第8話 人類のバグ

人類は、みんな死にたいと思っている。みんな滅びたいと思っている。みんな朽ちたいと思っている。


それでもみんな今日も生きてしまう。愛する人なんか見つけた日には、そいつを幸せにしようとめっちゃ頑張ってしまう。


俺がそうだった。


愛とは、人間を狂わせる最大のバグである。


仏教には最初の前提として一切皆苦って言葉がある。人生はめっちゃ苦しいから生まれない方がマシって、大昔の偉い人が言ってる。


それでもここまで人類が生き延びてきたのはどうして?


それは、愛する人を見つけてしまったからだ。愛する人がいたら、人生めっちゃ楽しくなってしまう。きっと昔の人間もそうだったのだろう。特に昔は娯楽なんてなかったから、sexくらいしかやることがなかった。その結果子供が増えた。その子供も大人になって誰かを愛して、生きる意味を悟った。


誰かを愛すると、どうしても生きたくなってしまう。その人のために頑張ろうと思ってしまう。


誰かを好きになることは、どうしてもやめられません。


俺も今まで何人もの女の人を好きになってしまいました。


かなしくて、とまらない。


悲しくて止まらない。


俺たちは結局どんなに知性を獲得しても、動物だ。誰かを好きになったら、止められない。その人のために生きたくなる。


そんな簡単なバグが、今までの人類を生き永らえさせて来た。


というわけで、俺はレバーを焼いて食ってから寝る。おやすみ





つづく

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