第22話 NHK vs Unknown
アパートのポストの中に「NHKの受信料を払え」という旨の封筒が何度も来ている。俺はテレビを一応持ってるが、NHKの受信料を払う気なんて1ミリも無い。俺はNHKと勇敢に戦う所存である。(ネットで調べたところテレビを持ってる奴はNHK受信料の支払い義務が発生するという法律があるらしいが、国民の5人に1人は払ってないそうだ。それに法律よりも俺の方が偉いので、俺が受信料を払う義務は生じない)
俺は毎日NHKで大谷翔平の試合を見ている。だがNHKの存在価値よりも大谷翔平の価値の方が大きいから、NHKの受信料を払う義務は俺には生じない。大谷翔平に金を請求されたらちゃんと払うが、NHKなんかに請求されても払う気が起きない。もしNHKの集金人がうちに来たら、空の彼方にぶっ飛ばしてやる。かかってこいや。
大谷翔平さいこー!!!!!!!!!
MVP! MVP! MVP! MVP!
いぇええええええええ!!!!!!
みんな踊れー!!!!!!!!!!!
俺は今、全裸でコサックダンスを踊りながら、アイコスを吸いながら、スマホでこの文を書いている。
スマホとパソコンがあれば俺は生活できる。テレビの優先順位はかなり低い。水曜日のダウンタウンくらいしか毎週見てるテレビ番組はない。テレビってつまんねえよな。
今の時代、ネトフリだのアマプラだの配信や、動画サイトやストリーマーが台頭してるし、余計テレビの需要は下がっている。
◆
ワシの冷蔵庫に今入っているもの。
・たまご
・カット野菜
・お茶
・マルシンハンバーグ
・調味料
・ねぎ
・キムチ
・納豆
大体いつもこんな感じだ。小さい冷蔵庫がパンパンになることは無い。いつもと違うのは酒が無いこと。今日から俺は断酒して、少しダイエットする。
酒と比較して、お茶がうますぎる。酒以外に唯一毎日飲むのがお茶だ。2リットルペットボトルのお茶はいつも箱買いしている。
今日の群馬は31℃の予報だったが、アパートの中にいるとあまり暑さを感じない。夏っぽさは感じない、ぬるい風が入り込んできた。俺は少し郷愁に浸っている。
俺の人生が退屈すぎる。
あーあ、なんか楽しいこと起きねえかなあ。何もしないから何も起こらない。当たり前のことだけど、俺は外出する気が起きない。
夜になったら、マックでも買ってこようか。
「焙煎ゴマえびフィレオ」っていう新商品がめっちゃ美味しそう。「たまごダブル」は月見バーガーとかエグチみたいな味だと想像がつくから、買わない。
マックも高くなっちまったなあ。昔はセットがワンコインで買えた時代もあったのに。
高校時代、野球部の仲間と部活帰りにマクドナルドに行って喋っていた。ああいう何気ない日々こそが俺の青春だった。
漫画や映画のような鮮やかな日々は、漫画や映画が叶えればいい。現実はそこまで大したことない。
俺は民間企業で働きたくない。農業や酪農をしたい。牛とか豚とか馬の世話をして生きたい。
今までほとんど書いたことないけど、俺は農業高校の出身である。別に家が農家やってるわけじゃない。単純に当時住んでた家から1番近い高校が農業高校だったというだけの理由でその高校にした。
高校が持っている牧場があって、そこには馬や豚や牛がいた。
人間と接するより動物と接する方がストレスがない。動物はみんな可愛いし、純粋だ。
牛やウマに怖いイメージを持ってる人もいるかもしれないが、近くで見るとめちゃくちゃ愛くるしくて可愛い目をしている。豚はペットとして飼う人も居るくらいだし、当たり前のように可愛い。ミニブタめっちゃ可愛い。
荒川弘の「銀の匙」っていう、農業高校が舞台の漫画が高校の図書館にあって、読んだことがある。
銀の匙めっちゃ面白い。昔アニメも見た。
銀の匙の作中でピザ釜を作る授業があったが、俺も「課題研究」という授業でピザ釜を作ったことがある。長方形の石のブロックをコンクリで固めて並べて作った。学校で食うピザはうまかった。
高校時代もかなり嫌なことはあったから、あの頃に戻りたいとは全く思わないが、俺なりに楽しいことは見つけられていた。
ネットがあってよかった。高校時代、俺の友達はほとんどネットで知り合った。
平凡な毎日。平凡な日常。実はそれが1番素晴らしい。いつ壊れてしまうか分からない。最近は地震が多い。地震のことについては、あまり書く気はない。津波の映像をユーチューブで見たりするのも嫌だから。
◆
ユーチューブ適当に見てたら、マキシマムザホルモンの「爪爪爪」のPVがおすすめに出てきたから見た。久しぶりに聴いたが、やっぱりサビのメロディーがかっこ良すぎる。
暗いバンドや明るいバンド、色んなバンドが世の中あるが、どんなバンドも「明日を生きるため」に存在していると思う。例えば俺は暗いバンドのライブに行った時、俺は「生きててよかったなあ」と幸せに思う。昨日よりも今日の方がいい1日だったと思える。「もう少し生きてみるか」と思える。
syrup16gのライブは、特にそう思う。
多分syrup16gのリスナーは、しんどい人生を送ってる奴が多いだろうから、そういう奴らが何千人も集まってると、俺は「いいねえ」ってなる。
音楽は素晴らしい。
syrup16gもマキシマムザホルモンもいい。
なんでもいい。
◆
趣味は何でもいい。例えば俺は鉄道に1ミリも関心が無いが、鉄道オタクだって良い。俺はアイドルに興味が無いが、アイドルオタクもいい。アニメオタクもいい。映画オタクもいい。旅行オタクもいい。
何かしらのオタクになれば、人生が楽しくなるのは間違いない。
俺は何のオタクだろう? 酒とか野球とかバンドとかゲームとかアニメとかパチンコとか漫画ですかね。小説投稿サイトで活動してるくせに小説はほとんど読まない。
うんこみたいな世界だけど、何か一つくらい好きな物あるだろう? 誰か一人くらい好きな人いるだろう?
そういうものの存在が、死にたい人生を少しだけ生きたくさせる。
少なくとも俺は皆さんに会えてよかったと思っている。
また会いたい。また会えるのを楽しみにしてる。また一緒にライブ行こう。
天国に旅立った友もいる。そいつとも、いつかまた会いたい。また話そう。また一緒にゲームしよう。また酒を飲もう。タバコ吸おう。薬を飲もう。体に悪いことしよう。お前との青春の日々は絶対に忘れない。
続く
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