第10話 さくさくカツカレーちゃん

 今日は単発のバイトをしてきた。疲れた上に暑かった。今日の群馬は30℃を超えたらしい。おかしい……。まだ4月だぞ。今日に関しては群馬が日本で1番暑かったようだ。


 今日はカツカレーを作って食べた。とんかつを初めて自分で揚げた。スーパーの惣菜のカツでも良かったんだけど、どうせなら自分で揚げてみたかったのだ。クソうまい。カツとカレーって最強の組み合わせだよな。めちゃくちゃうまい。キンキンに冷やしたお茶を飲みながら食った。食い終わった後のタバコがまた最高。満たされた。


 魔神の食卓っていうyoutubeチャンネルのカツカレー回を参考にした。真似して作るとクソうまいので、ぜひ作ってみてください。


 カクヨムの近況ノートにカツカレー貼ろうと思ったけど、写真撮り忘れた。残念だ。


 俺の近況ノートはインスタみたいになってる。いろんな画像を載っけてる。


「Unknownかつカレー」1皿100円で提供します。食べたい人は俺から直接買ってください。


 かつカレーも良いが、「野菜ごろごろカレー」も美味しい。近所に野菜の直売所があるから、夏が来たら「夏野菜カレー」つくる。


 うまいものを食べる事は俺の幸せのうちの1つだ。


 ◆


 疲れてる時は酒よりもお茶の方がうまい。キンキンに冷えたお茶は五臓六腑に染み渡る。(酒は脱水作用があるから全く水分補給にならない。)


 さっきシャワーを浴びて洗濯機を回した。


 俺はあまりにも偉すぎる。洗濯も料理も自分でやるからだ。こんな人間、なかなかいないぞ。全ての家事を自分でこなす漢、それが俺。自分の圧倒的な美しさに惚れ惚れする。


 首吊りの為に買った「ぶら下がり健康器」は今や完全に「物干し竿」と化している。高さも強度もあるし、すごく便利なんだよな。8200円したけど後悔は無い。


 洗濯物だけじゃなくて、たまに俺自身もぶら下がってる。ぶら下がってるだけで筋トレになるし、かなりいい。懸垂もしてる。


 腕の筋肉は少し自信がある。


 ◆


 基本的に毎日俺はアパートで一人ぼっちで夜を過ごす。例外的に実家に帰ることがある。


 そういえば今年、1回だけ友人の家に泊まりに行った。バンドメンバーの家で酒を飲んで眠ったのだ。なお、バンドは他メンバー間の喧嘩が理由で解散した。


 高校時代から俺は1人で過ごすのが当たり前だから、今こうして1人で居ても寂しさや虚しさは全く感じていない。


 今はネットがあるから無限に暇が潰せる。適当な動画を見たり、掲示板に書き込んだり、適当な配信を見たり、サブスクでなんか見たり。人と人が繋がることも簡単だ。近年マッチングアプリでの結婚が爆増しているらしい。


 俺は今、Nirvanaという有名バンドのTシャツを着ている。ぶかぶかの黒と赤のシャツ。イン・ユーテロというアルバムのジャケットの女性の人体模型みたいなシャツだ。臓物が見えてて少しだけグロい。


 俺は今、何故か大塚愛のさくらんぼを爆音で聞いている。Amazonミュージックのおすすめに唐突に出てきたからだ。超なつかしすぎる。これが俗に言う「エモい」ってやつです、か。女の子になったら、大塚愛のさくらんぼを歌いたい。椎名林檎の丸の内サディスティックも歌いたい。あとaiko。


 俺がハタチの時、会社の忘年会で俺と歳の近い女性社員が丸の内サディスティックを歌っててエロかったのを覚えている。流れ的に俺も歌うことになってしまい、当時俺はsyrup16gのセンチメンタルを歌った。


 忘年会、嫌だったなあ。常務が「強制参加」とか言い出したから、俺も行かざるを得なかった。


 最近、俺はニコニコ生放送をすることにハマっている。顔は出さずにダラダラと雑談配信をしている。フォロワーが5人か6人くらいいる。少し楽しい。


 お茶の飲み過ぎで腹がタプタプ鳴る。俺はもう「アンノウン」なんかじゃねえ。「お腹タプタプノウン」だ。


 1人は寂しくはないが、退屈だ。誰かと笑っていたい。


 あーあ。彼女でも居れば、退屈が紛れるのになあ。俺は今夜も一人ぼっちだ……。



「unknownは1人なんかじゃない!!」



 こ、この声は!?!?!?!?!?


