第21話 最後の家族
昨日妹にLINEを送った。
何を送ったかというと、俺が電車に轢かれようと思って駅に行って結局帰ってきたこと。俺が死んで骨になってその骨を家族が持っているところを想像して自殺を断念したこと。
妹は俺に「明日ドライブでも行く? 気分転換になるかも」と気を遣ってくれた。他にも色々な言葉をくれた。妹は優しい。俺は妹に心配をかけてしまった。
昨日、俺は駅に行った。電車に轢かれたいと思ったからだ。
詳しく書く気は無いが、妹も色々あって精神科に通院している。俺も通院している。姉も通院している。親も通院している。よく考えたら家族みんな精神科に通院して、薬を飲んでいる。
姉と俺は昔から通院していたが、妹や親が通院を始めたのはここ数年の話だ。
家族のことについては詳しく書く気はない。
人生、それぞれのペースでゆっくり歩んでいくべきだと思う。人生なんて騙し絵みたいなものだ。自分が正しいと思う道を選べばいい。周りなんて気にする必要ない。
俺は本当にゆっくり大人になってきた。
実家ニートから、アパートに移れた。去年やっと。
生活はできそう???
それはまだ。
俺の家族が狂ってるのか狂ってないのか、俺には分からない。
ただ、小さい頃、俺が父に殴られてる時、母は見て見ぬふりをして洗い物をしていた。一度も助けてくれたことはなかった。
別にどうでもいいけどな。そんなの。
なんとなく気付いたけど、うちの家族って、両親も姉も妹もワシもみんな精神科に通ってるんだね。たぶん珍しいと思う。家族全員が病んでるというのは。
それが俺の人生で1番辛いかな。
俺以外の家族が病んでるのが1番辛い。
俺にはどうにもできないという無力感が辛い。
だから俺が死ねば、家族は楽になるのかなと思って、電車に轢かれたくなった。
村上龍の「最後の家族」って小説を思い出した。大好きな小説だが、現実はあの小説みたいに綺麗には行かない。
読んだ事ありますか? 最後の家族。
個人的に村上龍の小説で1番好きかな。コインロッカーベイビーズも捨て難いんだが、あの作品は読みづらくて仕方ない。
◆
押見修造の「血の轍」という漫画を俺は単行本で追っている。こないだ新刊が出たから買った。最新刊は読むのがとても辛かった。あまりに生々しくて、もう読みたくねえと思いつつ、読んでしまう。
押見修造が描く母親像が、俺の母親に似てるから、読んでて辛くなることが多い。
もしよかったらネカフェとかで血の轍を読んでみてほしい。すげー面白いから。読んで後悔はしないと約束する。
◆
君が、自然回復できないくらい深く手首を切って、救急車に乗って病院で手首を縫合したって聞いたよ。
死なない程度に切ってくれよ。
手首切って、ほんとに死んだら、どうするんだよ。
◆
今61キロなんだけど、もう少し体重を落とそうと思って、明日から断酒を開始する。
最近顔が少し丸くなってきた気がするから。俺は顔に肉がつきやすい。
その代わり、ある市販薬をAmazonで購入した。俺は結局酒か薬に依存しないとやっていけないのか。俺の真似をして買う奴がいると困るから、薬の名前は絶対書かない。多量に飲むと気持ち良くなる薬だ。
26歳にもなって馬鹿だ。成長できない大人は惨めだ。死ねばいい。死にたい。
俺は「トー横キッズ」のアホさを煮詰めて、そのまま大人になったようなゴミだ。
単なる薬物依存者だ。タバコも薬も酒も辞められねえ。
◆
ほかほかライスちゃんとまた一緒のライブを見に行きたい。それが人生の目標の一つだ。
ほかライ、俺と付き合ってくれ!!!!
俺が君を不審者などから守り続ける──。
あっ、俺が不審者か。
続く
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