第16夜 枯れた心に花を

 骨折で入院した。



 職場では若い方などいないのだが、入院中はお若いスタッフに驚かされる。



 わが国の美は、こんな所に浪費されていたのか?



 毎日笑顔で声をかけて下さり、次第に私もお若い方々と話すのが楽しくなってきた。



 調子に乗って、モテようと絵まで描く始末。



 この勢いで、暗い人生を巻き返したい。



 だが退院したら、再び殺し屋稼業が待っている。



 私は、某国のドローン暗殺者だ。



 毎日モニターを前に、ゲーム感覚でミサイルを飛ばすのがお仕事。



 最近は、結婚行列に一発お見舞いした。



 関係のない人達まで巻き込んでしまったが、それもお仕事。



 ダーティな人生に舞い戻る日は近い。

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