第9話 秋の旅(二)

「一緒に食べましょう。店長さんあと2個の茶たまごください」


「いいよ!」


俺は腰を下ろして座り、先程買ったばかりの小籠包をテーブルに広げ一つを食べた。


曹愛青ソウアオイはスプーン一杯のお粥をすくい上げ、熱気を吹き飛ばし、そっと口に入れました。


ただ、甘さが足りないようで、思わず唇をすぼめた。


「お粥だけで足りるの?これから山に登らなければならないし、詮霊寺センレイジに着くまで食べられないから途中でお腹がすくよ!」


俺がお茶の玉子の一つの殻を剥きながら彼女に聞いた。


「まあ…砂糖を食べすぎると太るから、これは代償かも」と曹愛青ソウアオイは悩みながら言った。


この時、俺は皮をむいたお茶の卵をお皿にのせて、彼女の前に押し出し冗談を言った。


「運動をしていないわけではないし、飢えるよりは食べた方がいいでしょう?途中まで登れなくなると俺を頼まないで」


曹愛青ソウアオイは目が大きくしてから微笑み、細い指で卵をつまんで、白い部分を少しずつ引き裂き、手に持っていた卵黄を俺に差し出しました。


「食べて」


「卵黄食べないの?」


曹愛青ソウアオイは上を向いた鼻にしわを寄せてうなずき、「うん、子供の頃から苦手で、無駄にするのももったいない」と言いました。


「それで俺がゴミ箱になったってわけね?」俺はそれを手に取り、無造作に口に詰め込んだ。


「まさか、実は卵白より黄身の方は栄養価が高い!」曹愛青ソウアオイは真剣な顔をした。


「わかっているのに嫌なの?理解できない、女の子は」


「わからなくても大丈夫ですよ~」


曹愛青ソウアオイは首を横に振り、小籠包を手に取って食べて、明らかに上機嫌でした。


二人は残りの小籠包を食べ終え、俺は帰る前に別の小籠包を買って薛勇シュエツヨシに持っていく準備をした。


この時、学校の駐車場にはすでに2組がバスに乗るために列を作り始めていた。


薛勇シュエツヨシは俺に手を振って、曹愛青ソウアオイと一緒に来るのを見たとき、彼の顔にはずっと「わかった」という笑顔が浮かんでいた。


「勘違いしないで、たまたま一緒にまんじゅうを食べただけさ」


俺は小籠包の袋を彼に渡した。


「甘い豆乳でも飲んだか?」と薛勇シュエツヨシは冗談を言った。


曹愛青ソウアオイはすでに親友の白婷婷ハクテイテイを探しに行っていたので、ここでの会話は聞こえませんでした。


ただ、遠く離れていない2人の少女もこっちを見て話しているように見ると、おそらく白婷婷ハクテイテイも似たようなことを言ったに違いありません。


「早く食べなさい。まんじゅう口を閉じたままにできませんか?」


薛勇シュエツヨシは笑いながら、小籠包を一つ一つ食べ始め、「いい機会なのに、何か計画があったら、早く教えて、後で後悔したら知らんぞ!」と言いました。


「何の計画?何の後悔?」俺は困惑して聞いた。


「まだ、わからないふりをしたなぁ、それじゃあ、後で俺が自由にやるからさ」と薛勇シュエツヨシが率直で言いた。


「そんなに俺が曹愛青ソウアオイと一緒になってほしいの?」と俺は困惑し、不思議そうに尋ねた。


「そうよ!」


薛勇シュエツヨシは豆乳を一口すすり、食べ物を口に含みながら答えた。


俺はしばらく黙っていたが、バスの前で乗車の手配を担当していた葉佳林ハカリンが突然叫んだ。


薛勇シュエツヨシくん!」


「お父さんを呼んで何か?」


薛勇シュエツヨシはイライラそうに彼女に振り向いた。


「早く手伝って、そんなに簡単で父親になれるか?」


葉佳林ハカリンは彼の言い分に従うように言い返した。


「ちっ……女は恥知らずで無敵だな!」


薛勇シュエツヨシは愚痴を言ってその方向に歩き、俺に背を向け、リラックスして言った。


「それなら俺のやり方でするからなぁ?」


俺は彼がどんなやり方でやるのが知らなかった。でも、俺は穏やかな気分で、そんな思いもなし、他の人がいくら合わせても無駄だろう。


