第13話

さて、その頃であった。


またまたところ変わって、房江ふさえの家族たちが暮らしている家にて…


ダイニングキッチンにいる房代ふさよは、洗い物をしていた。


広間にいる房江ふさえは、電話の応対をしていた。


電話は、比人史ひとしの妻のお父さまからであった。


子供部屋にブラインドとエアコンを取り付けることを忘れたことを理由に妻とリコンすると言うた比人史ひとしは、ここに戻ったあと妻子と会わなくなった。


比人史ひとしは、リコンすると言うたもののリコンするために必要な協議はなしあいはまだしていなかった。


受話器ごしにいる妻のお父さまに対して、房江ふさえはものすごく困った声で言うた。


「もうしわけございませんでした…子供部屋にブラインドとエアコンを取り付ける費用を出してくださると聞いて安心しました…比人史ひとしが帰ったら…電話するように伝えておきます…せっかく(比人史ひとしの妻)の家のご夫婦がアタマキンを出してくださったのに…家をすてると言うたことについても…おわび申し上げます…すみませんけど…娘さんに代わっていただけますか?…お願いします。」


それから数秒後であった。


比人史ひとしの妻が電話に出た。


房江ふさえは、ものすごくつらい声で比人史ひとしの妻に言うた。


「もしもし…(比人史ひとしの妻)さん…中村区なかむら涌井わくいです…あの…(比人史ひとしの妻)さんのお父さまが子供部屋にブラインドとエアコンを取り付ける費用を出してくださると聞いたので、安心しました…お礼を申し上げます…そうよね…自分たちの理想ばかりに気を取られただけよね…大丈夫よ…子供部屋にブラインドとエアコンを取りつけたらいいだけよ…比人史ひとしが帰ったら…電話するように伝えておくから…大丈夫よ…本当は…新しい家で暮らしたいよね…せっかくふたりでコツコツコツコツとめて作ったおうちなのにすてるなんてもったいないよね…」


房江ふさえは、受話器ごしにいる比人史ひとしの妻にやさしく声をかけた。


受話器ごしにいる比人史ひとしの妻は、ぐすんぐすんと泣きながら『新築の家で暮らしたい…』と繰り返して言うた。


房江ふさえは新築の家の問題が解決したとよろこんだ。


しかし、時すでに遅し…だった。


それから33秒後に、取り返しのつかない事件が発生した。


時は、深夜11時過ぎのことであった。


またまたところ変わって、知多半島の国道247号線沿いにあるラブボにて…


比人史ひとしは、ベッドの上で浮気相手の女と全裸はだかで抱き合っていた。


比人史ひとしは、泣きそうな声で女に求めた。


「オレ…妻とリコンした…お前とやり直したい…」

「アタシもダンナをすてたわ…」

「オレとサイコンしてくれ〜」

「もちろんよ…アタシも比人史ひとしとサイコンする〜」

「オレの赤ちゃんを産んでくれ〜」

「ああああああああああああああああああああああああああああ!!ああああああああああああああああああああああ!!」


それから30分後であった。


比人史ひとしは、よりし烈な叫び声をあげたあと呼吸が止まった。


それからまた30分後であった。


比人史ひとしの胸で眠っていた浮気相手の女がめざめた。


女は、比人史ひとしに声をかけた。


「ねえ…比人史ひとし…ひと…い…イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


浮気相手の女は、よりし烈な悲鳴をあげた。


この時、ふたりがいた部屋に派手な色のスーツを着たヤクザの男数人が部屋に入った。


「どないした!?」

「たいへん…死んじゃった…」

「分かった…心配するな…おいオドレら!!死んだ男を始末するぞ!!」

「始末するぞって…」

「さわぎが大きくなる前にこの男を始末せえ!!」

「へえ!!」

「おい、はよ運べ!!」

「分かった…」


ヤクザの男たちは、比人史ひとしの遺体を部屋から運び出した。


比人史ひとしの遺体は、ヤクザの男たちによって運び出されたあと行方不明になった。


比人史ひとしは、ここへ来る前にスマホと身分証明書類などを家に置いて出た。


また、比人史ひとしが所持していたカバンの中に新築の家の権利書があったが、権利書はヤクザの男たちに持って行かれた。


これにより、せっかく建てた新築の家にヤクザが出入りするようになった。


そのまた上に、比人史ひとしと一緒にいた女はヤクザのナンバーツーの男の妻であった。


人妻にてぇつけた末に腹上死しんだ


その後、家の権利書を持っていかれた…


比人史ひとしは、どこのどこまでドアホなのか…


そしてもうひとり、起祝たつのりも人妻とカンケーを持ったことによるトラブルを起こした。


起祝たつのりは、人妻と一緒に渥美半島の国道42号線沿いのラブホにいた…


ベッドで人妻と全裸はだかで抱き合っていた時、起祝たつのりは部屋に乱入した夫に刃物でりつけられて即死した。


色浴よくぼうに負けた末に墜落てんらくした…


比人史ひとし祝起たつのりは、地獄へちたあともより高い代償コーストを払わなければならない…


哀れよのぉ〜…

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