第2話 2023年4月11日
俺の頭の中に住んでいるあいつに『白上センチネル』と名前をつけることにした。センチネルは俺の頭の中にいて、いつも余計なことを言う。時々は俺の話し相手にもなる。つまりろくでなしで、それが奴だ。
俺が街ゆくサラリマンの膝の高さにも満たない身長の頃、俺は公園で学友の皆さまと鬼ごっこやかくれんぼに興じていたことがある。鬼役から逃げ回っているショタ俺の頭の中に住み着いていた白上センチネルは、「しかしな、あの鬼の役の子、虎柄の下着を履いてもいないし金棒も持っていない。人を捕まえて食べたりはしないし、晩御飯の時間になったら彼もお前も帰るだろう。実際のところ、この鬼など本当にはいないことをお互い理解しながらやる鬼ごっことはなんだ?お前はなにをやっている?」とうるせえことを言っていた。うるせえが、良いところをついている。ごっこ遊びとはなんなんでしょうね?とにかく、白上センチネルは万事この調子だ。
センチネルはまた今日もうるせえことを言ったような気がしたが、今の俺には彼の声に耳を貸す気力が無い。いつかまたあいつの話を聞きたいものだ。あいつは馬鹿みたいなことばかり言っていたが、少なくとも、なにか一本筋は通っていたような気がする。
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