第11話 秋の旅(四)

「写真を撮ってないよ!あいつらのデタラメで、俺を恥かけるつもりで言っただけ」


俺は急いで話しを反論し、まるでちょっと反応が遅くなると、彼女がその話を疑うような勢いで話した。


「じゃあ、携帯を見せて……」少女の手が、しつこく宙に浮いたまま止まった。


俺は、「チ、しょうがないなぁ!」と言いながら、スマホの暗証番号を解除して差し出すと、曹愛青ソウアオイはそれをとって見ると、瞳孔が急に開き、驚いて言った。


「こ、これは…」


「はい、そうそう、スズミちゃんだけと」


彼女が俺のスマホの壁紙にいる人物に衝撃を受けたであることが気づいた。


曹愛青ソウアオイは頭を上げ、思わず聞かれた。


「彼女がいるじゃないの?なんで…」


「もう別れたから、今はだだの友達さ」


俺は無力感を感じながら肩をすくめたが、曹愛青ソウアオイは続いて尋ねた。


「それはいつのことですか?」


「君に紹介した二日目だ」


「その日、一緒にいたのは確かに初日じゃなかったの?」


曹愛青ソウアオイは信じられなかったが、俺はその質問にイライラして、ついに少々強い口調で聞いた。


「うん、そうだけと、まだ調べる?調べないならスマホを返して」


少女は手を縮め、腕の中で携帯を守り、写真アルバムを慎重に開いた。俺の写真アルバムにある怪しげなものをすべて削除しました。


今はほとんど芸術関連の本や資料のような映像でした。まれにチャット用の絵文字がいくつかあって、それ以外は何枚の日常写真であった。


「あまり、自撮りしないね?」と曹愛青ソウアオイはゆっくりと写真をめくって、不思議そうに言った。


「ブサイクだから……おい、余計なものを見ないで!」


「見てないよ!」


彼女はそう言い、すぐに一番下にある最新のアルバムに巡って見ると、目の前に一枚の写真が現れ、顔が再び赤くなりしぶしぶ質問をした。


「なんで彼女の写真だけではなく、私の写真もある、しかも盗撮だし?」


「???」


俺は混乱していたので、よく見てみましたが、これは昨日薛勇シュエツヨシが送った写真ではありませんか?


(ということ、俺いつ保存したか?)


「いいえ、これは、俺が撮ったものじゃない、薛勇シュエツヨシから送られて来たもの…」


このような泥が股間に落ちるようなものは、説明すればするほど泥だらけになり、俺は流石に慌てて感が出ました。


ところで、彼女は大きな反応を示さず、寝ている間にこっそりと撮った醜い写真を見つけるつもりはないようでした。


だが、彼女が気になるところが、完全に別のところだった。


「最初は、私に告白を言っていたのに、その後すぐに彼女ができて、スズミちゃんの写真を壁紙にしているし、アルバムに私の盗撮写真がありし、あなた、あなた、あなた…」


「????」


少女は混乱して話し、俺の顔には既に疑問符ばかりでした。


(どういうこと?)


(何を言いたいの?)


俺はまだ解釈したかったのですが、曹愛青ソウアオイは突然スマホを俺の腕に投げ込み怒り出した。


「ああ、この嘘つき!最初は単純で良い人だと思っていたのに!誤解したわ!大うそつき!グズ男!」


結局、彼女は前に押し出して席から出て、すぐに車から降りました。俺は躊躇せずに立ち上がり、持ち物を手に取り追い出した。


急いで車を降り、大股で曹愛青ソウアオイを追いかけ、青ざめた顔で解釈しました。


「誤解です。先の写真は本当に薛勇シュエツヨシから送ってくれたもので、俺は嘘をついていない、いつ保存したのかも覚えていないが、信じられないなら保存時間を見て」


「……」


曹愛青ソウアオイは口をきかず、むっつりと頭を下げて歩き出した。


「聞いて、あの写真を今すぐ削除するから」


俺は早くこんな些細なことを解決したかった。この写真のせいで彼女が怒らせたと思い込んでしまった。


曹愛青ソウアオイは一人で山を登ったが、俺が彼女に追いかけ腕をつかんでもすぐに、振って投げ捨てたので、彼女が道を迷うことを恐れていたので、しょうがなく後ろを付いていた。


普段は優しく気さくな曹愛青ソウアオイに、まだ頑固な一面があるとは思えない。


(これも牡牛座の性格?)


