第12話 自己肯定感を高める方法

26歳なのにピアス開けまくってイキがってるのは、どこのどいつだい?


俺だよ!!!!!!!!!!!!!!


去年から黒いピアスを着けてる。金の磁気ネックレスをつけてる。髪は金メッシュにしている。


あまりにも俺がかっこよすぎて、生きてて楽しすぎる。「可愛くてごめん」という曲が少し前に流行ったが、俺の場合「かっこよくてごめん」だな。鏡に映る自分に“うっとり”して、鏡にキスしてしまうエブリディ。鏡に毎日ベロチューしている。ペットである亀の甲羅にも毎日ちゅーしている。


背中には龍の入れ墨が彫ってある。と言ったら嘘になる。


最近「龍が如く」シリーズを遊んでたから、ヤクザに憧れている。ヤクザ超かっこいい。大人になったらヤクザになりたい。でも誰かの手下にはなりたくないから、将来大きくなったら「unknown組」を立ち上げたい。


俺が組長だ。


俺は頭が足りないので、若頭は頭の良い人に任せる。ヤクザの幹部って頭が良くないと務まらないから。北野武の映画みたいに「馬鹿野郎」と「この野郎」だけで務まる世界じゃない。


大人になることは大したことじゃない。無知の絶望から知ることの絶望に移行しただけ。俗物になって自分を忙しくしていかなきゃ。ある日全部くだらないと思っても、忙しいうちは何も考えずにいられる。


ほかほかライスちゃんと結婚したら、1日に10回はハグする。俺がまともな仕事に就職したら結婚してくれ。ずっと2人で幸せに暮らそう。動物とも一緒に暮らしたい。切なさも喜びも何もかも分け合いながら夜を超えて2人で生きていこう。自傷痕だらけのこの腕で、ほかほかライスちゃんを抱きしめる。


昨日と同じ今日。今日と同じ明日。生きる勇気も死ぬ勇気も無い。



本題に入る。


自己肯定感を高く保つ秘訣は、毎日鏡に映る自分にキスする事だ。恥ずかしくても絶対やるんだ。毎日キスしてるうちに自分のことがだんだん好きになってくる。他人にキスしてもらおうなんて甘ったれたこと考えるな。自分で自分にキスしてやれ。自分を1番愛せるのは自分だけだ。


鏡に映る自分に毎日キスをすることにより、確実に自己肯定感はアップする。


生きるのがめっちゃ楽しくなる。


騙されたと思ってやってみてくれ。


よく鏡に「お前は誰だ?」って聞き続けると気が狂うって話があるけど、それのキス・バージョンだ。


でも本当は俺も、俺じゃなくて女とキスしたい。だがキスする相手が俺しかいない。


もはや俺しか俺を愛してくれない。


みゃうさんは、もういなくなった。


好きな人がいつ居なくなってもおかしくないから、俺は積極的に求婚するようになった。“居なくなる前に結婚しておいた方がいい”という天啓が舞い降りたのだ。


その結果、ほかほかライスちゃんには求婚しまくっているが、多分結婚できない。ほかほかライスちゃん本人が良かったとしても、彼女の親御さんが俺との結婚を許してくれないだろう。おそらく挨拶に行ったら、その場でぶん殴られる。


「娘さんを僕にください!」

「こんな男にライスは渡せねえ!!!」


と怒鳴られ、ほかほかライスちゃんのお父さんに殴られる。


それでいい。


ほかほかライスちゃんは俺なんかと結婚するべきではない。もっといい人がいる。


悲しいけど俺は結婚を諦める。もう俺たち離婚しよう、ライス……。


えーん!!!!!!!!!(大号泣)



みんな踊れー!!!!!!!!!!!


動け!!!! 動け!! 魂を燃やせ!


ゆらゆら帝国というバンドが昔から好きで、たまに聴く。気持ちいい。


「男は不安定」とか「できない」とか「ソフトに死んでいる」とか好き。


ゆらゆら帝国のライブ行ってみたかった。めちゃくちゃ楽しいと思う。


俺のイチオシは「できない」だ。ドラム、ベース、ギター、全ての楽器が最後まで一定のリズムで続くのが気持ちいい。全裸でダンスを踊りたくなる曲だ。


フレデリックの「オドループ」より、「できない」の方が踊りたくなる。あと「夜行性の生き物3匹」も踊りたくなる。PVが良いのでyoutubeとかでみてください


「できない」のライブ版を聞けば分かると思うが、ゆらゆら帝国は音源とライブでかなり違う。


ゆらゆら帝国はおすすめの曲がありすぎて、書けない。とりあえず最初はベストアルバムを聴くのがいいと思う。



俺はマッドサイエンティストが改造した脳を積んでいる。元々あった脳は不要だからゴミ箱に捨ててしまった。


人形と2人で暮らす君は、すべてを諦めてる。遠い昔に。


俺も、ぬいぐるみと動物と暮らしている。


もう実際この世界を愛せない。


俺は鏡に毎日キスしていない。


朝から酒を飲んでいる。


あなたの痛みは癒えるだろう。あなたの心はいつか治るだろう。医者はそう言っていた。街に出てみれば、笑ってる人ばかりで俺は孤独を感じた。めんどくさい心だ。スーパーにいる若い主婦のケツを眺めたり、真夜中の星を眺めてタバコを吸ったり、あなたのことを思ったり、そんな素晴らしい日々だ。忙しくはない。願わくば俺の平和が続いてほしい。そのためにウクライナに募金した。またあなたに会えるなら会いたい。悲しみを連れて、また次の夜に行こう。






続く






【おまけ 詩】


あなたの痛みは癒えるだろう

あなたの心はいつか治るだろう


精神科医はそう言っていた


君はもう全てを諦めているけど


街に出てみれば笑ってる人ばかり

俺は孤独を感じた

めんどくさい心だ


スーパーにいる若い主婦のケツを眺めたり、

真夜中の星を眺めてタバコを吸ったり、

酒を飲みながらあなたのことを思ったり、

日雇いバイトで稼いだ金をパチンコで溶かしたり、


そんな素晴らしい日々だよ


独りぼっちでも寂しくはない

独りぼっちの奴は沢山いるから

願わくば俺の平和が続いてほしい

そのためにウクライナに募金した


またあなたに会えるなら会いたい


悲しみを連れて、また次の夜に行こう


酒を片手に

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