第21話
15歳。
わたしは告白をした。初恋の相手に。あなたがわたしの初恋だと。あの頃の気持ちのまま。
これからわたしは生きていく。
だって変化がないから。
学校、行きたかった。
東京は、高い建物は、だいじょうぶ、だいじょうぶだとしか言えない。
なんとかする。
なんとかってなに。
でも。
大人になったら、きちんと説明するか。
説明も言い訳だって言われておしつぶされるのかも。
ああ。
好き。
すごく好き。
でもわたし、まいにちそんなにあまいのたべられない。たべられるけどたべられない。
だってお兄ちゃんが。
冬夜、は。
わたしと一緒だと人生のしあわせのカタチが変わってしまう。べつのじんせいがあったのに。
そんなふうに、おもわせない。
思わせたくない強い意思。
お兄ちゃんはどう?
わたしに、お兄ちゃん以外のいいひとが、現れたら。
うん。
すぐ、どっかいく。どこにでもいく。どこにでも行っちゃえ。だから。
泣きながら、わたしはこのハニートーストを食べるね。甘くて脳がたるんでゆるんで。
もうあの夢もまた、きっとこの先の生涯ずっと見る。見てやる。見てしまうから。
このさき、ひとりのじんせいでも。
わたしはね、男の子にご飯作ってもらったり、お化粧品や何やらをプレゼントみたいなことされそうになったり。そういう、おんなのこ、みたいなこと。
ちゃんと経験、できたんだから。
だから。一生会えなくなるわけじゃない。
でも、もしかしたら。これきりかもね。
ひとは、だれかのおもいなしに、愛をつむげない。
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