第6話 4日後

翌朝、僕は凛花さんと登校する時に、自分の家に誘うことにした。

「ねぇ、凛花さん」

「なに?透君?」

「いやさ、親が凛花さんに会ってみたいらしくて…」

「え?本当?行く行く!」

「いつが良い?僕の方はいつでも良いけど」

「本当?なら、今日は?」

「うん、大丈夫だよ」

「やったー!透君の家だ!…透君のお母さん、どんな人なんだろうなー?」

「まぁ、楽しみにしててよ」

そんな風に話していると、学校に着いた。

その後は放課後までいつも通りの生活が続いた。

そして放課後。

「じゃあ、僕の家に行こうか」

「うん!楽しみー!」

そんなこんなで僕の家についた。

「ただいまー お母さん、凛花さん連れてきたよー!」

「おじゃまします…」

「あら、おかえり透。そちらが凛花ちゃん?あらあら、随分可愛い子ねぇ。こんな子だけど、透のこと、よろしくね」

「いえいえ、お世話になっているのは、こちらですから!」

「まあ!本当によく出来た子ねぇ。透、この子を逃しちゃダメよ。こんな可愛くて、良い子他に居ないわよ」

「もちろんだよ。離すつもりなんてないよ」

「もう!透君たらー!」

「あらあらあらあら」

「お母さん!あらあらうるさい!」

「まあ、この子も照れてるのね。ほら、上がって上がって!今お菓子をだしますからね」

「ありがとうございます。お構いなく」

「礼儀までちゃんとしてるなんて、、、透も見習いなさい。」

こんな風に、母が凛花さんを褒め殺すため、さっきから凛花さんの顔が真っ赤になって、あわあわしている。このままでは凛花さんが持たないので、ここで一度助け舟を出すことにした。

「ほら、お母さん、凛花さんもこまってるでしょ」

「あら、本当ね。じゃあ、お菓子を透の部屋に持っていくわ。だから透、凛花ちゃんを案内してあげなさい」

「了解。じゃあ、凛花さん。こっちだよ」

「う、うん」

そう言って僕の部屋に凛花さんを案内した。

「ここが僕の部屋だよ」

「わ!意外と綺麗にしてある!」

「こう見えて几帳面だからね」

「さて、ここで透君に問題です!彼氏の部屋に入ったらやることは何でしょう?」

「…分からないなぁ」

「ふっふー正解はベッドの下と、本棚と、枕元を調べる事だよー」

「?」

「あれ、もしかして透君、純粋な感じ?」

「純粋?どういう事?」

「あー。透君純粋だね。…可愛い」

「よく分からないけど、ありがとう?」

なんて話していると、お母さんが入ってきて、

「お菓子と飲み物よ!ねぇねぇ凛花ちゃん、透小さい頃のアルバム持ってきたんだけど…見たくない?」

「はい!見たいです!」

「ちょっと!?凛花さん?」

そして、凛花さんは、僕の前で昔のアルバムを見始めた。

「わー!ちっちゃい透君可愛いー」

「ねーこの頃は可愛かったんだけど…今はこんなにも生意気になっちゃって」

この後、僕にとってこの空間が地獄になったのは言うまでもない。

「あ、もうそろそろ帰ります!」

「あら、もうこんな時間。透、送っていきなさい。」

「分かった、凛花さん、行くよー」

「うん!」

そして僕は、凛花さんを送り、家に帰ると、お母さんに、

「また凛花ちゃん連れてきてね」

と、言われた。確かに意外に仲良くなっていたから、また招待するのもありかもしれない。

…次回はアルバムは隠しておこう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る