第49話 父と息子の対立

春節が近づいているため、映画学院の三次試験の結果発表はおそらく新年の4 日になるでしょう。


そして、アルバイトの烟角巷『Smoke Corner Alley』も閉店したため、俺が久しぶりの暇となった。


大晦日の日に街は賑わいを見せ、さまざまな新年の挨拶をもらい、俺は一つ一つ丁寧に返事をし、身支度を整えて階下のスーパーマーケットに向かい、春節用のグッズなどいっぱいを買った。


何個の買い物袋を持って一人でマンションに入ろうとしたとき、入り口近くに屋台が出しいることをきづ気ました。


なんと、マンションの管理会社が住民に対して、春節の対句を書くのを手伝っているようだ。


「あら、お兄ちゃん、何を書いてほしいの?」


執筆を手伝ってくれた管理業者のスタッフも若者で、筆を持った俺に笑顔で尋ねた。


「あのう、自分で書くから、紙だけもらってもいいですか?」


俺は微笑んで、長短の赤い紙2枚と「福」という四角な紙をもらいました。家に入ると、俺はきちんと着ていたコートを脱ぎ、買い物を整理しました。


その後、コーラの缶を取り出して一口を飲みながら、マジックペンを見つけて、二枚の長い赤い紙をテーブルの上に広げ、数分間考えてから書き始めた。


左側は、 KEEP CALM AND CARRY ONにし、右側は、 KEEP REAL AND NEVER DOWNと書いた。


そして、横にある幅が小さい赤い紙にはPEACE&LOVEと書いた。


最後に、「福」と書いた赤い紙の左右に小さく「skr、skr~」と二つ書いていた。


しばらく自分の無茶気に面白がり、人生で初めての対句にとても満足し、それをもって、入り口のドアに順序よく貼り付けたところ、たまたま向かい側の若者夫婦も対句を貼っているところだった。


その家のご主人は俺の対句を見てびっくりした様子で「よ、英語か?」と陽気で声をかけられた。


俺は二歩下がって、両側がきれいに平行であることを確認して、「うん、新年に向けて新しい活き込みだからさ」と言いました。


男は手に6の数字をだして、ラップ歌手のように「君と俺が、今すぐ、skr、skr~」とあまり本格的ではないラップを数曲歌った。


俺はそのご主人の行動にぎこちなく笑いました。


「お兄さん、プレイリストを更新する必要があるね!」


向かい側のご主人は「じゃあ、ゼロ世代って何を聴いているのか?」と尋ねました。


俺が真面目そうに、「私たちはまだ未成年だから、もちろん童謡を聞いているのよ!」と冗談を返した。


ドアの外にいる青年カップルもそれを受けて、思わず大笑いをした。良いコミュニケーションをとり、俺が「良いお年を」と言い、同じ返事をもらったらドアを閉めました。


テレビをつけて、音量を少し大きくしたら、俺は料理を始めました。


魚も肉料理も入った五品とスープも一品を作り、一人にしてとっても豪華だった。


窓の外の空が暗くなり、俺はテーブルに座り、ジュースをグラスに注ぎ、食べ物でいっぱいのテーブルを見て、今年はたくさんのことを学んだのだと感無量に思いました。


最近はよく家を掃除し、汚れた服もできるだけ早く洗っていました。食事の後も食器などもすぐに洗うようになったし、布団も起きたら整理できるようになったし、喩え、冬休みでも毎日朝5時に起きていました。


朝の体操と定期的なボクシングもずっと頑張って毎日やっていました。

もちろん勉強も一生懸命だし、時々ギター練習もやっていました。


これが今の俺のライフスタイルだ!


「ウン〜ウン〜」


俺が一人で大晦日の夕食を楽しもうとしたとき、長い間音信不通だった電話がかかってきました。


それは、マザーワンでした。


彼女は俺を親父の家へ帰るように熱心に頼みました。


考えなくでも良いか、この電話はおそらく親父から頼まれたに違いない。


そうでなければ、運転手の胡おじさんもマザーワンもこっそり俺に連絡することはできないだろう。


これは父と息子の対立を和らげる機会ですが、ハッピーエンドではない可能性が高いです。


すでにその光景を想像できていた俺はため息をつき、やはりこの大晦日には家に帰ることにした。


南山甲地ミナミヤマコウチに到着すると、家の敷地内は春節らしき飾りが装飾して、家にいる使用人たちも忙しいが嬉しい表情で歩き回っている。


俺はるばると居間まで歩いて行き、賀元沖ガモトオキが数人の会社の幹部らと談笑したり、お茶を飲んだりしているのが見えた。


何人かは俺を見てびっくりしたようで、なぜならば、山海テクノロジーグループのお坊ちゃんは長い間現れませんでした。


社内では母親と暮らすために海外に行ったらしい、或いは会長との関係が非常に悪く、表には出られないという噂もあった。


だが、何と言っても、目の前にいるのは会長の実の息子だ。


「あらま、これは天然くんじゃない?数年会ってなかったのに、ずいぶん変わったよ!ますます賀さんに若い頃の格好良さに似ているね!」


「似ているところか、若い頃の父親にそっくりだ!」


「趙おじさん、陳おばさん、劉おじさん、明けましておめでとうございます。」


このようなお世辞な場には、俺が笑顔で挨拶すると、賀元沖ガモトオキも近づいてきて、自然な顔でこう言った。


「お兄ちゃん、お父さんは、帰ってきたら直接書斎に行ってほしいって、何か話したいことがあるらしい」


「うん、わかった」と俺はうなずき、数人と挨拶を交わしてこの場から立ち去った。


親父の書斎と言っているが、小さな図書館としても利用でき、高さは8メートル、上下2階に分かれており、面積は約200平方メートルです。ここにはスタジオを置くのに十分なスペースだ。


