほど、幽霊の証言だから証拠能力はないが、事件の手がかりを掴めるかもしれない。
僕らは館の近くまでやってきた。
「さっそく幽霊さんがいたから聞いてみるね」
みなもは元気よく挨拶しながら、道端の何もないところに話しかけていた。
「あの館で起こった殺人事件について何か知ってますか?」
みなもはしばらく、虚無に耳を傾けて、うんうん頷いていた。
「……なるほど……へえ……それは大変だ……わかった。ありがとね」
みなもは虚無に手を振って、僕のところへ戻ってきた。
「何かわかったか?」
僕が言うと、みなもは首を振った。
「全然わからなかった」
思わずズッコケそうになる。
「いや、長いこと話してたのに、わからなかったのかよ」
「うん。おばあちゃん幽霊だったんだけど、お孫さんが玄関に盛り塩をするから、家に帰れなくなっちゃったんだって」
「いや、幽霊なら深刻な問題かもしれないけど」
同情したい気持ちもあるけど、シチュエーションが幽霊すぎてわからん。
「事件当日はこの辺をウロウロしてたけど、特に何も見ていないってさ」
「そっか」
「この辺はベットタウンで、幽霊の数も少ないから、目撃証言もあつまらないかもね」
「なるほどね……」
幽霊の生態に関してはみなもの方が詳しいから、それ以上、口を挟む余地もない。
みなもはしばらく幽霊を見つけては話しかけていたが、事件に関する証言を得ることはできなかった。
僕らは、公園で木陰になっているベンチを見つけて、そこで休憩することにした。
「証言が全然集まらないね」
みなもは首を傾げて言った。
「まあ、そんなもんだよ」
僕は以前の聞き込み調査で勝手を知っていたので、みなもほど落ち込むことはない。
「ごめんね、そうちゃん。役に立てなくて……」
みなもが申し訳なさそうに言った。
「そんなことないよ」
僕は言った。
「それで、どうして事件の調査するって言い出したんだよ?」
「うん? そうだね……」
みなもはうーんと考えた。
「私も人のために行動したいって思ったからだよ」
僕はみなもの答えに拍子抜けした。
「いや、みなもはいつも誰かのために行動しているだろ」
僕が言うと、みなもは首を振る。
「そんなことないよ。私はいつも私のために行動しているんだ。その最たる例が除霊なんだ。信者さんは憑き物が落ちるし、リターンとして祈祷料が返ってくる。それって、正直なことを言えば、自分の生活のためにやってることじゃん。
「でもね。私はさ、本当は誰かのために、無償で行動したいってことに気づいたんだ。ほら、そうちゃんが、私がいじめられた時に助けてくれたじゃん。そういうことがしたいんだ。私はそうちゃんに今まで何も返せてないなって、昨日気づいたんだよ」
「昨日?」
僕の言葉をみなもは遮って言った。
「だから、私はそうちゃんのために行動したいと思ったんだ。あけみちゃんのためじゃなくてね」
みなもは言った。
「なんか告白みたいだな」
僕は茶化すように言った。
「告白だよ」
みなもはいつにもまして真剣な表情で言葉を口にした。瞳の向こうに確固たる信念が見えた。そして、笑顔になった。僕は彼女の一瞬の変化に驚いた。まるで、僕の胸に釘を刺したかのように、彼女の言葉が重く響いた。
「そろそろ時間だし、あの幽霊で最後にするよ」
みなもはベンチから立ち上がって、歩き出した。
「こんにちは!」
みなもがこんな時でも元気なテンションを維持し続けることができることに感心した。
しかし、みなものさっきの真剣な表情が、瞼の裏にタトゥーのように入れられて消せない。彼女があんな表情をするのは初めてだった。
(……やっぱり、みなもはお前のことが好きなんだよ)
そんなことはわかりきってるって。今更言うな。
(だけど、お前はアテナの方が好きなんだろ?)
