あと七日

 お百度参りだ。

 私は、ずっと、五十日目あたりから思っていたことをつぶやきました。

 ひと月ほど、女の子の参拝が続いた辺りで片割れも女の子を受け入れていました。

 意外と根性あるね、と。

 またひと月経つ頃には片割れは女の子の観察に飽きていたのですが、私はずっと見ていました。

 ああ、この子、本気だね。

 私は、この子の願いを叶えることに決めました。

 けれど、私には人一人の人生を変える力なんてありません。もちろん、片割れにもありません。

 けれど、少しだけ感じる未来のにおいで、女の子のいう「運命の人」が近くにいることはわかっていました。けれど、そのにおいはあまりにも遠い。もしかしたら、お互いに、おばあちゃんやおじいちゃんになったときに出会うのかもしれない。それなら、少しだけ介入して、あとはなるようになってもらおうか。

「よろしくお願いいたします」

 いつものように参拝を終えて帰ろうとする女の子に、神社の屋根の上から声をかけました。

「ちょっと待ちなさい」

 女の子は足を止めて、周りをきょろきょろと見渡しました。私たちの姿は見えないので、構わず続けます。

「一週間後に願いを叶えてやりましょう」

 女の子はまだ私を探していますが、これ以上話すこともないので、帰るまで見守っていました。

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