曹愛青ソウアオイの背中を見て、俺は星座を研究する必要があると感じました。


二人で歩きながら話したり、いや、後ろで一人だけお笑いをやっていたりして、口が乾いていて、とうとう言わずにはいられなかった。


「だから、何を怒っているの?たとえ、俺が本当にクズ男だったら、別に君にじゃないし、何を怒っているのか?」


これを言った後、俺は立ち去らず、山の石段に腰を下ろし座り込んだ。


曹愛青ソウアオイも立ち去らず、振り返り、同じく怒っている俺を見て、慌てて服の裾を指でこすった。


何の動きもないのを見て、俺は頭を振り向くと、曹愛青ソウアオイの憤慨した表情を見た。


「俺って本当に……くそ、駄目なやつ!」


ひそかに自分をののしり、表情を抑え、ゆっくりと曹愛青ソウアオイの側に歩き、身をよじって慰めた。


「どうして怒っているのか本当にわからない。教えて、それからちゃんと説明するから、教えてくれないと俺が当ててみられないし、そうでしょう?」


曹愛青ソウアオイは少しためらった後、頭を下げて脇に寄り、目の前の金色の山林に面して、静かに言った。


「私、こんなに怒ってごめん、ただ、……」


「ただ、何?」俺が聞くと、曹愛青ソウアオイは向き合いたくないので振り返りました。


「ただ…うん、あのスズミちゃんが好きなら、彼女に隠してはいけないと思った。しかも、壁紙まで使っているなんで!」


「別れたとしても、姜惜兮キョウシーシーはよくクラスに来るし、彼女はまだ君が好き見たいし、こんなことは間違っているし、友達としてのアドバイスだから」


それを聞いた俺は言葉を失った。なぜならば、俺と温涼ウェンスズミの間に何が起こったのか、どうすれば明確に説明すれば良いのか自分もよくわからない。


「あ、そう、それは本当にありがとう」少年は無力な口調で両手を広げた。


「君は、好きになってくれた人には優しくしなきゃ!」


曹愛青ソウアオイは頭を下げ、真剣に言いました。


「彼女に優しくしたい!」


この言葉を聞いて、俺の心に秘められたすべての感情が一気に喚起され、思わず叫んだとき、曹愛青ソウアオイはその場で唖然とした。


「だけど、受け取ってくれない、俺はどうすればよいか?無理やり俺の気持ちを受け取るの?今心から誰かに優しくしたいだけなのに」


「素直に受け取ればいいのに、悪気もないし、なんで?どこかダメなの?なんでそれだけでもう耐えられなくなったの?俺が誰かを愛する時間さえなかったのに…」


俺が話していると、体はぐったりし、ゆっくりとしゃがみました。


「何もない、すべてがなくなった…何もない…」


俺はそれを理解できず、何度もつぶやき、手で髪をいじりました。


彼の様子を見て、曹愛青ソウアオイは非常に心配し、すぐに彼のそばにしゃがみ込みました。


「天然くん、ごめんなさい、私の勘違いだったの、このようにならないでください…」


少女は両手で俺の手を取り、落ち着かせることを願ったが、俺は首を横に振り、ゆっくりと言った。


「大丈夫、大丈夫……ちょっと安静にさせて……」


温涼ウェンスズミが消え去ったことが俺には耐えられないほどの衝撃を与えた。ずっとこの気持ちを押さえ、感情を発散することができなかった。


いつか時間が経つとその痛みから解放できると思ったが、曹愛青ソウアオイの言葉が一瞬で俺をその思いを原点に戻された。


誰かに優しくしてあげたのがなぜそんなに難しいのですか?