「私は愛莉。Unknownが退屈そうにしてたから来てあげたよ」

「愛莉、ありがとう。でも愛莉の正体は俺なんだ。俺が愛莉の発言を考えて書いてるだけなんだ。結局俺は一人ぼっちだ」


 すると愛莉は俺の頬を思いきりビンタした。俺は椅子から思いきり床に崩れ落ちた。


「どうしてそんな寂しいこと言うの!? もうUnknownなんて大嫌い!」

「えっ! 俺のこと大嫌い?」

「うん。もう大嫌い」

「どうすれば好きになってもらえるの?」

「私の存在を受け入れて。そしたらまた好きになってあげる」

「……やっぱり無理だ。愛莉の正体は俺だ。その認識を変えることはできない」

「もういい! わたし帰る!!!!!」


 バタン。


 愛莉は走って部屋から出ていった。


 ◆


 愛莉が帰っちゃった。あーつまんね。


 最近、少し暑い。夜になっても部屋は網戸にしている。ジージー鳴くタイプの虫の声が聞こえる。群馬って田舎のくせに関東の中でもクソ暑いから嫌になる。さっき蚊に刺された。


 長野に近い方に行けば避暑地はあるんだが、俺が住んでる場所からはかなり遠い。


 何気なくベランダに出た。ガソリンスタンドの光が見える。車が絶え間なく通り続ける。電車もたまに通る。たくさんの光が見える。


 俺は夜になっても明かりをつけない。


 部屋は暗い方が好きだ。


 パソコンの明かりとスマホの明かりだけ。


 ◆


 前回、メシに関する文を書いた。なので今日もメシについて書く。メシに関するドラマなら「孤独のグルメ」がめちゃくちゃ好き。メシ食うだけのドラマだから頭を使わずに見れるし、作業しながら見るのに向いてる。


 何か美味しいものを食べると、その時間は幸せを感じられる。


 世界で1番高い食い物って何なんだろう。キャビアとか? 食ったことないが、しょっぱいと聞いたことがある。


 刑務所に服役していた人が出所後に食べるものランキングの第一位がファストフードだった。たしか二位が寿司だったかな。三位がスイーツ。


 ちなみに俺が今までの人生で最も美味かった食べ物は、精神科に3ヶ月入院して退院した直後に食べたケンタッキーのチキンフィレサンドだ。病院のメシがまずいとは全く思わなかったが、ファストフード・ジャンクフード的なものは絶対食えない。病院はカロリーも栄養価もコントロールされてるから。あとはシャバに出られた感動も大きくて、余計にチキンフィレサンドが美味しく感じた。勝利の味でした。


 どんな状況で食うかによって、食べ物のおいしさも変わる。高校の頃、精神的に参ってる時は何の味もしなかった。砂やゴムを食べてるような感覚だ。社会人の頃、4時間残業して帰宅して食べたメシは美味かった記憶がある。何を食ったかは忘れた。


 最近は、昆虫食が日本でも進んでいる。コオロギを使った食品が増えているらしい。賛否あるが個人的にはそんなに抵抗はない。小さい頃イナゴの佃煮とか食ったことあるし。ただ昆虫を好んで食うことはない。コオロギとゴキブリは見た目的に大差ないと思う。


 俺はたまに趣味で川釣りをするのだが、やっぱり自分で釣った新鮮な川魚はとてもうまい。割り箸を突き刺して塩焼きにして食うのがいい。アユとかヤマメの塩焼きとか。


 俺は釣りが好きというよりは、釣った魚を食うのが好きなのだ。魚の命を奪うのは少し申し訳ないが、おいしく食べてるから許してくれ、魚。


 趣味の中でも釣りはそんなに敷居が高くないから、おすすめだ。ただし場所は限られる。


 ◆


 1人暮らしを始めてから8ヶ月近くが経とうとしているが、1人で暮らすようになってから食への関心が高くなった。自分でも色々作るようになってレパートリーが増えたし、好きな配信者(おっさん)の料理本も買った。その人は、簡単かつ1人暮らしの男でも簡単に真似できそうな料理ばかり作ってくれるのでありがたい。ちなみに布団ちゃんという人だ。


