第29話 サポート役と早く到来の戦場

店長の朴さんはここに完全な装備を持っており、動画撮影用の必要なものを尋ねた後、彼は賀天然ガテンネンのギターにピックアップを置き、温涼ウェンスズミのボーカル用にラベリアマイクを置いた。


二つのデバイスを並列に接続してサウンドカードまでに集まり、最後にマスタリングとファイナライズ用のパソコンに接続し、撮影しているのは、漫画コミック展示会に行くときだけ持っていった一眼レフカメラCanon5D3を持ち出した。


俺が、以前動画撮影の時は、携帯で動画を取るだけでした。音声は携帯から直接録音するため、彼のようにここまで設備を設定することで、更に時間がかかってしまった。


「職人がいい仕事をしたいなら、まず道具を研がなければならない。普段こんなものを使わないから、今日はちょうどよかった。今後バンドをやっている人が買いに来たら、彼らにその効果を示すことができる」


「店長さんありがとう、とても親切で思いやりですね!」


温涼ウェンスズミは彼が話し終えるのを待ち、大声でお礼を言った。


目の前の2人が急いでいないのを見て、俺の額は汗をかいており、この遅れのせいですでに11:10になってしまった。


曹愛青ソウアオイが戦場に到着するまであと50分しかない!


そして、まだ何にも始まっていない!


しかし、幸いなことに、今の所はすべて俺の計画から逸脱していません。


「どうして汗をかくの?」


傍らの温涼ウェンスズミが訝しげに尋ねた。


「あぁ……一緒に仕事をするのを考えると緊張する」


それは嘘ではなかった。今日この事件がなくても、初めて温涼ウェンスズミと一緒に撮影と思うと緊張して汗をかいた。


「天然くん、弱いね、まだ練習が必要だ!」


店長の朴さんはからかわれ、温涼ウェンスズミが買ったミルクティーを一口飲み、最後に言った。


「じゃあ、天然くんから先にフィンガースタイルギターを録画しよう。」


「最初は、二人で動画を取ろうよ」俺が焦って言った。


俺はフィンガースタイルギターの撮影はいつでも取れるから、最初に二人の部分を仕上げたかった。


「天然くん、急いでいるの?」


賀天然ガテンネンの言葉に焦りを感じ、店長の朴さんが尋ねた。


「いいえ…急がない。たた、彼女はその後、演技スクールがあるからとちょっと心配しているだけ」


ところで、温涼ウェンスズミは首を横に振って、「心配しないで、今日は一日中同行できるから」と言ってくれた!


すると、彼女は眉をひそめて尋ねました。


「なんか、……今日はちょっと変だけと……」


「いいえ……変じゃないよ、たた、前回ボクシングジムのように、俺がなんか行けないことのせいで、また、WeChatメッセージを残して行ってしまうのを心配で」


俺はとっさの際によい考えが浮かんだ。


温涼ウェンスズミがそれを聞いて、自分を責めると同時に嬉しくなり、俺の後ろを歩き、両手で軽く肩をつまんで、そっと言った。


「心配しないで、前回は演技スクールから何度も促されたから。今回は休みを取ったから、私はいつでもここにいるから、緊張しないでリラックスしてください」


俺が嘘ついた話しをこのような返答、しかもわざわざ休みを取るまで、心の中では後悔するばかりで、思わず自分に対して、


(俺はなんてクズだ…)


この二人の怪しい雰囲気を見ている店長の朴さんは、思わず「クソ」という呟きながら、彼らを催促し始めた。


「今日、俺の修行の心を破壊するためにわざわざ来たじゃないよね?さあ、始めよう!」


温涼ウェンスズミは手を引っ込めてカメラに行き、小さなモニターを見つめました。


店長の朴さんの店の装飾はとてもスタイリッシュで、彼は顔を出さなくても、後ろのギターの壁の背景を見ているだけでも、以前よりも上的な動画を取れそう。


しばらくすると、店内のスピーカーから水滴のように透き通った澄んだギター音が放たれ、集中している時はいつも落ち着いた状態だった彼のスタッカートの鋭さ、リズムとスピードの巧みさ、ミスもなく一曲を演奏できました。


「さすか20万人のファンを持っている!」と店長の朴さんは思わず呟いた。


温涼ウェンスズミは手のひらを合わせてあごに寄りかかり、彼をじっと見つめ、そっと手をたたきました。


「大丈夫?」


「さすが、言うことがないほどすごいよ…」


店長の朴さんの答えを聞いて、俺は安心した。


ところで、おデブの朴さんは「念のため、もう一回やろう」と言った。


「何で?」


「手のクローズアップしたい!画面がずっと同じにしたくないでしょう?」


「……」


すると、店長の朴さんは再度器械を動かし、俺もしょうがなくもう一度ギターを弾いた。


しかし今回、店舗のオーディオシステムを外部に拡張することで、ギターショップは数人の顧客を引き付けて立ち止まりました。


「温さん、準備はいいですか?」


ちょうといいタイミングを見て、店長の朴さんはニヤリと笑って言った。


温涼ウェンスズミは首を上げ、口の中でいくつかの発声練習をして、OKの合図を送りました。


みんなの前で、少女は少年の隣に座り、頷き合い、ギターの音が再び鳴った。


フィンガースタイルと伴奏の違いは、前者はメロディー、ハーモニー、リズムを同時に演奏する必要があるのに対し、伴奏はリズムを演奏するだけでよく、主要なメロディーはポーカルに任せるだけ。


俺にとっては単純すぎる作業だったが、温涼ウェンスズミと初めての演出だから、高い集中力を維持することができた。


短いプレリュードが終わった後、温涼ウェンスズミの優美な声が出てきました。(※1)


♬ Loving you is easy cause you're beautiful

(君を愛するのは簡単だ君は美しいから)


♬ Making love with you is all I wanna do

(あなたを愛することだけが私がしたいこと)


♬ Loving you is more than just a dream come true

(あなたを愛することは夢の実現以上のもの)


♬ And everything that I do is out of loving you

(私がすることはすべてあなたへの愛だから)


...


