第6夜 さあ、餅を食おう

 わしは人と話すのが苦手じゃ。

 また、文章を読むことも苦手じゃ。

 

 なら、書くことは? それも体調の良いときでないとできん。



 それでも創作家か?、とお主は言うのじゃろう。

 こんなチンケな腕前で、創作家のはしくれと呼べるのか?、と。

 

 ……まあ無理もない、わしは所詮、各投稿サイトに気持ちばかりの短編小説や小っ恥ずかしい詩を投げとる小物にすぎんのじゃ。



 と言うのも、そもそもわしには文才などありはせんのじゃからのう。

 今書いておるこれも、投稿に穴を開けないための苦し紛れじゃて。



 わしは妄想などできん。

 メンヘラで薬を飲んでおるからな。


 脳に負担をかけることは、残されたわずかな仕事の負担になるのじゃ。

 この仕事を追われたら、わしは本当にただの穀潰し。

 社会の寄生虫になるのみじゃて。



 わしにも性欲はある。

 じゃが、嫁さんをもらうには、わしは懐の寂しい♂じゃ。

 だからと言って、ポルノにうつつを抜かして、残された体力を使い果たすのは愚の骨頂。


 そんなの若い時分だけの過ちにしておけ。



 神、、、神を信じるか?、、、正直、分からんのじゃ。



 じゃがのう、わしにもやがて死が訪れる。

 そのときに何も傍らに寄りすがるものがなかったとしたら、寂しいじゃろう?



 ご利益なんのと、そんな事はどうでもええ。


 今向かう相手が欲しかったら、神様はおらんよりおった方がええ。

 その方が、少しは人生に張り合いもできるじゃろうて。



 何より、信仰を持っとる人たちは(頑固なところもあるが)殊勝な献身さを持っとるんよ。


 いい人たちに囲まれるのは、悪い気はせんじゃろう?

 お主もまた、そんな人の一人になってみてはいかがかのう?


 わしか? わしはのう……、いつになったら、この狭苦しい、息苦しい世の中からお迎えが来るのかと手ぐすねを引いて待っとる次第じゃ。



 さあ、餅を食おう。

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