第14話 女囚

サイレンの音が遠くから近づき、女は殺人の現行犯として、逮捕された…。

 

恋人を殺した男を殺してしまった事は、素直に認め、恋人を殺害されて逆上して殺人を犯した事に対して、情状酌量を訴えた…。


だが、殺した男だけではなく、他の男達からも、金銭や高架な品を騙して受け取っていた事実が発覚し、訴訟が起きた事より、かなり厳しい実刑が言い渡される…。


そして、女は女子刑務所へ服役した…。




人々が行き交う横浜の交差点の信号機の上…。


邪悪な笑みの彼女の姿を見れる者がいたとしても、今は姿が見えなかった…。


欲望と絶望が、だだドス黒く渦巻いているだけだった…。




「新入りだ!称呼番号○○○入りなさい!!」



横浜で恋人を殺害していた男を後ろから刺し殺した女が、詐欺と殺人の罪でこの女子刑務所へ移送されてきた…。


女は前科があり、再犯ムショと呼ばれる刑務所に来た…。


全裸になり、口の中、膣、肛門の奥まで検査され、この雑居房へ入れられる…。



屈辱的な検査の最中、女の頭に囁やきが聞こえる…。




あんたなら、ここで楽して過ごせる方法を知っているよね?

 

女の瞳に狂気が宿った…。




化粧は許されず、下着も使い古しの支給品だが、男を魅了する女の美貌は、同じ房の女囚達の目を惹いた…。


早速、雑居房の女囚のボスから夜の相手を命じられる…。


断りボスを敵にするほど馬鹿じゃないと、進んで抱かれ、ボスに媚びた…。


ボスに媚びて、食事や支給品を自分に多く回して貰う様に女は言った…。


「ねぇ…いつでも抱かせてあげるから、新入りの作業は、他の人にやらせて…」


「ねぇ…私を抱けるのよ…だから、おかずをもっと食べたいわ…」


あまりにも要求が多いので、ボスは女に嫌気がさし、女の要求は無視をした…。


女は、ボスに見切り、老いた男の刑務官に目をつけ、内緒で抱かせる約束を取り付ける…。


美貌の女囚を抱いた老男性の刑務官は、女の魔性に惑わされ、度々房から連れ出して、女にしゃぶらせ、中で出した…。


「ねぇ、先生…妊娠したらどうするの?」


刑務官は快楽に勝てず黙っている…。


「ねぇ、先生…妊娠しても先生の事は秘密にするから、その代わり、私を房のボスにして…」


刑務官を味方につけて、女はボスになり、横暴になった…。


「お前ら誰に逆らってんだよ!夜中、寒いんだから、毛布をよこせって言ってんだよ…言う事きかないなら、オヤジに言ってでっち上げさせ、お前ら、懲罰房へ送るからな!」



傷害や殺人未遂…人を殺して無期懲役までいるこの雑居房全員から恨みをかった…。


女囚達はその夜、女の手足を押さえ、動けなくして、殺しても構わないとなぶり続ける…。



汚れた雑巾を口に押し込み、女の声が漏れないようにした…。


外傷が見つからない様、縛った手足の爪の間に、隠して持ってたヘヤピンの先を尖らし刺し込んだ…。



一本一本、爪の間に刺し込むと、あまりの痛さに女は漏らした…。


「ちっ!ションベン漏らしやがった」


女囚達はヒソヒソ声で話すと、女の足を広げさせ、タオルを丸めて女の膣へ詰め込んだ…。


洗ってごわつくタオルは、膣の中を傷つける…。


タオル一本、女のあそこに収まると、トイレのブラシの柄を使い、更に奥まで突付いて押し込む…。


膨れた下腹部を足で踏む…。


「うぅぅ…」


女囚のひとりが無理矢理、女の膣に手首まで突っ込み、タオルを摘んで一気に引き抜いた…。


「あがぁ…」


女囚のボスは下卑た笑いを浮かべて言った…。


「こいつは、ここも使っているんだろ?」


トイレのブラシの柄を、尻の穴に刺し込み突いた…。


尻の穴からブラシが生えて、ブラシがヒクっと震えていた…。



「あはは…惨めだな…もう、いいか?殺っちまうか?」



女囚のボスはティッシュペーパーを数枚重ねて、水に濡らし女の顔に貼り付けた…。


息が出来なく藻掻く女を皆で押さえ、女はとうとう、動かなくなった…。


雑居房の女囚達は、死んだ女を確認して、女を布団へ寝かせると、看守の見廻りを無言で待った…。


看守の足音が聞こえる…。


女囚のボスが叫び声をあげる…。


「先生!来て下さい!!」


看守が慌てて、鍵を開け、房の中へ入って来る…。


「称呼番号○○○が死んでいます!」


看守は女囚達に疑りの目を向けたが、面倒はゴメンと、自殺事故として処理をした…。




あははははは…自分の事を過信する、女をそそのかすのは、簡単だな…。


あいつに騙され、死んだ男も喜んでるだろう…。


あはは…あぁ、楽しかった…。



彼女は邪悪な笑いを隠しもせずに、また、横浜の交差点へと戻って行った…。


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