第25話 備考欄の名前

「!?」


パジャマ姿でソファに横たわっている曹愛青ソウアオイは、携帯を手に取り、賀天然ガテンネンが送った2つの「HI」を見て、少し戸惑いました。


賀天然ガテンネンから連絡をすることはほとんどなく、雑談をするときもいつも自分から声をかけているし、しかもほとんどが勉強関係でした。


今彼が連絡するのは何があるの?


「ニャ~」


家で飼っているオレンジ色の小さな猫は、ソファに飛び乗り、体を揺らしながら踏みつけ、ついには彼女の胸の中で鳴き声を上げて横になりました。


曹愛青ソウアオイが手を出して背中の毛を撫でると、子猫は頭を上げて指先を舐めた。


菩薩ぼさつちゃん、太ったな……」


胸の圧迫感を感じて、曹愛青ソウアオイは本気で言い、「菩薩ぼさつ」という名前のオレンジ色の猫はくしゃみをして、尻尾を巻き、手足を丸めて、もはや主人に注意を向けませんでした。


賀天然ガテンネンの返事を待つ前に、曹愛青ソウアオイは独り言を言い始めました。


「今度は彼から何のことあるのかしら?菩薩ぼさつは何でも知っているから、知っているでしょう?」


抱っこされた猫は少女の愛撫を心地よく楽しんでおり、口元で「ウンウン~」とつぶやき、自分の魔力を証明したかったらしく、その時少女の携帯にメッセージが届いた。


賀さん:「画像」


少女は画像をクリックすると、それはごく普通のチャットのスクリーンショットであることがわかり、それは彼が今自分とチャットした2つの内容だけ、特に何にもないようで…


おかしいな…待って!!


備考名??


「幽霊が怖くて泣き虫の曹さん?」


これを見た曹愛青ソウアオイが思わずソファから起き上がった!


オレンジ色の子猫が悲鳴を上げて地面に飛び降りると、少女は申し訳なさそうに微笑み、子猫を持ち上げ、膝の上に抱えて慰めました。


賀さん:「友達を整理する際に、この備考名が君にふさわしいけど、どう?」


そのメッセージを見て、少女は顔を赤らめながらこう答えた。


幽霊が怖くて泣き虫の曹さん:「o(≧口≦)o言わないって言ったじゃん!」


賀さん:「……あ、ごめん、ごめん、俺さその人の特徴+苗字で備考名をつけるのが好きなので、ちょっと……失礼した?」


少女は彼の独特の性格を思い出し、確かに、これは彼がやれることと思った。失礼ではないが、ただ…


幽霊が怖くて泣き虫の曹さん:「泣き虫じゃない!!!」


賀さん:「じゃあ……幽霊が怖くて冷たい曹さん?」


幽霊が怖くて泣き虫の曹さん:「冷たくないですが、勘違いしていませんか?」


賀さん:「あ?いや、普段の曹さんはちょっと冷たい気がして、そういえば、曹さんが俺のことどう思っているかを知りたい、備考欄を見せて〜」


曹愛青ソウアオイは頬を膨らませ、「賀さん」という簡単な備考だけでは勝てないと思ったので、「寂しくて変な同級生の賀さん」に変えて送信ボタンを押すところで、また動きをとまった。


