第11話 俺の歌声を聴いてください
歌が上手い男になりたいと思っている。歌が上手くなりたい理由は、女の子からモテたいからだ。女の子と一緒にカラオケに行って、俺の歌を聴いた女の子がその場で俺に惚れて服を脱いで全裸になるくらいの歌唱力が欲しい。俺は女の子にモテたすぎる。
俺の欠点は、音域が狭いことだ。高い声や裏声が出にくい。元々の声があまり高くないというのも理由だと思うが、そもそも俺が生活の中で大きな声を出さないから声帯が成長してないと思われる。
ちなみに、アカペラでの俺の歌唱力は、以下にリンクを貼るので見てもらいたい。
↓
https://youtu.be/ICm_ZlRCHCw
↑
これはsyrup16gの「さくら」という曲を車の中で歌ったものだ。サビの高音というか裏声が出ていなくて、屁のような歌声である。これでは女の子からモテることはできない。
とりあえず俺の歌を聴いてみてほしい。
ちなみに俺は自分の歌声を聴いていて、全く恥ずかしくない。つまり、そこそこ歌が上手い。と自分では思っている。実際にあなたが聴いて判断してほしい。俺は俺の歌声が嫌いではない。あまりにも甘いヴォイス。あまりにもイケメンすぎる声。俺が女の子だったら100%の確率で惚れるレベルの、圧倒的な歌唱力……。
ネット上に肉声を晒す俺は、神経が太い。
さいきんまでロックバンド組んでたくらいだ。肉声をネットに出すくらい何の造作もない。
◆
愛した人と、俺は2度と会えない。
何故なら彼女はもうこの世にいないからだ。彼女は精神病に苦しみ、そのまま首を吊って死んだ。誰にもさよならを告げずに。
また会いたくて、俺は死にたい。
死ねば「神の采配」によっていつか彼女にまた会えるような気がするからだ。
俺が●●●●●という薬物をやった時、俺はしばらくの快楽の後、バッドトリップした。俺は死後の世界に飛ばされてしまったのだ。比喩ではなく、本当に。俺は暗黒の地獄的な世界にいた。自分の部屋のベッドに横たわって、薄暗い部屋の中で死んでいた。しばらくそうしていると、死んだはずのあなたが俺の部屋に入ってきて、「ここは死後の世界だよ」と説明してくれた。彼女曰く、俺はもう死んで、人間から歯車へと変わってしまったらしい。「ここで何百年か待てば、また生まれられるよ」と彼女は言った。
ああ、そういうことだったんだ。と俺は思った。死んで彼女に初めて会えた。
翌日、俺は精神科病院に入院させられた。(マジで)
それでも俺は、今も彼女を愛しています。
あなたに会いたい。毎日想っている。ほとんど毎日夢に見るよ。
俺は今、タバコを吸いながら、あなたが好きだった歌を聴いて1人で泣いている。正気で居るのが辛い。まともでいるのが辛い。俺は今、涙を流している。
あなたは俺の心を全て奪って、持っていってしまった。俺は空洞。全部が俺の前を通り過ぎていく。ああ、全部どうでもいい。
死んだら全部おしまいなんだ。
死んだら全部終わってしまうんだ。
彼女はそれを知っていた。俺も知っていた。
死んだらもう2度と会えないんだ。どんなに好きだろうが。
会いたい。
どうでもいいことをして時間を潰している。あなたをどうでもいいと思ったことは一度もないから。
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