どれくらいの時間が経ったかわかりませんが、少年の気分は徐々に安定し、曹愛青ソウアオイはずっと彼のそばにいて、動かず、話さなく、ただ優しく包むように彼をじっと見つめた。


俺は彼女とその目には合わせることができなく、懐かしく少し怖がっていたので、乾いた唇をすぼめ、しばらくしてこう言った。


「あ、ありがとう、ごめんなさい、我慢できなかった」


彼の気分が落ち着くようになったのを見て、曹愛青ソウアオイは暖かい笑顔で見せた。手の温かさを感じてつなごうとした彼に対して、彼女の反応は速く、両手はすぐに離れました。


「……」


「……」


「私……」


「俺……」


二人は一斉に話し、そしてまた沈黙した。


「どうぞ……」曹愛青ソウアオイはつぶやいた。


「クク……それは、俺は、クズ男じゃない……」


俺はぎこちない表情で言った。


「こんなに簡単に追いかけられるから、クズ男じゃない?」と曹愛青ソウアオイは思わず突っ込んで来た。


「……追うのが簡単とクズ男に何か関係はあるの?」


俺は驚いた顔をしたが、曹愛青ソウアオイは手で頭を支えて答えた。



「恋をしたことがないから、よくわからない」


「真面目には話でもらえる?ロジック的な」


少女は俺に白目で睨め「私は感性的な人だから!」と言いました。


「じゃあ、質問して答えるから」


曹愛青ソウアオイそれを聞いてちょっと躊躇しながら、聞いた。


スズミちゃんが好きですか?」


「好きです」俺は躊躇なく即答した。


「じゃあ、姜惜兮キョウシーシーちゃんのことが好きですか?」


「今は、まだだけと、今後はかもしれません」


「そのロジックはどこから?」


「……見た目……かわいい?」


「ほらね、そんなのはクズ男でしょう?」


「そうじゃない…これは…彼女は…」俺はその質問に言葉を失った。確かにこの答えは粗末し過ぎってしまうから。


「すべての可愛い子に恋心を持っているでしょう?」と曹愛青ソウアオイは目を細めしながら更に俺を詰めてきた。


「それは俺だけじゃない、すべての男の子がそうだから」


俺は真実を言ったが、「でも、誰かが本当に好きになったら、もう他の女の子がどんなに可愛くても、それは見た目だけになるからさ」と解釈しました。


「それで、その子が好きなら他の子も好きにはならないってこと?」曹愛青ソウアオイはまた尋ねた。


「前提は、彼女も俺が好きならばの話しさ、誰かを一方的に好きになるのは、それはその人の自由だから」


曹愛青ソウアオイは驚いて、しばらくしてこう聞かれた。


「じゃあ……あの時私に告白したのも……本当に好きだったの?」


「……」


俺はその言葉を聞いて凍りついたが、今はもう悩まない、正直に言うことにした、と俺の心の深から声があった。


「うん本当よ、高一の時から好きだった。そのせいでよくクラスの皆から、からかわれたし、クラスでは秘密じゃないしさ」


そんなずっぱり言われるのを聞いた曹愛青ソウアオイは、準備はできていたものの、やはり照れているようになって、つま先に目を向け、周りを見回すことはできず、心臓は激しくドキドキしていました。


「この前の告白は、俺の片思いの年月に結末をしたかった。まあ、結果は聞かなくでもわかるけど、ただ、俺はその日であの思いをきちんと片付けし、新しい恋に向けたかった!」


「それで…スズミちゃんと恋に落ちっていったの?」


「うん」


「じゃあ、なんで一緒じゃないの?」


「本当はそうなれるはずだった」と俺は寂しそうに呟いた。


曹愛青ソウアオイは下唇を噛んでゆっくりと言った。


「もしもの話し、もし…あの時私が答えたら…?誰を好きになれるの?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る