「ダメだ、こういう言葉はいじめみたい……」


彼女はもう一度考え直して、備考欄の名前を「涙ぼくろがある同級生の賀さん」に変更しました。


画像が送った後、反対側は30秒ほど沈黙した。


この名前で問題はないはずと曹愛青ソウアオイはそれを繰り返して見ました。


涙ぼくろがある同級生の賀さん:「曹さんはよく観察してくれたね!涙ぼくろがあるの話はお母さんも言ってなかったよ!とても注意深い観察力だ!」


これを見て、彼女の顔が赤くなり、携帯を落とし、オレンジ色の猫を拾い上げ、撫でまくってから落ち着かなく立ち上がり、部屋内で歩き回りました。


哀れな菩薩ぼさつちゃんは、ソファにしゃがみこみ、しっぽを振って、このバカバカしい人間を見つめている。


「ディン~」


新しいメッセージが送られてくると、曹愛青ソウアオイは手を止めたが、すぐには読もうとせず、猫の前にしゃがみこみ、あごをソファの端に置いて複雑な感情で言った。


菩薩ぼさつちゃん、今度は彼からどんな変なことを言うかしら?……」


「ニャ~」


オレンジ色の子猫は軽蔑的な叫び声を上げ、ソファから飛び降り、自分の猫の登山フレームに戻りました。


曹愛青ソウアオイは深呼吸して再び携帯を取った。


涙ぼくろがある同級生の賀さん:「こういうことなら『一人で綺麗な同級生の曹さん)』に変えてみる?」


よかった、彼は先の話を掘り下げていませんでした。


一人で綺麗な同級生の曹さん:「どうして一人で綺麗なの?変な感じだけと、私ってそんなに接し難くないよ」


涙ぼくろがある同級生の賀さん:「本当?」


一人で綺麗な同級生の曹さん:「(=•ω•=)もちろん!友達にはとても優しいよ!」


涙ぼくろがある同級生の賀さん:「なるほど、どういうのをつけてば相応しいかを考えなきゃ、普段、あまり接したことがないしさ」


しばらく待った後、曹愛青ソウアオイは彼からどんな備考にするのかを期待するようになった。


ところで、10分間近く待っても、彼から返事がなかった!?


そんなに難しいの?


賀さんは、あの教室でパニックに陥っている印象しか持っていないよね?


菩薩ぼさつちゃん、降りてきて抱きしめさせて」


曹愛青ソウアオイは猫のつるし台の上に立って両手を広げましたが、背の高いオレンジ色の子猫はこの人間に振り向くことがなかった。


「ディン~」


やっと返信が来て、曹愛青ソウアオイはすぐに振り返ってソファに座った。


オレンジ色の子猫は人間の背中を見て、淡々と体を壁に向けた。


「じゃあ、これに変えろうか…」


相手はこれだけを送信し、わざと見せびらかし、女の子がちらりと見たところ、新しいメッセージが目に飛び込んできました。


「『食事を誘ってくれる同級生の曹さん』、いかが?」


「Σ(っ°Д°;)っ??!!!」


...


...


温涼ウェンスズミは横にいた俺に携帯を投げ返し、全過程を目撃したストレート男達は、曹愛青ソウアオイが送られた絵文字のように、全員が唖然としました。


「彼女は……同意してくれるのか?」と薛勇シュエツヨシはつぶやいた。


温涼ウェンスズミは、まだぽかんとしている俺をちらっと見て、「それは天然次第だ」と言った。


名前を呼ぶのを聞いて、俺は急いで携帯を片付け、彼女にお礼を言った。


ウェンさん……さすが!俺を救ってくれなければ、もう収拾できなくなったよ!」


「感謝しなくてもいいよ、君の方が備考名をそういう風につけたから、あと最後の名付け以外はすべて君が考えたし、私は単にそれに合わせただけだ」と彼女から淡々と話した。


スズミちゃん、今回は君の助けがなかったら、天然くんは絶対につまずいていた、よかったら、夕食は俺がおごるから一緒に行かない?」と薛勇シュエツヨシから提案した。


俺もこれを聞いて何度も頷いた。


少女は眉をひそめ、薛勇シュエツヨシを見て、「私は彼を助けたのに、君からおごりってどういうこと?」


薛勇シュエツヨシの表情は固まり、助けを求めるかのように俺に合図しました。


俺はこの機会に氷解を取りたかったので、一緒に説得させた。


ウェンさん…あのさ…ほら、うちらも数日間会っていないし、学校も会えないし…ビルの下にある焼き肉屋さんはかなりおいしいから…一緒に…"


温涼ウェンスズミは腕を組みながら、「名前を追加して」。


「何?」


俺はまだ呆然としたが、薛勇シュエツヨシは俺のお尻を蹴り、声を低くして急いで教えてくれた。


「バカだな!備考だよ!!」


「あ…あ…う…」


俺一生懸命に考えた。


「変…じゃなくて…可愛い同級生の温さん、一緒にご飯食べに行かない?」


温涼ウェンスズミの顔にはぎこちない表情があり、目はわずかにかわしましたが、落ち着いたふりをして、固く言いました。


「い、いいよ、二階に行って着替えるから、下で待てて」


すると、彼女は振り向くと、後ろから誰かがブーイングをしているのが聞こえた。


「天然くんが焼き肉をごちそうしてくれるなんで!皆さんも一緒について行こうぜ!」


「よし、よし、問題ない!」


ツヨシくんさ、先に何かを注文し、焼いてもらいましょう!」


「よし、任せてくれ!」


俺が絶え間なく悲観な願いを聞き、ずっと不機嫌そうな温涼ウェンスズミの顔は、ついに笑顔になりました。

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