第44話 君らは帰ってください

大学のキャンバスのどこかのベンチで、俺はお詫びしながら電話の向こうにある曹愛青ソウアオイに分けを説明し始めた。


「まあ、脚本学科は落ちたけど、監督学科は通過したよ、ごめん、ごめん、俺のせいだ、最初から伝えるべきだ!」


電話の向こうにいる曹愛青ソウアオイは、結果発表日でと知って、期待しながら電話をかけにもかかわらず、彼からまさか「落った」と言われたのは想像もしなかった!


最初から信じませんでしたが、だが何度も確認したが、やはり同じ結果でした。


彼が最近の学習に遅れがあり、今回の芸術試験は一次試験で落ちてしまったに対して、ショックを受けて、しかも時間もないし、今後どうするかと優しい彼女から心配で仕方がなかった。


二人は前にわざわざ占いのくじをチャンジしたし、なぜ菩薩ぼさつは祝福してくれなかったのでしょうか?


そう思って、最初は曹愛青ソウアオイは彼を慰めていたが、話せば話すほど声が低くなり、最後には泣き出すこともあった。


すると思いがけず、この意地悪の少年は、自分が泣いているのを聞いて、別の良い知らせをやっと教えてくれた。


今の曹愛青ソウアオイは本当に怒ってしまった!


「ごめん、泣かないで、こんなで泣くのはやはり前に、備考欄で泣き虫と名付けているのは、当たっているじゃん!」


「ふぅ〜〜あの〜、もう泣かないよ、きっと今は悲しく思ったけど〜、まさかの大嘘、もう信じられないよ…」


電話を聞きながら曹愛青ソウアオイは鼻を鳴らし、続いてまた「バンバンバン」という音が続いた。


俺は「何の音?」と不思議に聞いたら、電話の向こう側で奇妙な音が止まり、曹愛青ソウアオイは歯を食いしばって「君を殴ったよ!」と怒りながら言いました。


「...」


目に涙を浮かべた愛らしい表情で、電話に向かって小さな拳を振る曹愛青ソウアオイを想像しながら、俺は思わず大笑いを抑え、ベンチで体を前後に傾いてしまった。


「そうそう、殴っていいよ、だからここで俺が土下座をするから許して!」


そう言いながら、俺も電話を手元に置き、5本の指で軽くたたき、木のベンチに向かって数回を「ノック」した。


「どう?この音を聞いて、俺の誠意を伝わった?」


「ハッハハ…えっと…午後には二次試験ですか?」


曹愛青ソウアオイが涙を流しながら笑っているはずだと感じた俺は、あわててこう言った。


「いいえ、そんなに早くない。今日は管理・脚本・演劇学科の二次試験で、明日は監督学科だから、後で手続きするだけだ」


「そうか……じゃあ、頑張ってね!」


「うん、わかった」


電話を切って、曹愛青ソウアオイを機嫌治すには簡単で、彼女と話し後、俺は脚本科目の落選による悔しさを取り除きました。


その後、大学のキャンバス周りを散歩し、こっそり隣の港城大学ものぞみし、その後、近くにある四川料理のお店を見つけて自分へのご褒美に炒め物を2品注文し、港城映画学院に戻った時にはもう午後になっていました。


とにかく、今日は監督学科の試験はなく、俺は気軽な気持ちで、演劇や管理学科の応募者達の色々な表情をみながら通りすぎていった。


「先生、遅刻してしまい本当にすみませんでした。どうか、中に入れさせてください」


聞き覚えのある声の方に目をそらしたら、それは演監ビルの入り口に立って、必死に謝っている温涼ウェンスズミだったことが判明した。


「お嬢さん、どうして時間を守れないの?こんな時に遅刻するなんで!?普通はこういうことがあったら、直ちに受験資格を無効になってしまうのよ、わかりますか?」


受験場所にある警備を担当する女性の試験官は厳しく指摘した。


「はい、先生、今回本当に大事なことがあって遅れてしまい、本当に申し訳ございませんでした。なので、可能であれば、最後の順番の生徒たちと一緒に入ってもよろしいでしょうか?お願いします、先生…」


