第49話 告白した!?

最後の音符が指先で弾かれたところで演奏は終了し、再び圧倒的な歓声と感激な叫びが上がり、ステージの焦点は再び頭を下げた。


温涼ウェンスズミは頭を向け、ゆっくりと賀天然ガテンネンの側に歩いた。


彼の喉仏がひきつり、ぼんやりと少女の唇が動くのを見た。


歓声が大きすぎてはっきりと聞こえなかったので、彼は当ててみた。


「何か言いたいことはありませんか?」


この話かな?


先程舞台の裏側で、温涼ウェンスズミは班長と楽しく話し合ったその後に俺にそういう風に聞かれた。


あのイタズラ…


来るのか?


俺は以前と同じように逃げだすことができる、特に、すべての原因と結果を知っている今尚更そうすべきだった。


罠だとわかっていても、それでも陥りたいですか?


しかし、俺はもう迷わない、目の前の少女にたた、これを言いたかった。


「あなたが好き!」


そう言って、俺は大きく息を吐いた。


騙すなら騙されるほうがいい、イタズラならイタズラで結構、もし、この気持を伝えなければ、俺は一生後悔する。


「……」


少年はマイクを持っておらず、温涼ウェンスズミが来たときも観客の視界を遮り、巨大なステージの中央で、これは二人だけに聞こえる告白でした。


温涼ウェンスズミは唖然とし、その場に立ち、前に進まなかった。


しばらくすると、突然笑い声を抑えて「コウ」という音を上げ、体が前に傾き俺の耳元で呟いた。


「先、『ショーは終わったから、座らないでササッとお礼を』と言っただけよ!」


「……」


「……」


終わり?


本当に終わった?


他に展開するものはないのか?


それとも、手遅れなのか?


賀天然ガテンネンがギターを片付けて、浮かぶ雲を踏むようにステージを降りると、温涼ウェンスズミは何も言わずに彼の後を追った。


「俺……」


「先はうるさすぎて、何を言ったが聞こえなかった」


温涼ウェンスズミの表情は冷たかった。


「じゃあ、外に出て話しましょう」と俺は手も足も出ないほど窮屈で提案した。


そして、いつもなら少女が従うと思いきや、待っていたのは首を横に振ったことだった。


彼女は振り向いて再びステージを見て、この時、別の感激な叫びが爆発し、その中で特に女の子の声が熱狂的だった。


バラの花束を手にステージに登場したのは張之凡チョウシノブだった。


花をピアノの上に置き、スーツをまっすぐにし、口の前で指を立てて優雅に座った。たったこの1つの動きで、女の子の叫びを奇跡的に止まらせた。


それから鍵盤に置く指が徐々に加速し、「FlowerDance」という曲を非常に派手に演奏し、彼は腕幅を広げ、我を忘れの状態で、目を閉じてピアノを弾いていた。


芸術家そのものであり、「港町市のピアノ王子様」の称号にふさわしいものでした。


時々、ステージの下の女の子からの感激の叫び声が響いていった。演奏が終わった後、彼は急いでステージから降りようとしなかった。


彼はピアノのマイクを外してステージの真ん中で立ち上がりました。


「実は、今日この曲を弾いたのは、自分に後悔を残したくないからだ、実は、高校三年間で、ある女の子に恋をした…」


この話が出た途端に、観客のほとんどの女の子は、次に何が起こるかをすでに予想していたので、じっと座っていられませんでした。


「その女の子も俺が好きと知ったとき、俺は興奮と幸せで一杯でした。私達は両思いだけと、男として、この特別な瞬間に、彼女に俺の気持ちをはっきりと伝えたい…その女の子が誰であるか、皆さんも知っていると思う...」


「うわ~なにこれ~」


「だれ?」


温涼ウェンスズミ温涼ウェンスズミへよ!」


温涼ウェンスズミ温涼ウェンスズミ温涼ウェンスズミ!」


ステージの下にいる観客達から声がますます大きくなった。張之凡チョウシノブは彼らを止めず、温涼ウェンスズミの名を叫ばせた。


そして、賀天然ガテンネンが隣の女の子が舞台裏から、徐々にステージの前に出て行く後ろ姿を見て、彼の心は沈みました。


彼女がゆっくりと前に出てきて、張之凡チョウシノブと対面したときに、再び観客の叫び声が沸かせた。


スズミちゃん、あなたが好きです。付き合ってくれませんか?」


張之凡チョウシノブはピアノのバラを手に取り、少女の前に両手で持った。


誰もが沈黙し、答えを待っていました。


温涼ウェンスズミは咳払いをして、張之凡チョウシノブが置いたばかりのマイクを取った。


「このお花をいつまで持つつもり?」


張之凡チョウシノブの表情は喜びすぎて言葉で表せないほど、それは間違いなく、彼女は受け入れたことを表明した。


温涼ウェンスズミはバラの花束を受け取り、ところで、張之凡チョウシノブがこの幸せがまた一秒も足らずの前に、彼女はマイクを通して、次の話を聞かせた。


「付き合う?悪いけと急いでいるから、先に行くよ!」


温涼ウェンスズミが花を受け取ったのを見て、応援しようとの際に、これを聞いて驚きよく考えていくと、本当の爆弾でした!


狂ったように、観客たちはこの劇的なことを目撃した人々は前例のない叫びを発しました。


特に男の子のグループは、座席で興奮して飛び跳ね、先程女の子のグループが張之凡チョウシノブを応援したとき、すでに非常にイライラしていましたが、風水が今回転しているとは思っていませんでした!


「さすが!俺の女神!」


「俺は何か見た?この張之凡チョウシノブを断れた!?スゲ!なんてこった!」


温涼ウェンスズミさん、俺は永遠に愛している!張之凡チョウシノブ、さっさと降りなさい!」


「笑わせないでよ!何か両思いかよ、ただの片思いの勘違いじゃん!」


この場にいった先生たちは、今の事態を収拾がつかず、秩序を安定させようと立ち上がったが、生徒たちの反応は想像をはるかに超えるものだった。


この言葉は一つの石が千の波を巻き起こす、会場は一気に大混乱に陥った。


張之凡チョウシノブは、温涼ウェンスズミが振り向いてぼんやりと立ち去るのを見て、正気に戻り、急いで離れようとする彼女をつかみ、説明を求めました。


スズミちゃん、話し合ったじゃん?...」


彼が話した途端、温涼ウェンスズミは振り向いて腕を動かし、手のバラは正確に彼の頭を横に叩き、この一撃は彼の魂全体を叩いたようだった!


花びらが次々と落ち、彼女はさりげなく花束を捨て、舞台裏に歩きました。


この劇的で悲劇的なシーン、温涼ウェンスズミが軽快な動きは、すべての生徒の心に残るに違いない。


彼らだけでなく、一連の始末を見守っていた賀天然ガテンネンも完全に唖然としました。


俺に向かって歩いてきた彼女は、来る前からずっと表情が冷たかったが、今は態度を一変し微笑みながら俺の手を握り催促した。


「ビックリした?さあ、早く行かないと、先生が来るから捕まるな!」


すると、温涼ウェンスズミは体が傾いているのを感じ、少年は彼女を横向きに抱きしめ、ギターを背中に、少女を胸に抱えて煙のように逃げ出した!?

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