第二話 グルメバカ

そして、俺たちは冒険者として様々なことを行った。朝は新聞配達、夜は工事の仕事。そして、朝は新聞配達って!


「おい、すけぽん!これはどうゆうことだ!冒険者なのに、まったく冒険してないじゃないか!」


「よく考えてみなよ、まかべん!僧侶と騎士で何ができるんだい!?火力なしパーティーだと巨大ガエルに食われちゃうし、ゴブリンにも袋叩き!そこらへんのネズミにかじられたり!クエストクリアどころじゃないよ、まかべんべん!」


「た、確かにそうだけど!」


あれから、俺たちはクエストに挑戦したがこのザマである。せめて、あともう一人は火力の高い仲間が欲しいのだが。

クエストクリアしないと宿代まで払えないので野宿生活を防ぐために朝は新聞配達、夜は工事の仕事をしていたのですっかり忘れていたのだが俺たちも冒険者だった!

すると、チラシを持ってきた男性が現れた。ブラックスーツを纏い杖を持っている魔道士に間違いはない。しかし、その肩にはかわいらしいシマエナガがいたのだ。


「パーティーメンバー募集中と聞いてきた。俺の名前は静寂銃士。こちらは静寂ハンドキャノンだ」


なにかやばい奴が来たと思った。いや、静寂銃士自体は普通の名前なんだけど、かわいらしいシマエナガがハンドキャノン。ハンドキャノンなのだ。


「わあ、かわいらしいシマエナガだね!僕はすけぽん!こちらはまかべん!パーティーメンバーに君らがいてくれたら心強いよ!」


「確かにそうだけどさ、シマエナガ……いや、ハンドキャノンは戦えるのか?」


かわいらしいシマエナガだが頼りになるとは思えない。しかし、そこからステータスを見てみる。

こちらの世界では対象にタッチする様に空間に指を触れることでステータスが見れるのだが。


静寂ハンドキャノン(♀)

Lv.1(強さは66)

魔法は攻撃魔法、回復魔法


と、ステータスが表示される。♀だったの、ハンドキャノン!?そもそも、強さは66とは!?


「ああ、普通はLv.1(強さは1)が基本なのだが、彼は過酷な旅をしてきたのかこの様なステータスらしくてだな」


まず、彼ではなく彼女です。ハンドキャノンは♀ですと言おうとしたが♂だと信じているじゅうしの夢を砕くことになるのであえて言わなかった。


「とにかく火力が不安なパーティーにこれは心強いや!これならば、安心してクエストに挑めるよね、まかべん!」 


「ま、まあ、そうだけど……、ところで今は受注できるクエストはあるのか?」


三人+一匹でいろんなクエストを見てみる。


「巨大ガエルのクエストはどうだ?ほら、巨大ガエルならばカエルのお肉が食べれる」


じゅるりとよだれを垂らすじゅうし。もしかして、じゅうしはグルメバカとかいう奴なのでは。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る