第7話

わたしは、14歳で化粧を知った。

中学3年生。

わたしはめずらしくLINEをしていない中学生だった。

お母さんの方針なの。

そう言い続けた。近年ハヤってるLINEいじめみたいな。インスタのストーリーのあげたやつとかで。

「あいつら!2人で富士急いってるしッ!!」

「え、じゃ、ウチラどこ行く?無難に千葉?」

とか。シーに行くのかリゾートに行ってしまうのかそれともランドなのか。

 とにかくS N Sがこわかった。

 友達はいた。ひとり。その子は意外にも、クラスで1番人気で派手な子。隠れた、隠された親友。

 隠れてるのはわたし。隠されているのもわたし。ほんとうは、スマホの奥のスライド画面の、アプリを種類でまとめられるちっちゃい四角の中にLINEがダウンロードしてある。でも、それはダミー。

 ほんとの接触はインスタのメッセージでしてる。

 そこでわたしは人気な派手な子と、同盟を組んでいた。それは。

 〈夢で好きな人に会えたら報告する同盟〉

略してしまうと夢スキ。

 ああ、はやく、お兄ちゃんの話に戻らなければ。

 ううん。ここで、派手な子とのメッセージ会話について話した方がいいのかも。派手な子が好きなのは、担任の先生。

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