未来から来た彼女

第45話 二次試験

サインを求めただけなのに、受験を拒否されてしまった？

俺だけでなく、グループ内の受験者全員が沈黙し、運の悪いあの三人は恥ずかしさと怒りを感じて立ち止まっていた。

「映画学院ってどんな場所だと思いますか？ 空港ですか？それとも広場ですか？ここは試験会場です！映画学院の試験会場です！」

「君らは学校に入った瞬間から試験がすでに始まっている。ここが港町市を代表する場所、中国にも、そしてアジアでもトップの映画学校であることを忘れてはいけない。将来は本校から卒業する監督の視線は仰向きすることを望ましくないのだ」

助教授は眉をひそめ、口の中に豆を竹筒を叩きつけるように、我々を説教し、受験者全員を黙らせて恥ずかしく感じるようになった。

結局、あの不運な三人達は、お金を乱雑に持って、頭を下げて立ち去った。

試験会場の外では、同じグループの受験者たちが、ため息をつきながら彼らを見つめていた。

「皆さん、君らは監督科目の試験を受けていることを忘れないでください。そして、将来何百人ものスタッフを管理する監督であることを覚えておいてください！」

「将来は数百万、数千万、さらには億単位を超える投資を受け、映画を制作することもあるので、映画監督は制作チームの中心人物であること。環境にすぐに動揺してしまう人ならばさっさと帰ってください」

前から映画学院の生徒は非常に傲慢だと聞いていたが、それがこの学院のスタイルだったのだ！

このような大けさ話はもちろん、必要な部分だけ聞けば良いので、でもあの運が悪い三人がいなくなると、グループには 7 人となってしまった。

おれは俺達に取っては、良いチャンスと思って、ここで説教を聞くのもしょうがないと俺が思っていった。

グループ面接の先生は5人で、最年少でも40代か50代近いと思われる。彼らの表情はとっても厳しく、先程説教した先生は、彼らの前ではまるで弟分のように、隅に座ってメモを取るのを手伝ったり、テストの様子をビデオ録画したりすることしかできません。

全員が受験会場に入り、順番に座りました。ここに入る前までには、面接がどのようなものなのか誰も知りませんでした。

俺が通っているスクールの先生から、前の教え子で喧嘩したときの年齢を聞かれたらしい。正直、監督と喧嘩の歳は何の関係があるかしら？

もちろん、それは関係がある。なぜならば、劇を演出するとき、監督はその喧嘩が登場人物にとってどういう意味を持つのか、それがどのような心理なのかを分析しなければなりません。

それを直接体験することによって俳優さんに良いコミュニケーションができ、現実さがあるシーンをうまくとれるからさ。

ただし、こういう質問は自己紹介のときに聞かれることが多く、全員が自己紹介を終えた後、次の質問が最も重要であった。

この面接は、先生から一対一で質問ではなく、質問に対するグループディスカッションが行われます。

そこで、各受験者の才能と能力を調べるだけでなく、さらに心理的な資質とコミュニケーション能力、特定の状況における言語と身体の制御を観察できることができる。

監督として、リーダーとしての資質があるかどうか、そして数百人のスタッフを同じ仕事の目標に向かって導くことができるかどうかが非常に重要である。

情熱に欠け、自分を表現する内向的な人は、詩人や作家にはなれるかもしれませんが、監督としては絶対に成功しません。

したがって、このような試験では、自分が周りから目立つことができ、みんなの話題の中心になれるかどうかが、この面接に合格するための最も正しい姿勢となります。

以前の俺には明らかにそのような才能がありませんでした。

この時、試験官席の真ん中に座っていたヤギひげを生やした老人は、「始めましょう。まず自己紹介をしてください」と簡単に言いました。

彼はテーブルの上の熱いお茶を手に取り、息を吹きかけ、それから一口飲みました。

老人は誰から話そうとは言わなかったが、受験者たちは全員左右に顔を見合わせ、老人と向かい合って中央に座っていた一人の受験者が先に立ち上がって自己紹介の機会を掴もうとした。

自己紹介は、どんなに優れた自己紹介であっても、何の仕掛けもありませんし、先生も名前や出身地を理由に入学を認めてくれません。

彼らが望んでいるのは、感性と生活の認知度の観察だから、なので特別な人生経験を持っている人を知りたいと思っています。もし他の皆と変わらない日常を紹介し、無茶苦茶に勉強していると、基本的に合格を見逃すことになります。

それを理解した俺は、最初の数人が自己紹介をしている間に考え、自分の番が来ると、自分は裕福な家庭に生まれたが、両親の関係のせいで内向的な性格だったと静かに紹介した。

そして、半年前の出来事がきっかけで、生まれ変わった自分がいって、父親が選んだ道には歩むまいと、すでに家族とも連絡を絶ち、一人でアルバイトして自分を養っていることを話した。

九月の件と父親の正体を隠した以外は、全部話しました。そして、この年齢でこのような経験をしたのは実に珍しいことであり、その間、教師はアルバイトの詳細まで聞かれた。

俺が流暢に答えにより、その話しの信ぴょう性も証明したようだ。

面接官は彼の自己紹介を非常に気に入っており、主に裕福な家庭、家庭内不和、アルバイトの仕事などの要点を捉えており、これらすべての根源が彼の性格の変化を示していた。

これは人生の成長であり、将来、すべての監督が撮影、関心を持つものである。

「性格が変わったと言いましたが、どういうきっかけで変わったのかは言っていないね！もしかして、作り話じゃないよね？」

ヤギひげを生やした老人は、俺の神経を故意に刺激した。

「監督の本質は物語を語ることですよね。この場で思いつきだったら先生が加点してくれるじゃないでしょうか？」

俺は先生の突っ込むに対して、敢えて笑顔で答えたが、このような場では、要点だけ抑えて、行き過ぎないようにすれば十分だと分かったから。

「冗談です、先生。これは私の実体験です。貴重な思い出なので言えないことをお許しください。話すつもりはありませんが、今私が言ったことはアルバイトのマスター、クラスメート、さらにはクラスの担任先生皆から証明できるはずです」

彼は臆することなくはっきりと話し、数人の試験官が視線を交わした。

もし他の人がヤギひげを生やした老人がこの質問をしたとしたら、何も隠しているわけではなく、急いでそれを言い、おそらく追加点を獲得できるでしょう。

しかし、この子は同意せず、冗談を言い、最終的には面接官の好奇心を刺激し、全員がこの子に印象深く与えた。

俺は横を見ないふりをしていましたが、他の受験者の目が俺を見たとき、明らかに妙に感じました。