第22話 実は役に立つ

授業が終わったとき、曹愛青ソウアオイは顎を支え、少し顔を向け、眠っている賀天然ガテンネンを見た。


彼の右目の下に、かすかな涙ボクロがあったなぁ…


少女の手に持ったボールペンがノートに適当に書き、少年は眠っている間に何かを囁くように唇を動かした。


彼女の手を止まり、無意識のうちに近づきました。


だが次の瞬間に、まるで何か聞こえたようにすぐに元の位置に戻った。すると、後ろで足音が聞こえ、続いて女の子から「俺」と呼びかけした。


温涼ウェンスズミはポケットに手を入れて、寝ている彼に近づき、曹愛青ソウアオイの閉じたノートを不思議そうに見ていった。



それを見た曹愛青ソウアオイは淡々と「来てからずっと寝ている」。


「外側に座でいるのに、寝ているなんて、外に出られてないじゃん」


温涼ウェンスズミが笑いながらさり気なく返した。


なぜならば、曹愛青ソウアオイの席が窓際のため、外に出る際に彼が退かなければいけない。


曹愛青ソウアオイは頭を振って、気にしないことを表明した。


「今後またこういうことがあったら、こうやって呼べばいい……」


すると、温涼ウェンスズミが、いきなり右手を上げて、彼の背中を「平手打ち」した!


ぐっすり寝ていた少年が無表情で目を開け、背筋を伸ばし0.5秒しかなく目覚めた!


「どうしたの?」


声を沈むように聞いたが、また疲れが残っていたことがわかる。


「……」


少女たちは彼が目覚め後の無表情は初めて見て、むしろより落ち着いている状態が、まるで今までずっと起きているように、ともに不思議に思った。


「ずっと、起きているの?」と曹愛青ソウアオイが聞いた。


「いや、起こされるといつもこう、ただの習慣……」


起こされると非常に怒っている人もいれば、いくら起こされても起きられない人もいる、自分はおそらく普通かな?


おそらく…


「ちょっと一緒に水を買いに行こう。話しがある」と温涼ウェンスズミから声をかけた。


それを聞いて、俺は固まった首をほぐしながら立ち上がり、二人は教室を出て行った。


...


...


キャンパスの人離れた場所で、俺は手に持っていたコーラの缶のタブを開け、心地よく一口飲んだ。


「女神と一緒に座れたのに寝るなんで?」


温涼ウェンスズミはバナナミルクのストローを口にくわえて飲みました。


「眠くて、いつの間にか寝てしまった。さっき起こされている時、よだれが出てないよね?」


「出だよ、テーブルの一面まで。」


温涼ウェンスズミはわざと嫌味を言った。でも彼が信じた緊張している表情を見て、騙したくなくなった。


「昨夜、一体何をしていたの?今日の君は静かだけと…」


「え?何か問題があるの?」


俺が思わず聞いたが、彼女の表情を見てすぐに素直に答えた。


「昨夜はずっと曲選びとギター練習した。だって朴さんは来週まで動画撮影してほしいと約束したし」


この答えを聞いた彼女の表情が少し和らげるようになった。


「決まったの?」


「LOVIN'YOU」


「Me Too」


はぁ!?


俺は思わず呆れた!


意識を取り戻したとき、顔はすでに真赤になり、この話しの展開は冷えコーラよりも爽快でした。


建物の間の狭い路地で、温涼ウェンスズミはストロをかみ、困惑した彼を面白そうな表情で見つめた。


「クックッ、今のネタ話……勉強……勉強させた!」


俺は彼女と目も合わずに違和感を隠した。


押尾コータローバージョンのこの曲「LOVIN'YOU」は、昨夜の興奮あまりで俺が30回以上も演奏した。


「いや、曲選びが上手いから、ギターは使いやすい?」


「もちろん。高価なものにはやはりそれなりの価値があるからさ」


「よかった。ところで、一緒に学校の歓迎会やろうか。私が歌い君の方が伴奏してくれない?」


「無理、動画を撮るときは、あえて顔を出していないし、今、ステージに出たら、失敗したら、俺死ぬよ!」


「言うことを聞かないの?」と少女は眉にしわ寄せして聞いた。


やぱい!30万円の借金のことを忘れてだ!


「…聞く」と俺は仕方なく答えた。


「よし」


「それなら、『死ぬ』とか『できない』などの考えや口癖を『できる』に置き換えて」


温涼ウェンスズミはストローを放し、真剣そうな顔をしてアドバイスを言った。


「天然、ステージ上では緊張するのをわかる、これから人の前でリラックスして話せる、自己表現できるのは、今月改善の重要ミッションだ。この歓迎会をいいチャンスと思ってください」


彼女が一息で話してくれたが、俺は思わず逃げようとした。


「俺…俺は…」


「うーん?」


温涼ウェンスズミは鼻の音を立て、俺の最後の「ダメ」という言葉を怖くて口から言えなくなった。


「俺は…でき…そう…」


「『そう』も外して!」


「できる……」


俺はしぶしぶ洗脳されていく。


全然自信がなさそうだけと、彼が第一歩を踏み出せることに対して、彼女は満足そうに微笑んだ。


「そうよ!君が前のままだと、このチェンジが何の効果も無いように思ってしまうよ」


「実は、ちょっと効果がある…」


すると、俺は恥ずかしそうに頭を掻いて呟いた。


「いや、そんなに慰める必要がない。まだ数日しか経っていないし。この先はまだ遠いよ、もし今回は人見知りを克服できれば、本当に効果的だと思うよ。」


温涼ウェンスズミはまさか彼が思いやりを持っているなんで、これも進歩の印だと思って、心が暖かく感じました。


「嘘をついてないよ!」


俺はゲームをする時の負けず嫌いな気持ちが湧いてきた。


「じゃあ、どんな効果があったの?」


温涼ウェンスズミは彼が意地になった表情をみて笑顔で尋ねました。


「昨日、曹愛青ソウアオイのWeChatをもらった!しかも彼女から」と俺は誇らしい気持ちで言った。


「……彼女、どうやって渡したの?」


「昨夜の自習は君がいなかったが、8時半に停電してしまった…」


俺は昨日作った台本の流れを話し、ただ、薛勇シュエツヨシの助けを隠し、偶然のように見せかけた。


「とにかく、この数日は君の教えがなければ、俺はこの一歩を踏み出す勇気もなかった」


最後に話しをまとめた!


「……」


この時、学校のベルが鳴り、温涼ウェンスズミは黙っていて、応答もコメントもしませんでした。


彼女は振り返って、手に持っていたバナナミルクの紙バックを放り投げ、足早で立ち去りました。


俺は困惑しながら、シワシワの紙バックを拾い、コーラの空ら缶と一緒にゴミ箱に捨てから、大股で彼女を追いかけた。


だが、彼女はずっと黙り込んで、結局そのまま教室に戻った。

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