必死な懇願を聞いて、先生も彼女を上から下まで見て、誠心的な謝りと伝わったかもしれませんが、彼女の提案を受け取ったようにアドバイスをした。


「じゃあ、今回だけよ!貴方のグループの方で面接が始まっているかもしれませんが、とりあえずついて来てください」


「はい、ありがとうございます。先生、本当にありがとうございます。」


温涼ウェンスズミが教棟に入ったのを見て、俺も安堵した。


それからキャンパス内の食堂でゆっくりと、身分証明書と二次試験に必要な資料を印刷し、指定された二次試験の受付に行き手続きを済ませた。


今の時間だと受付には人があまりなくなり、他の科目の受付窓口がもう閉じてしまい、今受付しているのは、明日は二次試験する予定の監督と撮影学科のみでした。



老眼の眼鏡をかけている70代と思われる年寄りの先生は、目を細めて指でパソコンを2回タップし、二次試験に参加する生徒の写真と俺の顔を見ながら聞かれた。


賀天然ガテンネンさん?」


このような年寄り先生がもしかしたら、超有名監督を育てた教授かもしれませんので、俺は気を締めてそれに答えた。


「先生、私をご存知でしょか?」


「そうね~、聞き覚えがある名前だけど、すぐには思い出せない」


俺はもしかしてこの先生は親父と何か関係があるのではないかと考えた。


なにしろ、親父は若い頃から文学界や芸術界で活躍しており、社会人になってからも文学界や芸術界の友人がたくさんいました。


しかし、俺は父親とは何の関わりも持ちたくなかったので笑顔で言った。


「何にかの覚え間違いかもしれません。初めてのお会いです」


その先生がそれを聞いて頷くながら「若者よ、試験にしっかり受けなさいね」と励ましてくれた。


「はい、必ず頑張ります」


2,000円の受験料を払って受験証を受け取りし、のりでそこに証明写真を貼りました。


監督学科の一次試験を経て、1,000人のうち半分もない合格者で、最も難関科目とよく知られている。


しかも最も簡単なのはこの一次試験で、明日の二次試験は面接と思い、手がちょっと振れてしまい写真が少し枠からずれてしまった。


...


...


翌朝早くも、映画学校の校門から映画館まで長い整備ラインが張られました。


試験のスタッフ達は、受験者をいくつかのグループに分けて面接室に送り込むのに忙しかった。


「受験番号01725、賀天然ガテンネンさん!」


「はい、私です」


俺は名前を聞いて、すぐに身をしゃがんで非常線に入り、チームを率いる先生とそのグループの受験者達を追って、映画館の上映ホールに入り、試験室の割り当てを待っていった。


十人で一つのグループで、全員が男子だったのですが、周りは緊張な雰囲気で漂っていました。


俺はブレスレットを持ち、鼻と鼻を見つめ、心を鎮めていました。このリラックスのような状態により、周りから賞賛の目で見られた。


すると、突然騒ぎになり、俺も目を開けてみると、40代か50代の中年男性が映画館に入ってきて、彼の周りにいた数人の少年たちが興奮してこう言った。


「おい、まじかよ、あれは超有名の監督じゃん!」


「夢じゃないよね!まさか今回は彼が面接官じゃないよね?」


「早く、早く、サインを求めに行こう!」


超有名監督の登場により、興奮する受験者達でした。彼らは将来「監督」を目指すだったが、これほど有名人に出会ったら、冷静でいられるだろうか。


多くの少年たちが監督の傍に駆け寄ってきて、ファンであることを表し、監督も意外と優しいお方で、笑顔でサインをしてくれた。どうやら映画学院に仕事で来ているようで、ここでは少ししかいられなく、その後すぐに去ってしまった。


俺さんもとても興奮していました。さすが映画学校、映画やテレビ業界、エンターテインメントでの大物に簡単に会うことができました。


しかし、彼は子供の頃からそういう場面が結構あったので、周りの生徒のように慌ててサインを求めていくことはしなかった。


実際、親父結構大物の監督や有名なスターと一緒に夕食することもあるが、これは俺と何の関係もないと思っているからさ。


騒ぎをすぎた間もなく、面接のグループがゆっくりと動きだし、前に進めたらようやく試験の教室の入り口を見えてきました。


中で教授らしき人が何か言うと、教室から助教授らしい人が厳しい表情で出てきて、チームを率いる試験官にささやきました。


すると、チームを率いる試験官は受験生に向かって「先程サインを求めた学生は全員出てきてください」と言いました。


俺のグループにちょうとサインをもらったのは三人だったので、彼らは嬉しそうな表情で列から出てきた。


すると、助教授はポケットからお金を取り出し、受験者に手渡しながらこう言いました。


「これは監督科目の二次試験の受験料です。これを受け取ったら帰ってください!」

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