今までは、学校の舞台で温涼ウェンスズミの歌を何度か聞いたことがありますが、彼女の独特の音色と複雑な感情、特にこの歌のエルフのような単音節の連続に感動を受けました。


歌声はまろやかで美しくショッピングモールに響き渡り、ギターショップの客が増え、カメラの前の男女を見て、歌が終わると拍手をしてくれた。


温涼ウェンスズミはこういうことが慣れたから冷静に受け止め、歌った後、みんなにお礼をしました。


俺もやっとなぜ朴店長は、マイクを外部アンプに接続する理由を理解しました。


それは、温涼ウェンスズミが無料で客集めるための狙いでした。


「曲の注文はできますか?お金をだすから」


「そうね、お嬢ちゃんは生放送ですか?どこのプラットフォームなの?ロケットを送ってあるけるよ!」


来店されたお客様も歌に惹かれた方がほとんどでしたので、今人数は少ない中、果えて声をかけてくれた人もいった。


それもそれで普通ですが、今は世間では生放送が大人気で、今の演出を見てもう驚くほどではない。


俺は鋭い目で店長の朴さんを睨みつけたが、彼は見ないふりをして生意気な顔で口笛を吹いた。


「じゃあ、続ける?」と彼女は彼に近づき、囁かに尋ねた。


これは確かに俺にとっても良い提案であり、動画を撮影しながら肝試しの練習もできるし、だが、時間は待ってくれない!


「君らって何でここにいるの?」


俺が困っている最中に、見慣れた姿が人混みの中に現れた!


薛勇シュエツヨシだ!


この瞬間、彼は驚きに満ちた顔をしていましたが、表情は少し大袈裟ほど、それでも俺は、ひざまずいて彼を恩人と呼ぶほど助かった。


この予期せぬ人物の出現に温涼ウェンスズミは驚き、俺はギターを置き、彼の側に来て話しをかけた。


「ここまでしか手伝えないからね…」


薛勇シュエツヨシの目には感謝の気持ちが溢れていた。


彼は、昨日の夕食時に温涼ウェンスズミと話すことができなかったことを後悔しました。

ところで家に帰った後、賀天然ガテンネンからWeChatメッセージを受け取り、今日温涼ウェンスズミと会いたいかと尋ねました。


彼にとってこの質問を言うまでもなく。


彼は本当に良いやつだ!


兄弟だ!


ところで、俺の無表情の顔には突然痛そうな感じでお腹を押しながら、店長の朴さんにトイレいくから、曲を注文するときに、ちゃんとお金を取ることを忘れないでと注意した。


すると、朴店長は最初の言葉を聞いたとき、少し不満を言っていましたが、後半を聞いたとき、すぐにうなずきました。


その後、俺は再び温涼ウェンスズミに「昨日の焼き肉が食当たっているようだ、トイレに行って来る…」。


温涼ウェンスズミは不思議そうに彼を見たが、店長の朴さんはすでに席に座ってギターを手に取りならが話した。


「ハハ、あのう、温さん『恋爱サーキュレーション』を歌えるかしら?」


...


...


俺はギターショップから遠くないガードレールに立っていた。


すでに11時43分だった!


薛勇シュエツヨシは10分遅れたが、遅すぎることはなかった。


彼と朴店長が温涼を引きずっていたので、少女はすぐに身を引き返すことができないだろう!


さらに、薛勇シュエツヨシもおそらく俺が早く戻ることを望んでいないし、彼は間違いなく様々な理由を見つけるでしょう。


まあ、彼女にどう接するのは、彼の能力次第だ。


俺は二階にいて、曹愛青ソウアオイと待ち合わせたタイ料理店は三階にあるので、今から行くと時間的に葉ちょうどいいだ。


温涼ウェンスズミの歌声は再びギターショップから伝われて来た。今度はスタイルが甘くて柔らかいものに変わりました。


よく聞くと「恋爱サーキュレーション」じゃん!


彼は思わず微笑んだ、まさか彼女はこういうジャンルの歌も歌えるなんでさすかだ!


笑みを浮かべている時、俺の視界に、ショッピングモールのゲートに突然として美しい姿が現れた。


曹愛青ソウアオイなの?


そんなに早く着いたの?


少女が1階にあるブランドショップに見るのもしないで、いきなりエスカレーターに乗り、その間に周りを見渡し、ついに歌に惹かれたようで、頭をこちらに向けた。


俺はしゃがみ込み、瞳孔が激しく収縮した。


やぱい、彼女も他のお客さんのように、好奇心でギターショップに入っていたら!


今回の俺は、


もう終わりじゃない?


通行人が驚いた目の前で、しゃがむ姿の人影がショッピングモールの二階のお手洗いに一瞬で飛び込みました。


俺はトイレの一番奥にある個室に来て、便器の上に立ち、ライトベルトが置かれている溝からリュックサックを取り出した。


ジッパーを開けるとすぐに、中には別の服が入っていました。


朝に写真を送って、温涼ウェンスズミにわざと自分の服を選んでもらい、今日の自分の印象をより深くしてもらうためだった。


そしてバッグの中の服は、彼が10時前にモールに入ったときに用意したもので、今着ているスタイルとはまったく異なっている。


後ろ姿だけ見ると、人違いほどだった!


――

※1よかったら、ここで聞いてください。

IU-Lovingyou

https://www.youtube.com/watch?v=mXZ8-yJUpfw

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