第52話 無限の地獄に落っている

俺はまるで稲妻に打たれたかのように固まり、目の前の「温涼ウェンスズミ」が馴染みのない目つき、その中から少し怯えているような、彷徨感じもあった。


確かに見た目は同じだけど…


だが、ほんの一瞬で、俺は彼女が「彼女」ではないことに気づきました...


温涼ウェンスズミとは何度も目を見合わせたことがあるが、それを避けても直視しても、俺はその目に隠された感情を感じることができた。


それが「愛」であることを後で知った。


たった今の温涼ウェンスズミの目から「愛」が消えました。



目の前の少年が徐々に落ち着く様子を見て、「温涼ウェンスズミ」は低い声でつぶやいた。


「君がこんな風になるとは思わなかった…」


「何か言った?」


仕方なく少女は話しを変えた。


「昼に教室で目が覚めた後、君を探しに駅に行ったんだけど、見つからなかったらどうしようと思った時、彼女が教室に伝言を残しておいたので、もしかして君もそれを探しにくると思ったら本当に来た」


「『彼女』の記憶が残っているの?ではあなたは……」


俺は「温涼ウェンスズミ」の肩を掴み、希望を見出すかのように緊張しながら聞いた。


「不可能!」


温涼ウェンスズミ」は両手を上げ、俺の拘束から解放され、怒って言った。


「確かに、あなたたちの間に何が起こったのか...咳、私はすべてを知っている、でもこれはまるで夢を見ている感じで」


「『彼女』が去ったとき、とても悲しかったが、同時に...とても幸せだったが、『彼女』は戻らなくなるだろう」


「これだけは、心の底から確信できる。間違いない、この気持ちわかる?」


この見知らぬ少女の言葉を聞いた俺は、生きることに耐えられないほどの痛みを感じ、口を開いて、声がかすれてまるで自問自答のように話した。


「じゃあ、「スズミ」はどこへ行くのか……未来なの……?」


「そんなはずがない。考えてみて。私は君にいたずらをしていないし。未来は変わってしまった」


「君が…好きになれないし、だから、未来の自分は『彼女』にもなれない」


俺の目は突然熱くなり、「温涼ウェンスズミ」は怯えて後にする姿を見て、すぐに炎が消えた。


「あなたは彼女じゃない……違う……」


「はい、そうですね…」


「それで……彼女はどこへ行ったの……」


一瞬、昨夜明らかに愛し合っていた二人が、この瞬間は見知らぬ人だった。


長い沈黙の後、少女は自分の本棚からピンク色のノートを取り出した。


「これは彼女が特別に書いた日記です。読み終えたら、あなたの心に答えがあるはず…」


俺の瞳がぴくぴく動き、そのノートを読むことで、まるで俺の『スズミ』を見つけられるようだ。


俺がノートを取って席に座った。


「約束して、これを読んだら何があっても、自分を傷つけることをしないで!」と彼女から心配そうに言った。


俺はうなずきもせず、何の反応も示さず、頭がぼんやりのままでノートを開いた。


...


...


「私は無限の地獄に落っている、永遠に記憶の中で最も苦しめられた日々に生き続けている。悲劇は繰り返され、私の心は繰り返し苦しめが続けている。最初はこれが地獄だと思っていましたが、でも、徐々に分かった。彼がいる限りここは私の天国である。」


9月1日(火曜日):


目眩がする、いつも頭の中に不可解なシーンがたくさん浮かんでいました。私の身に何かあったの?なんで突然あのオタクの賀天然ガテンネンを思い出すの?まさかあのイタズラに同意したことに罪悪感を感じかの?変だなぁ……


9月2日(水曜日):


これが何回目なのか、もう覚えていない、ずっと、天然が私のイタズラで苦しまれるのを見て、私は無力でした。菩薩ぼさつ、ここからこの罪を悔い改めたので、私を許すのを願えないが、せめて…彼を許してくれない?一度だけでいいから、彼に幸せを味わえてほしい…


9月3日(木曜日):


どうやら…徐々に体をコントロールできるようになり、彼に会うのを待ちきれないほど、あったら知っていることをすべて話したい...