普段では、多忙な親父はここで仕事をすることも多いようだ。


賀望山ガノブヤマは椅子に座り、向かいに立っている息子を見つめた。


書斎には広いスペースがありますが、俺には圧迫感を感じている。子供の頃はよくここで宿題をしていった。


もちろん、ここのレイアウトにもよく知っているが、だが、今俺が住んでマンションの方が俺の家と思う。


「この前、映画学院の友人に、なぜまだ試験を受けているのかと尋ねました。」と親父はゆっくりと口を開いた。


「また?」


俺はそれを聞いて、思わず眉をひそめた。


「そうよ、マザーワンから君が何か…何に学科だっけ?彼女も年だからはっきり覚えていないが、でも映画学院に入れるようにするには難しいかもしれませんが、追い出すのが簡単だからさ」


父親は日常会話のようでしたが、息子の目は信じられないという表情でしたが、感情を抑えて冷静でした。


「俺が脚本学科の一次試験で落とされたときもあなたの介入のせいではないかと憶測したが、まさかそれが真実だったね?」


親父は俺の質問に対して全く無表情で、横にあった木製のタバコケースからシガーを取り出し、器用に先端を切り落とした。


「まあ、そこを考えられるのも進歩だね!」


彼の口から噴き出る白煙は、まるで透明な高い壁を築いたかのように、父と息子の間に浮かんだ。


怒ったり落ち込んだりせず、俺は自分の考えを整理しました。


今すぐに反論するのは賢明ではありません、しかもそれは親父が最も見たくないだが、最も今まで俺の「子供っぽい」状況だった。


親父の権力に対立するには、今の俺には到底できない、親父がそれを認めてくれなければ、俺は自分の道を歩もうとしており、きっと失敗する運命にある。


この状況は、もし以前の俺なら、おそらくただ 1 つの方法、つまり諦めてどうでもよく好き勝手をやってしまう。


これは最もよくない対抗な仕方ですが、だが、俺が子供の頃から一度も父親を満足させたことはなく、次第に親父は自分を完全に手放せば、俺が自由になると勘違いした。


お互いを傷つけ合うことは非常に簡単であり、最も直接的で最強かつ最低レベルの抵抗手段でもあります。


しかし、この自由は今の俺が望んでいるわけではありません。しばらくして、俺が親父に声をかけた。


「親父、9月に会いに来たときに言ったことをまだ覚えていますか?息子が珍しく本気なのに『手伝う』というのはこういうことなの?」


「真剣に取り組むのは問題ないが、ただ、プロジェクトには方向性に問題がある場合、ボスとして調整しますか?」


(俺の人生をプロジェクトとして扱っているかよ!?)


これは俺が本当に言い返したい言葉だけと、でも、今回は俺が初めて親父と自分の考え方を彼に分かってもらいたい。


「損失を許容できる最大の範囲が、投資できる最大の制限だから、方向性を修正するのはまだ早いですし、言うまでもなく、俺ができると思っていなければ、仮に方向性を変更したとしても、それは俺に合うでしょうか?」


親父は俺の話しを聞いて、目が一瞬で輝きし身を乗り出し、明らかに興味を示した。


「この俺と投資の話しをするつもりなの?そうだとしたら、お前は俺に取って何の魅力もないからだ、唯一の利点とは、お前は俺の息子、それだけだ」


「それなら、今回の映画学院の試験に合格したら、俺が身から何かを見えるでしょう?逆にもし失敗したら、俺が親父の言う通りに従う、だから今回のチャンスを逃したくない、むしろ、俺を止める理由が本当に思いつきません!」


俺は父親の質問に答えるのではなく、今回の解決案を簡潔に提案した。だが、その話し終わると親子ともども沈黙した。


賀望山ガノブヤマは机の上のフォトフレームに視線を移すと、そこには3人家族の写真が入っており、幼い天然くんは父と母の手を握り、太陽の光に満ちた笑顔を浮かべていた。


俺は父親の視線に気づき、「今まで一度もあなたに誇らしいことがないようだね」と静かに言いました。


彼はフォトフレームを手に取り、目には思い出があふれていました。


「そうだね、お前の性格はずっと穏やかだったのを覚えています。難しいことにぶつかるとすぐに母親に泣きつくし、本当に可愛くないなぁ!」


「では、今後はできるだけ貴方の前には出ないようしますから」


賀望山ガノブヤマは深呼吸して、「誰でも綺麗事を言えるが、俺は結果だけを見ているので、まあ、普通に試験を受けでもいい」と言いました。


「本当?」


「それは、先程言ったことが真実かどうかによるね!」


父と息子は心の中で暗黙の了解を得ており、今度は俺が監督学科の試験は良くする、いや、親父に誇らしいほど良い成績を収めなければ、今後俺がやりたい人生に選択権限すらないのだ。


「うん、できる」


そう約束すると、俺は振り返って懐かしさのかけらもなく書斎から出て行った。


賀望山ガノブヤマも彼を留めようと説得する言葉を何も言わなかった。


二人とも気が強い人で、賀望山ガノブヤマは息子が出るまで写真立てをテーブルに戻さなかった。


息子は賀望山ガノブヤマが試験を止める理由を思いつかないのは、実は彼の年齢の問題だけであった。


彼らには父親と息子である。


写真に写っている3人の人物のうち、この功績を残した男の隣に立っているのは彼自身だけでした。


ビジネス業界の大物、孤独だ。


次回変更になる場合は、別のお二人になってしまうだろうか!


「また背が伸びたようだな!」


巨大な書斎の真ん中に座る賀望山ガノブヤマがまるで王様のような存在だが、身内の人は次々と彼のもとから去ってしまいました。


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