第18話
お兄ちゃんを一度だけ、こわいとおもったこと。
それは、小学3年生の時、久しぶりにおじいちゃんおばあちゃんちに泊まって。
「ふろ、いっしょにはいる?」
わたしはもう、その頃にはおじいちゃんとも一緒に入らなくなっていてとっくの昔にお兄ちゃんとのお風呂同じ同盟も、互いの心身の成長と共に、解消されたと思っていて、あらためて聞かれた時。
なんと答えればいいか分からなくてこわかった。
お兄ちゃんの考えている事がわからなくてこわいかもしれない。
「な、なんで」小学3年生のわたしはしぼりだす。
「いや、……べつに」
いま思えば、あれは確認だったのだろう。
どれだけまだ、ふたりで行動できるのか。
そして、いつだったか、和室で2人で布団で寝ている時に言われた。
お前とは結婚しない
悲しくはなかった。さびしさはあった。
べつにお兄ちゃんはわたしの裸が見たかったとかそういうんじゃない。ただ、確かめたんだろう。
初恋の在処を。
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