第6話
ある日のことでございました。
わたしはお気に入りのジェラピケみたいなパジャマでいつも通り夢見がちな生活の中、お兄ちゃんに。
かっこいい学ランのカッコいいお兄ちゃんに。
「おまえは、いつ、がっこうにいくの?」
とつめよられてしまうのです。
やめて、お兄ちゃん。
廊下でふたり、向かい合って、それだけでも、夢のようなのに。
でも、学校の廊下でお兄ちゃんとすれ違いたくない。だって。
「だって、でも、」
「だって、も。でも、も。あたまのわるいおんなが口にする言葉だ」
お兄ちゃんがきびしく言う。バターはこんなところにはない。あるのは。
「ッ!」
言葉につまる、頭の悪い女らしい、わたし。
お兄ちゃんだって部活の功績以外、良くないじゃん。それにっ、わたしの通ってる学校へ来てから、部活で活躍できる実力なのに、レギュラーに入れてもらえなくてつまはじきだって。
わたしはわたしで、学校に行けない理由がある。
お兄ちゃんが、10秒くらいして、
「ただ。パジャマ以外の格好が見たかっただけだよ。」
当然の事を傷つけないようにカヴァーして言う、みたいな言い方をする。
「え?」
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