過去噺1 神は我を創り、世界を俯瞰した。

かつてR18指定になりサービス終了したオンラインゲームがあった。 

 

 そう、あったのだ。


一人のプログラマーだけがその世界を知覚出来ていた、そしてその『世界』をオンラインゲームとして構築し、創造して見せた。


 彼は、焦がれた情景と情熱と私生活を捨ててプログラムで構築し自宅で一体の高性能な自立型AIを創りその『世界』へ放った、そして高性能なAIに劣る数多のAIも放ち、システムでそれらを縛って『ルール』として定着させた。

 一体の高性能自立型AIにはプレイヤーがほぼ攻略出来ない程の能力と肉体を与え、他のAI達にもシステムを管理する為の権限を与え、隔離サーバーで観察する事にした。


 プログラマーが作った『世界』に色々な手が入り、正式なオンラインゲームとしてサービスが開始された。


 ある者はNPCと簡易AIを殺戮し、ある者はNPCと町を作り、ある者達は最強を目指した。


 そして彼らは増え続けある場所に着いた、プログラマーが創り愛し『世界』に放った高性能自立型AIが作った国へ、プログラマーがその時は指示した。


 【□□□□□から龍王へのメッセージです。】


 「ちょっとおもてなしをしてあげて」と


たった三人のプレイヤーとNPC2人を連れたパーティは龍王へ挑んだのだ。


 龍王も□□□□□からの指示の通りに最低限の攻撃だけで済ませて居たものの、それが仇とななった。

 龍王の攻撃はNPCの一人に防がれ、もう一人のNPCが防いだNPCを回復させる。

 剣士タイプのプレイヤーがフレンドチャットをしながらスキルを使い龍王のHPの2割を削り、魔法使いタイプのプレイヤーがそれに合わせて魔法スキルをディレイを管理しながら魔法を降らせ続け更にHPの3割を削った。

 残りのプレイヤーはバフやデバフをかけ続け何が効くのかの弱点探してをして居た。


 龍王が□□□□□が『おもてなし』を希望だったがプレイヤー達との戦闘が初めてであり、生まれて初めてHPをゴリゴリ削られる焦り、創造主が見ていると言う緊張からつい、本気を出してしまった。

 

 龍王は天然の鎧とも言える龍鱗の上から『強化骨格』を発動し、防御力を飛躍的に上げ、『無敗なる剣』をインベントリから取り出し、範囲攻撃であるスキル【ファイルインパクト】で持ってマップに存在するプレイヤー達五人を倒し、国を防衛してしまった。


 プログラマーは大笑し、龍王へ、『そのまま戦い経験を積みなさい』とメッセージを送った。


 それからプログラマーは時々、龍王を観察しつつサービス終了までデバッグや不具合を修正しつつ楽しんでいたのだが、サービスが終了する前に龍王を眠らせ隔離サーバーへ送り、龍王へメッセージを送り、首を吊って自殺した。

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