チッ。もういいよ。その話は。
(素直になれよ。素直に生きれば、お前はもっと楽になれたはずだ)
……素直になれば、僕は変な拗らせ方をすることはなかったはずだ。だけど、正直に生きることは、他人に迷惑をかけることだと気づいてからは、自分を内側へと隠すようになった。
だけど、さっきのみなものように、僕も意思表示をできるようになれば……。
僕は自問自答を振り払って、空をぼーっと眺めていた。
「そうちゃん!」
みなもが呼びかけてきた。
「どうした?」
「事件当日に館から出てくる人影を見かけた人がいたよ!」
「マジで!?」
僕は思わず立ち上がった。
§
みなもは道端のお地蔵さんに話しかけた。
「それで、午前4時半ぐらいに、家から出てくる人影を見かけたんですね?」
「…………………………」
「そうなんだ。確かに見かけたんだけど、それはそこに住む娘さんの姿をしていたんですか?」
みなもは、へえと独りごちた。
「そこに住む娘さんって、アテナのことじゃないか?」
僕はみなもに言った。
「それって、そこに住むアテナさんのことですか?」
みなもは再びお地蔵さんに向かった。
「…………………………」
「そうだって」
「その人以外に出てきた人はいましたか?」
僕の言葉をそのままみなもが伝えた。
「…………………………」
「いないってさ」
僕とみなもはお地蔵さんに礼を言った。彼は相変わらず無言だった。
僕は首を傾げた。
僕は考えを整理し、まとめ上げた。
アテナは事件の捜査が始まった直後に幽霊になっていたと言っていたが、お地蔵さんの話を信じると、殺された瞬間に幽霊になっていたということになるだろう。つまり、アテナが殺された瞬間、幽体離脱が起こって、その幽体が自我を取り戻したのが、事件の捜査が始まった頃だったということだ。
「みなもは幽体離脱とかそういう類を見たことがあるか?」
僕はみなもに確認した。
「見たことはないね」
「じゃあ。幽霊が幽体離脱してから、その間に自我を取り戻すとかそういう類の話は聞いたことがあるか?」
「あるよ。幽霊さんは、幽体離脱してから、しばらくは無我の状態で彷徨っているらしいんだ。自我を取り戻すのはまちまちで、直ぐの人も入れば、10日後とか1年後の人もいるし、戻らないままの人もいるよ。ちなみに、もう成仏しちゃったけど、死んだじいちゃんの場合は2時間ぐらいだったって言ってた」
「なるほど……」
つまり、館から出てきた人影はアテナで間違いないだろう。そしてお地蔵さんはアテナの幽霊を見ただけで、犯人は目撃していない。このことから、犯人は人通りの少ない深夜のベットタウンであろうと目撃者を避けるために、家の正門を使わずに、別のルートを用意していたのだ。
「なにかわかった?」
僕は首を振った。わかったことがあるが、ただ犯人の通り道だけなので、大したことではない。
「そっか……」
みなもはしょげた顔をした。
「でも、手伝ってくれてありがとうな」
僕が礼を言うと、みなもは元気を取り戻した。
「そろそろ時間だし、あけみちゃんの家行こっか!」
みなもは先頭を切って歩き出した。
(今度は茶化さずに受け止めろよ?)
……悪いけど今は考えたくない。
(……逃げ出したいんだろ?)
………………………。
§
家に着くと、あけみが出迎えてくれた。
「せーのっ」
みなもの合図に合わせて、
「「誕生日おめでとう」」
これを一緒にやるのはいいけど、玄関前でやるのはちょっと恥ずかしい。しかも、後ろでこっそりおばあちゃんがガン見している。
「わぁ、嬉しいです。ありがとうございます」
あけみは嬉しそうに言った。彼女は僕らを自宅へ上がるように促した。彼女は自室へと案内した。
そういえば、みなもの部屋以外に女の子の部屋に入るのは初めてだ。そのことを意識しだすと、急にドキドキしてくる。いや、変な意味ではなくて。
「意外に綺麗だと思ったでしょ?」
「いやいや、意外だなんて思ってないよ」
僕は誤魔化すが、