9月4日(金曜日):


今日ようやく彼に会えた、彼は慎重なところ可愛くて、中二のところも可愛い、なぜ簡単に私を信じるのか?気が変わった、このイタズラを彼に良き思い出にしたいし、これを機に彼の悪い癖も直してあけたい!


未来はどんな関係かを当ててみたら、彼はカップルじゃないって!!!


許してあげる!君からしないなら、私が主導権を握ります!


初めて彼の手を握った。賀天然ガテンネンは私の彼氏のことを全世界に発表したかったほど、その手が汗一杯で、ハハハ!なんで愛らしい!


でも、私のラーメンを食べたら、もう私のものよ!もう誰にもいじめさせません!


夜にWeChatメッセージを送ったところ、彼は寝ていた!! ありえない!いつも夜中の2時か3時まで寝ないのに!


もしかして、積極しすぎて、彼を怖がらせたかしら?


それもそうだ、男は積極すぎる女が嫌いだと聞いたし、彼は曹愛青ソウアオイが好きであるという事実から,私はもっと控えめであるべきだ。また、時間がある。



9月5日(土曜日):


今日は早めに着替えて彼の家に行きました。前世ではなく、未来の彼はここに住んでいない。前までは体をコントロールできないから、ずっと傍聴者しかできず、これからはよく来るようにしたいなぁ!


張之凡チョウシノブ?あの野郎に真似するな!

せっかく彼をチャンジしたいと思ったのに、嫌な気分になってしまった!でも今日は彼がギターを弾けることを知って本当に驚いた!なんで諦めたの?


ひまわりを弾けるなら、なんでひまわりの花言葉を知らないの?腹立たしい、バカバカバカ!


とはいえ、芸術家の細胞を持っていでもだめだ!未来の貴方は弱々しくて、今から父のボクシングジムに行って鍛えてやろう!


9月6日(日曜日):


昨日演出スクールから電話があり、今日は一日中ずっとそのことをしていった。冗談でしょう、私は最優秀女優だよ!!


いきなり教えてもらった日々に戻って、本当に慣れない…


そしてまだ彼に会えない、寂しい…


9月7日(月曜日):


今日席変だ!張之凡チョウシノブが今朝から電話があり、一緒に座りたいかど聞かれた。あのイタズラが約束より既に三日間が経過し、あのわざとらしい笑顔に本当にキモイ、覚えとけこれから泣かせてやるよ!


天然は以前と同様に、曹愛青ソウアオイと一緒に座って、落ち着いたふりをしているのを見ていた、本当に――


あぁぁ!ムカつく!わざとメッセージ送ったな、バカ!アホ〜!


昼休みに、なぜ彼が張之凡チョウシノブを言及したのかがようやくわかりました。それは私のWeChatのモーメンツを見たに違いない。


ああ、あれは……本当に……黒歴史、今日クラスメートから聞かなければ、完全に忘れていった。


彼の前ですべてを削除した、しかも初のツーショットを取れた。


へへへ、嬉しくて、嬉しくて、たまらないほど嬉しかった!夜はモーメンツにも投稿した。そうすると、みんなが私のサポート役!さあ、貴方はどう答えるか楽しみ!へへへ!



9月8日(火曜日):


モーメンツを削除した。もう怒りが収まらないほど、いない間に曹愛青ソウアオイの電話番号を貰いに行ったなんで、なんの為にチェンジするわけ?それに、私は何なの?


9月9日(水曜日):


ツーショット写真の削除は惜しすぎて削除できなかった。でも、学校に行きたくない、彼は曹愛青ソウアオイと一緒に座っているのを見たくないし、張之凡チョウシノブと一緒に座りたくない。


9月10日(木曜日):


彼は昨日いくつかのメッセージを送ったらもう連絡がなくなった!貴方にとって、私は本当に重要ではないのですか?

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