 人が生まれてから死ぬまで、平均して何匹の動物の命を食っているのだろうかと考えた。余裕で数万匹は超えてると思う。


 例えば「いくら丼」なんて、とんでもない数の命だ。鮭の赤ちゃんの命をいっぺんに大量に食っている。よく考えればイクラ丼って少し残酷だな。イクラの一粒一粒が命だ。


 いくら、数の子、たらこ、子持ちシシャモ。しらす。


 その辺りの動物の命を俺たちは何気なく食っている。


 全てをカウントしたらとんでもない量の命になる。だが、俺はいちいち心の痛みを感じないし、今後もおいしく食べるだろう。


 おいしく食べることが、死んだ動物への弔いなのだ。


 遠い未来、人の上位存在が地球に侵攻してきて、人間たちを食べるかもしれない。進撃の巨人みたいに。


 ちなみに人間の肉は酸っぱいらしい。子供の頃、かわいい女性担任教師が言ってた。


 人間の肉ってうまくなさそうだな。


 カニバリズムの凶悪事件の動画をYouTubeで見たことがある。怖かった。海外で女子大生が男にガチで食われる事件があって、その犯人はなんと日本人である。だが、心神耗弱状態が認められて無罪だった気がする。


 この話はあまり気分がいいものではないから、やめる。


 ◆


「世界の珍味」とか「ゲテモノ料理」で検索すると、少し楽しい。


 特に衝撃的だったのは中国の「猿脳」という料理だ。生きてる猿を殺害し、新鮮な脳を鍋に入れて食べる高級料理である。


 あまりにグロすぎる。


 というか、衛生的に絶対やばいだろ。新しい感染症になって死にそう。


 ◆


 WBCですっかりヌートバーのファンになった俺はよくセントルイス・カージナルスの試合を見ている。カージナルスのユニホームきて、西武ドームで野球観戦してる男がいたらそれは俺だ。


 今って西武ドームじゃなくてベルーナドームって言うんだが、あまり馴染まない。


 群馬南部からはベルーナドームが1番近い。でもあの球場って交通の便があまり良くない。しかもドームなのに普通に虫が飛んでる。しかも暑い。


 セリーグでは中日、パリーグでは西武を応援している。


 ヌートバーと俺はちょうど1歳の差がある。俺の方が年上だ。


 ヌートバーになりてえ。


 もう俺はアンノウンじゃない。ヌーノウンだ。


 専門的な話になってしまうが、今年からメジャーリーグでは「ピッチクロック」というルールが生まれて、試合のテンポが格段に上がった。だから見やすくなった。


 いつか金を貯めてアメリカに旅行して、メジャーリーグの試合を見たいと思っている。カージナルスとエンゼルスの試合が見れたら最高だな。


 アメリカに1人で行くのも味気ないから誰かと一緒に行きたいが、今のところ俺とアメリカに行ってくれそうな人はいない。


 アメリカは大麻が合法の州が沢山あるが、俺はアメリカ行っても大麻は絶対やらない。アメリカで大麻やっちゃったら、つい日本でもやっちゃいそうだからな。俺はだらしない性格なんだ。自分でよく分かってる。


 気持ち良くなるなら、絶対にノーリスクで。俺は酒だけで良い。


 俺はどんなに苦しくても法を犯さない。


 ◆


 syrup16gのチケットなかなか取れない。また落ちたから、イープラスの方で申し込んだ。今回チケット取れなすぎる。


 またライブ行きたいなー。


 ◆


 何はともあれ最近の俺の日々は平和だ。最近は基本的にメシの事ばかり考えている。


 俺の知人に料理が超うまい女性がいた。まだ関わりが続いていたら、その人から料理を教わりたかった。


 俺は日々ダラダラ過ごしている。特に目的も無く。


 遠い未来の話だと思うが、俺もいつかは誰かの為に生きられる人間になりたい。


 現状は、こうして一人暮らしを維持してるだけだ。実家にいた頃よりは精神衛生上かなりマシだけど、こんな日々が退屈ではある。退屈を感じられるだけ幸せなのかもしれない。


 俺は少しずつだけど確実に良い方向に変わっていると思う。


 ただ引きこもって何もできなかった頃に比べたら、大いなる進歩だ。


 何より、人に自己紹介するときに「アパート暮らしだ」と言えるのが嬉しい。


 昔からずっと一人暮らししたかったんだ。


 あまり一度に多くを求めるとキャパオーバーになるから、今後も俺のペースで少しずつ前進していきたい。


 風が気持ちいいから、夜の散歩でもしてくる。夜風にあたって星を見上げて感傷にでも浸ります、か。


 いつかは僕も風になって君に会いにいきます、か。





 次回に続く

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