「顔に出てましたよ」
あけみは意地悪く笑った。
「お父さんが家の中をリフォームしたんです。本当はおじいちゃんが建てた家なんですよ」
「そうなんだ」
「先祖は豪農で、ここらあたりの土地を仕切っていたんですよ。だから、おじいちゃんの代まではこの地域で顔がよく効いていたらしいですけど、お父さんが家を継がずに警官になっちゃって、地域付き合いをしなくなったのと、ここら一帯をベットタウンにする計画が始まって、新しい住民がどんどん入ってきちゃったから、今はそうでもないらしいです。アテナのところも、ベットタウンの計画に乗っかって移り住んできたっておばあちゃんが言ってました」
「へえ。すごい家なんだね」
「おばあちゃんから何回も聞かされて、覚えちゃいました」
あけみは微笑んだ。
彼女の部屋に目立つような何かがあるわけではないが、本棚が漫画とフィギュアで埋めて尽くされていた。それも、少年漫画のものばかりで、彼女の几帳面さと意外な趣味に驚かされる。アテナの言う通りだった。
「さっそくケーキ食べようよ」
みなもは持ってきたホールのショートケーキを机の上に出した。
「うわぁ。コレすごいですね」
あけみはケーキを見て感心した。それはみなもの手作りであるが、手作りとは思えないぐらいのクオリティのものである。
みなもが切り分けた、ケーキを口にすると、クリームの甘さと、スポンジの柔らかさが口いっぱいに広がる。甘いものが好きな僕にとっては、素晴らしいひとときだ。
「とても、美味しいです」
あけみは目を輝かせていた。僕も頷くと、みなもはドヤ顔で、
「前世はフランスのパティシエだったからね」と豪語した。
ケーキに舌鼓を打った後、あけみに用意していたプレゼントを渡した。
「はいコレ。私からのプレゼント」
みなもは昨日に購入した、マグカップをあけみに渡した。
「わぁ。ありがとうございます。大切に使わせてもらいます」
あけみは喜びながら、マグカップを見回していた。
「僕からはコレ」
カバンの中から小さな小袋を取り出して渡す。
「あけていいですか?」
「もちろん」
あけみは袋の中から、ペアになったキーホルダーを取り出した。それは少年誌で連載していた『京都卍リベンジャーズ』の主要キャラクターがふたりついたラバーストラップだ。
「えっ? コレって……」
「ストラップだよ」
「本当ですか? ちょうど去年のアニメ化に先駆けて開催されたイベントの限定品で、なかなか手に入らないヤツじゃないですか」
あけみが早口に捲し立てたので、驚いた。僕はそのアニメに興味がなかったから、全然価値がわからないが、喜んでもらえたのなら、アテナも喜ぶだろう。昨日にアテナと一緒にわざわざコレクターズショップに行った甲斐があった。しかも、割と値が張っていておどろいた。
「めっちゃ嬉しいです。大切にします」
「う、うん」
あけみの喜びように、ちょっとたじろぎながらも、これだけの感情表現してくれるのは素直に嬉しい。
「喜んでくれてよかったね」
みなもは僕に笑顔で言った。彼女の言葉に僕は親指を立てた。
「そういえば、お父さんもこの作品が好きなんですよ」
「そうなんだ」
みなもは嬉しそうに相槌を打っていた。
「この前、お父さんがこの作品のフィギュアを買ってきてくれたんです」
そう言って、本棚のフィギュアを指さした。
「さっそく飾ろうとして箱を開けようとしたら、お父さんと、箱を開けるか開けないかで、大喧嘩になったんですよ」
「それはまたどうして?」
みなもは訊ねた。
「売るときに、箱が未開封かそうじゃないかで値段が変わるんですよ。結局、飾らないと意味がないから開けちゃったんですけどね。でも、箱は捨てずにとってあるんです。売るときに箱が有るか無いかで値段も変わるからってお父さんが食い下がってしつこかったから……」
——箱が有るか無いかで値段も変わる…………あっ。そうかァ〜。あの時、どうしてこんな単純なことに気づかなかったんだろう?