生徒たちは次々とバスに乗り込み、俺は列に並ぶのが嫌いで、人がいなくなるまで待っていった。


今回は高校3年生全員が秋の遠足に参加しなければなりませんでした。400人から500人で、バスだけで一列並んでいった。


クラスの委員長となった曹愛青ソウアオイは、当然、クラス生徒の秩序を維持する必要があり、すぐにバスに乗りませんでした。


10分ほど待ってようやく人が乗り、俺がクラスのバスに来て、バスのドアに薛勇シュエツヨシが立っているのを見て、後ろに白婷婷ハクテイテイと前には曹愛青ソウアオイを止めた。


「委員長、5組のバスに乗ってください。彼らのクラスは席数多いから、このバスはもう1席しかない」


「あの席が愛青アオイちゃんの為に取ったよ!」と彼の後ろにいる白婷婷ハクテイテイは怒って言った。


薛勇シュエツヨシは頭を回し、意地悪な顔をして、「じゃあ、俺はどこに座るの?先生から俺が責任持って山頂まで連れてほしいって言われたし、俺が5組のバスに乗ったら、万が一途中で誰が道に迷ったら、君がその責任を負うっていいよね?」


「皆はもう大人だから、どうやって道に迷うの?」と白婷婷ハクテイテイは足を踏み鳴らして怒った。


「あそう、まさか二人が一緒にいなければいけないの?とにかく、その場に着いて一緒に行動したら終わりだから、迷惑かけるなよ!」


薛勇シュエツヨシの言ったことは率直で、白婷婷ハクテイテイは何かを言いたかったので、バスのしたにいる曹愛青ソウアオイは急いで言った。


婷婷テイテイちゃん、もういいよ、彼の話に従いましょう!座れる別のバスを探すから、もうクラス全員ここにいますよね?」


「ちょっと見てみるね!」


薛勇シュエツヨシは車の中をちらりと見た後、頭を向け、歩いていた俺を指さして言った。


「おい、天然くん、このバスにはもう満席よ、君と委員長二人は五組に行って、そこには座れると思う」


話した途端に彼は車に乗り込み、白婷婷ハクテイテイも車に押し込まれ、運転手にドアを閉めようと言った。


バスの外では俺と曹愛青ソウアオイが顔を見合わせ、少し無力感を感じていた。


二人は五組の委員と話し、幸いまだ空席があり、一緒には座らず、それぞれ窓側の席を見つけた。


つまり、薛勇シュエツヨシの自由なやり方は時間の無駄だ。


俺は静かに考え、イヤホンを取り出し、音楽を聴いてぐっすり眠る準備をしまいた。今の俺には曹愛青ソウアオイへの複雑な気持ちが一切なくなった。


だが、さすがの学校のトップ美少女、彼女の名が強すぎるからかもしれませんが、5組は理科クラスで、男女の差が激しく、37人のクラスの中で女の子は三人だけでした。


今、曹愛青ソウアオイがクラスのバスに乗り込むこと見て、この野郎達が次々とアピールし始めた。


勇敢な少年一人目がすでに彼女の隣に座っていた。目的も明確しすぎで、曹愛青ソウアオイはびっくりして、すぐに立ち上がって席を変えた。


だが、意外にも、別の少年がまた彼女の隣に座った!


「学生の皆さん、シートベルトを締めてください。すぐに出発するから」


バスの運転手さんからこんな言葉がありました。


曹愛青ソウアオイは運命を受け入れるつもりでため息をついたが、彼女の隣にいた男の子は大喜びし、他の野郎に引き抜かれるのを恐れて、すぐにシードベルトを締めた。


すると、彼女の視界で賀天然ガテンネンが通路の位置に移動しているのを見て、彼は中の座席を指さし、彼のそばに座るかのような合図を感じた。


曹愛青ソウアオイはためらうことなく、困惑したあの男の子を後ろに置いて席を離れ、直ちに賀天然ガテンネンの隣に座った。


一連の流れをすべて目撃した俺は彼女に冗談を聞いた。


「気分はどうですか?」


曹愛青ソウアオイは少し間を置き、ささやきました。


「怖かった」

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