第14話 体がボロボロ(思い出ぽろぽろ)

 精神薬を120錠くらい飲んでから、今日で多分3日目だ。体調が悪い。自業自得だ。感情に流されて馬鹿なことをした。


 胃が気持ち悪くて吐き気がする。明らかに内臓が荒れている。体がふわふわする。現在は夜の11時だが、今寝たら、寝ゲロを吐いて窒息死しそうな予感がある。なので吐き気がおさまるまで起きていようと思う。苦しい。


 内臓は確実にダメージを食らっている。胃とか肝臓とか腸とか色々。ただでさえ酒で終わってるのに。


 俺は体に悪いことばかりしている。体を壊したり、脳を壊したりした。入院だって何度もした。


 アルコール、ニコチン、その他の薬。


 ぐるぐるぐるぐるぐるぐる。馬鹿みたい。俺は美味しい花に飛ぶミツバチと同じだ。


 俺は単なる薬物中毒者だ。特にアルコールは本当にやばい。洒落にならない。アルコール依存症の末路は、早死にするか犯罪を犯すか廃人になるかの3択だ。


 酒を飲んでも何も良いことはない。後で何十倍も苦しむ羽目になる。酒の快楽が1だとすると、離脱症状の苦しみは1000くらいだ。


 良いことなんて何も無い。百害あって一利ない。


 だが酒やタバコや薬のおかげでここまで生き延びることができたというポジティブな考え方もできる。つまりそれらは俺にとって最大の友であり最大の敵と言える。NARUTOで言うサスケみたいな感じ。特に酒に対しては愛憎入り混じる感情がある。


 ちょっと前、ある読者さんから「死なないでね。約束」と言われた。ありがたい。こんな俺に。


 しばらく生きていたい。


 今はちょっと苦しい。苦しいのを紛らわす為にスマホで文字を打っている。


 なんで俺はこんなに馬鹿になってしまったんだろうか。


 つらいのか?


 つらいとしたら、なにがつらいのか。


 それを言語化する事もできない。吐き気がする。


 自分の髪から、シャンプーの良い匂いがした。


 毛布の匂いを嗅ぐと落ち着く。めっちゃ良い匂いがする。毛布の中にいると少し安心する。


 体と心に悪いことばかりしてるから、俺は絶対ろくな死に方をしない。


 生きてるだけで素晴らしい。


 という言葉を素直に受け取れない。


 例えるなら、テストでカンニングして良い点を取ったみたいな気持ち悪い感覚だ。いや、ちょっと違う。でもちょっと合ってる。


 おれは、何も頑張ってない。


 俺は、何も頑張れない。


 しんどい。


 普通の人間になれるならなりたい。


 俺がロック大好きなのは、常に誰かの言葉を聴いていたいからだ。要は常に寂しい。そこで俺は耳障りの良い言葉を求める。音楽によって孤独を癒している。動画を見る時間以外はほとんど音楽を聴いている。