「漱石君。どうかしましたか?」
あけみは僕の様子を見て、不思議がっていた。
「いや、なんでもないよ」
その後、あけみの家でグダグダして、ゲームをして、お開きになった。
あけみは玄関までやってきて、僕らを見送ってくれた。
「じゃあね、あけみちゃん。またね」
みなもは元気よく、手を振った。
「じゃあね」
僕も立ち去ろうとすると、あけみが引き留めた。
「今日のプレゼント、嬉しかったです」
「うん。あれだけ喜んでくれたから、僕も嬉しかったよ」
「それで、その……」
あけみは一瞬目を伏せた。
「よかったら、今度デートしませんか?」
あけみの言葉が一瞬理解できなかった。
「えっ?」
僕が聞き返すと、あけみは僕にこっそりと耳打ちをした。
「私、アテナの分まで青春したいんです」
彼女の言葉を聞いて、心臓が喉から出そうになる。
「いやいや、そんないきなり言われても……」
「だから、お友達として、遊びに行きませんか? 今度地元で花火大会があるんですよ」
ああ、なるほどね。お友達としてならか。それなら一緒に遊びに行くぐらいのノリだろう。普段、みなもと遊んでいるのと変わらないか……。
「まあ、そういうことなら」
「じゃあ、連絡先、教えてください」
僕はスマホを取り出して、連絡先を教えた。
「また連絡しますね」
あけみは笑顔で言った。
「そうちゃん、はやくしないと電車来ちゃうよ?」
みなもの声が遠くから聞こえてくる。
「じゃあ、また連絡しますね」
「うん。じゃあね」
僕はあけみに手を振った。
もしかして、僕にモテ期ってやつが来てるんじゃないか? コイツは調子に乗るしかねぇな。女の子に好かれるって良い気分だぜ。モテるってのも辛いなぁ。いやぁ、辛いなぁ。
§
「アテナの選んだプレゼント。喜んでくれてたよ」
自室でアテナに伝えると、彼女は満更でもない表情をした。
「あけみのことは私が一番よく知ってるからね。こっそりあけみの部屋に行って下調べした甲斐があったわ」
「だけど、アレってペアで使うものだろ? アテナがもう片方貰ったらよかったのに」
「それも考えたんだけど、私は京リベに興味ないし、それにストラップなんかつけるのも鬱陶しいのよ。だからそういうのは好きな人が持っているに限るわ」
妙にドライな気もするが、これはこれでアテナなりの愛情表現なのだろう。
「それで、事件について分かったことがあるって言ってたじゃない」
アテナは話を本題に戻した。
「そうだ。前に地下金庫で見つけた腕時計の箱があるだろ?」
「それがどうかしたの?」
「普通、コレクションになるような価値のあるものって、周辺にくっついているものが無かったら、価値は下がるんだよ」
僕はスマホで、その一例を提示する。
「例えば、このブリキのおもちゃ。これの箱有りと箱なしで、値段が倍近く変わってるんだ」
「なるほど」
アテナはスマホを覗き、うんうん頷いていた。
「つまり、あの夜に入った強盗はミスを犯している。そもそも、あの腕時計は限定モデルで箱がついていたら、もっと高値で売れていた可能性があること。そして、その箱にはシリアルナンバーが記載されていたことだ。特に後者は、実行犯が唯一残した足跡なんだ」
あの腕時計が限定モデルじゃなくて、シリアルも記載されていなければ、犯人の残した証拠は完全に消えていただろう。
「なるほどね。でも逆に言えば、犯人はどうして箱を残したりしたのかしら?」
「強盗を行う際に、長い間現場に滞在するメリットはひとつもない。だから、犯人は箱と中身を揃える時間を惜しんでショーケースの腕時計のみをターゲットに絞ったんだと思う。腕時計の場合、いろんな通販サイトを見たけど、箱が無くたって、ブリキのおもちゃのように価値が半減するわけでもないみたいだ」
「なるほどね。確かに私が強盗だったら、箱の方は見捨てるかもしれないわ」
アテナは口に手を当てて考えていた。
「それは確かに偉大な発見だけど、警察はどうして箱の存在に気づけなかったのかしら?」
アテナの言うことは百里ある。一介の高校生である僕が思いついたくらいだ。それこそ優秀な頭脳の集団であるはずの警察が、そのことを見落とすのはありえないと思う。この件を警察のミスとして片付けてしまうのは簡単であるが、失態を恐れる警察が、そんな凡ミスをするとは考えにくい。しかし、情報が限られている以上、今はそう結論づけるしかない。
「苦しいけど、この見落としこそが、事件が迷宮入りした原因なんだと思ってる。つまり警察のミスと、今は言うしかないね」
「そうね。今はそこを問題にしている場合ではないわ」
アテナは頷いた。
「その腕時計から実行犯の足跡は辿れるのかしら?」
「ああ。簡単に見つかったよ」
僕は質屋の通販サイトから、手掛かりの腕時計を販売していた画面のスクリーンショットを見せた。
「これは、アテナのお父さんが所有していた腕時計だ。説明文には、箱はないが、シリアルナンバーが1だと記載されている。もう売れてしまっているが、このお店に行って、どこから入手したかを辿ろう」
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