第30話 あなたは偽善的ではありません
我々は楽しい時はいつも善良である。
善良のときは、必ず楽しいとはかぎりません。
一見穏やかそうに見える裏で、彼女はただ楽しいそうなふりをすることを選んだだけだ。
無意識にいちゃつくような動き、俺を見るときの目をそらすこと、そして意図的に話題を探すことはすべて、彼女が今非常に自信のない状態にあることを示していました。
みんなの前では何事もなかったかのように振る舞える彼女だったが、この表情で少年と向かっている時だけ、珍しく劣等感が強まった!
しかし幸いなことに、向かいの少年は、目の前の食事に夢中し、まるで珍味を味わっているようだ。
彼女は自分のことにあまり注意を払っていなかったのを気づき、安堵のため息をつき、そして同じ理由で再び息を吸い込んだ。
「食堂の料理って不味くなったね!」
俺は夕食の皿に残ったものを片付け、口を拭きました。
彼女はとり肉を一口入れ、ゆっくりと味わいし、「いいえ、前と同じ、何も変わってないよ」とささやきました。
「そうか? もしかしたら、俺の味覚はある瞬間に消えてしまったのかも。まあ、人によって違う感じだから、もしかしたら、このチキンナゲットは俺が先のようにガツガツと食べてしまうのが嫌いでさ、ゆっくり噛むあなたのような人が好きなのかもしれませんね?」
今の話しはもちろん表面的なものではなく、彼女には言うまでもなくすぐ分かった。
「すべてを知っていったの?」
「うん、知っていった」と俺がうなずいた。
彼女は唇を丸めて、「あなたが人を慰めるやり方は、少しわざとらしいね」と言い返された。
俺は肩をすくめ、「しょうがない、文系で芸術オーラ−にも染められているから、理解して、徐々に慣れるでしょう」
そう言った後に、彼女を真剣に見つめて聞いた。
「なんで、教えてくれなかったの?」
「もしかして…あなたが復讐するのかと心配だから」と彼女がささやきました。
俺は目を見開いて言った、「いじめがずっと続くのは心配ないのに、俺が知って復讐をするのが心配?」
「だって、問題は多いほうより、少ないほうが良いでしょう…」
「今の貴方はタイ料理のレストランで、俺の為に言い争いの時と全然違っていったね!」
「彼らとは友達にはなりませんから」と
これを聞いて俺はため息をつき、彼らと友達ではない、これは目の前の女の子が考えた最大の罰なのか?
他人が困っているのを見ると立ち上がるが、自分が困っているときはどうすれば他人に迷惑をかけないかを考えている。
見て見ぬふりをするか、徹底的に戦うか、このような問題を解決する方法だけと...
「犬に噛まれたら、人は決して噛みつきません。俺はそういう理解で合っている?」
「言葉は乱暴だが、理に通している」
「友人として、俺はどのように助けるべきですか?」
少女は沈黙し、ついにこうささやきました。
「ついてきて…一緒にいて…」
「...」
俺はその話しを聞いて、しばらく考えた。もちろん、彼女が再びこのように傷つけられるのを防ぐ為には同意したかったのですが、これは問題の最善の解決策ではありません。
数学の問題と同じで、式を書くだけでは2点しか取れません。
彼女の側にずっといるのは不可能だし、彼女の性格から見ると、今は良いですが、時間が経つと色々な事情があって逃げられなくなると、彼女は今頼んだことに対して後で罪悪感がさらに増すだけだろう。
そう考えた彼はついに首を振って拒否した。
「……やはり……迷惑ですね?」
そんな彼女を見つめて、俺が今の空気に耐えられなくなって、ついに真剣な質問をしました。
「あなたが断った男子から偽善的な人って言われたのを知っている?」
実は、彼女の心の中では友人の不信感...或いは賀天然からの不信感は、髪を切られることよりも深刻な打撃でした。
「あなたも……そう思いますか?」
食堂はとても暖かかったが、彼女の口には氷が入っているようだった。
この曖昧な質問が敏感な彼女を苛立たせていることに気づき、俺がすぐに首を振って笑顔で答えた。
「俺?もちろん違うよ!逆に俺もあなたのことが好きだったのを知っているでしょう?その頃はとても無口で消極的な人でしたよね?」
「あの時そうな反応だけと、実際は俺の内心ではまるで映画のような展開だったよ!そしてその時の俺が一番考えていたのは、人を好きになるということが本当に素晴らしいこと…」
これについて話すと、俺はわざと眉を上げて、「ここでいう好きな人というのは君だけよ」と付け加えました。
彼女の耳は赤くなり、不思議そうに尋ねました。
「なん…なんで突然このことを話すの?」
「いい話じゃん!」俺が無邪気に微笑んだ。
「でも、その時は…私を好きだとは知りませんでした…」
彼女の今の表情がとても魅力的でした。
「それでも素晴らしいことさ!」と俺は強引に決めつけし、心の中にあった過去の出来事を一つ一つ明らかにしました。
「俺は二年間も君へ片思いをしていった、毎日一番楽しみにしている瞬間はいつだか知っている?」
「……全く」
彼女は自分に会った時ではないかと思ったが、口を開けることができなかった。
「それは君が学習委員になって毎日宿題を取りに来てくれたときだ!毎回、わざと宿題提出しないで、俺と一緒に残ってくれて、そこからラブストーリーに発展すると数え切れないほど考えた」
俺の表情は徐々に中二病発生のように、彼女がそれを聞いて言葉を失いました。
「ところで、高二のとき、俺が数学の宿題に『賀朝青』と書き、国語の宿題に『賀処安』と書いた。その後担任の先生にそこまで名前を朝令暮改するのならば、『賀暮改』と呼べ、そのせいでクラス全員に笑われた」
「覚えて……」
「あれは、もし将来あなたと結婚できたら、私たちの子供の名前を妄想したからなぁ!」
「!!」
でも、どういうわけか、彼女はそれを聞いて、気まずさや恥ずかしさなど感じず、むしろ少し…言い表せないほど嬉しく感じた。
このときの少年の嬉しそうな様子から、本当に良いことをしたと心から感じている。
「最初は言いたくなかったが、所詮これは俺の黒歴史の一つだから、ただ言いたいのはあなたのことを好きになるとき全く君が偽善的だと思っていない、むしろ感謝している」と俺は顔が真っ赤になってこう言いました。
「感謝?」
「そう、感謝だ」
「だって……どうして?」
「考えてみて、薄暗な陰キャラの俺が、日々つまらない無意味な人生を過ごしている。君に恋をしてから、冴えない俺の世界で、アクションと言うほどではないが、それでも頑張りたいという信念が生み出した…」
これらの心を開く話したところで、俺は今回の問題解決に戻り、率直に顎を上げてこう言った。
「だから、あなたは偽善者ではない、むしろ俺にとっては、この世の優しさとときめきの集合体であった。青春時代では触れることのできない、最も比べようのない美しさです!」
これまで彼女が聞いていたすべての噂話、蓄積していた暗い悲しみと怒りは、この言葉の前で一瞬にして崩れ去ったようでした。
少女は初めて感じた、
誰かに真剣に愛されるということは、
なんと嬉しいことでしょう。
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