 俺は不良品だ。


 無口な俺はかつて工場で働いていた。俺はたまに不良を出して怒られた。どんなに気をつけても不良がゼロになることはない。だって人間だもの。


 人間の不良もそれと同じ。どんなに気をつけても、不良品は生まれる。


 俺に認知の歪みがあることは自覚している。チェックシートを解いてみたら、俺の認知の歪みはひどかった。


 俺は歪みまくって、色んな人を傷つけた。


 いつも1人でしか居られない人には、それなりの理由がある。


「頭がおかしい」の一言で済ませるべきではない。俺は常に自己分析をしまくる。その結果、頭がおかしいという結論に帰結する。


“孤独”が俺を狂わせている。


 俺は孤独を歌うバンドが好きだ。


 頭の良い人も好きだ。俺には思いつかない方法論で人生と向き合っているから、とても参考になる。あ、そうやればいいのか。みたいな発見がある。


 俺は毎日悩んでいる。何に悩んでたのか最終的に忘れるくらい。


 吐き気が徐々に引いてきた。というか慣れてきた。ライブハウスに行くと、ドラムの音や振動が腹の底から響いて少し吐き気を催すが、あんな感じの吐き気がずっと続いている。


 ◆


 5ちゃんねるという匿名掲示板は見すぎると病む。爆サイはもっと病む。SNSは究極的に病む。


 SNSで病む人は多い。俺はほとんどSNSをやっていない。情報収集の為にツイッターやってるだけだ。あとラインはしてる。


 SNSが人を壊す。最悪、殺す。


 今の時代、発言には気を付けなきゃいけない。


 もはやリアルとネットの境界線は消失したと言っても過言ではない。


 ◆


 夢を叶えるには、まず夢を追う必要がある。


 俺の夢は、「彼女が欲しい」だ。


 彼女を作れたら俺の人生100点満点だと思う。


 彼女とのんびり暮らしたい。そのままジジイとババアになりたい。子供は欲しくない。退屈かな。


 子供の頃の夢はプロ野球選手だった。ヤンキースの松井秀喜に憧れていた。今の子供たちはみんな大谷だろうな。


 灰皿に積み重なっていくタバコの山。


 夢はでっかく持とう。でも夢が叶わなかった時が怖い。だから俺はでかい夢を持ったことがない。


 ◆


 俺は音楽が好きだが無音も好きだ。誰の主張も耳に入れたくない時がたまにある。


 ◆


 いつの間にか夜の1時。


 まだまだ気持ち悪い。


 そういえば何年か前から、映画が面白いと全く思えなくなった。なんでだろう。所詮作り物で、ある程度の型にハマってるからか。


 舌が肥えたのか。飽きたのか。俺の感性が錆びたのか。


 漫画も全然読まなくなった。つまらない。何もかも俺の想像の範囲を出ない。


 ◆


 いつの間にか2時だ。


 眠くならないな。


 スイッチをOFFにするようにコロリと眠りたい。


 天井を眺めててもつまらない。


 俺は寝る時に豆電球にしてる。


 もう寝よう。


 うおおおおお。


 馬鹿すぎて消えたくなる。頭が悪い


 なんで俺こんなに馬鹿なんだろ。


 ◆


 ぼーっとしてたら3時になった。


 ゴミだよ、ゴミ。


 眠れる気配がしない。神経が興奮してるのだろう。俺の意思ではどうにもできない


 気持ち悪い!!!!!!!!!!!


 今日に関しては、夕方の4時くらいから体調悪くてぼーっとしてる。


 今、頭の中でandymoriの「クラブナイト」が何故かループして流れている。無音で過ごしてるが、頭の中で勝手に鳴ってる。


 らーらーらー。


 不快だ。


 ◆


 寝れないまま朝の4時半になった。


 こんな吐き気の中で、眠りにつけるはずがなかったのだ。


 吐き気が増している。


 なぜか戦争のことを考えている。


 プーチンのせいで、俺の中の価値観は破壊された。


 俺は異常だが、世界はもっと異常だ……


 ◆


 ここへ来て、吐き気がピークに達した。


 俺みたいにはならないで。


 吐き気がひどい時ってネガティヴなことしか考えられないな。


 当たり前か。気持ち悪いんだから。


 おそらくフグを日本で初めて食べた奴は毒で死んだ。どのくらい苦しんで死んだのか気になる。


 ◆


 5時から7時くらいまで寝れた。二時間も寝れるってことは回復が近いな。


 テンションを無理矢理あげていく。


 みんな踊れー!!!!!!!!!!!


 ◆


 いまさら思った。どうして俺は死にたがっているのか、よく分からないと。なんで死にたがるのか分からん。病気のせいか。厄介な病気になってしまった。


 鬱ってる。


 相当参ってる。


 もう付ける薬がねえ。


 最悪のゴールデンウィークになりそうで今から楽しみだ。


 ◆


 10時現在、俺は酒を飲んでいる。いまだに気持ち悪いから、ちびちび飲んでる。


 酒しか生きがいが無いっていうのは悲しいなあ。


 酒で脳を高揚させることが常態化してしまった人は、自分自身でドーパミンを出すことができなくなるそうだ。


 だから多くのアル中はシラフの時は性格が暗い。


 俺もそうだ。


「中島らも」のインタビュー動画を見ると分かるが、彼もかなり暗い。晩年は、はっきり言って廃人みたいである。


 1年間の中で体調が良い時より悪い時の方が圧倒的に多い。これは完全に俺のイかれた酒や薬の飲み方のせいである。


 俺は中島らもの小説や生き様に救われてきた。同じアル中としての指針を示してくれたような気がしたからだ。


 彼は、死ぬまでアル中かつヤク中だった。作品の中でも酒や薬を飲むことを否定したことは一度もないはずだ。


「もう全てがどうでもいい」という無常観を彼の作品から強く感じる。


「今夜すべてのバーで」という小説がおすすめだ。もしよかったらどうぞ。俺の人生における最大のバイブルです。


 中島らもは舞台の脚本を手掛けたりタレントとしても活動したりバンド活動もしたり、マルチな才能があった。


 小学校と中学校は日本でも有数の進学校だった。彼ほどの頭脳を持ったアル中は中々いないのではないかと思う。


 ◆


 酒を飲んでたら元気が出てきた。


 俺は、生活の中で気をつけていることが一つだけある。それは車の運転を絶対しないことだ。


 自分の感覚ではアルコールが完全に抜けたと思っていても、数値上は体に残留している。そんな状態でもし事故を起こしたら、やばいことになる。


 たしか缶ビール1本のアルコールが完全に体から抜けるのには8時間くらい掛かる。


 飲酒運転は本当に良くない。


 この際だから正直に懺悔するが、俺は23歳の時までは普通に飲酒運転していた。3年前までは普通にしていた。捕まったことはない。


 23歳で精神科に入院した時、初めて俺はアルコール依存症だと正式に診断された。先生にも正直に飲酒運転について打ち明けた。


 それから俺は飲酒運転をしていない。


 俺は本当に愚かな人間だ。


 お父さんお母さんごめんなさい。子供の頃のアルバムを見ると今が辛くて涙が出る。俺はいつから人前で笑わなくなったんだろう。






 続く

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