5話 Discovering the weak points. And settlement.

――視点は助手へ。


 ハルさんですら知らない、俺と博士の長年の能力の秘密。

 一心同体は、人間にもかけられる。そうすると、思考を一時的に共有したり、テレパシーを送ったりできる。普段は使わないが、今回はそれのおかげだ。

 俺が意識を取り戻した時、博士はNの2メートル以内に入る寸前だったが、俺に一心同体で「敵の能力は周囲の時を止めること」だと伝えてくれた。

 それどころか、刀まで投げ飛ばしていてくれた。

 やつは、時間を操れる、俺だって多少なら。

 刀を拾う。思ったよりも重厚感があった。

 人影がこちらを向いて歩き始めた。博士は気絶しているだけのようだ。

 俺は管理局が天井の高いことを利用しようと考えた。人影に向かってダッシュし、刀を持ったまま、大きくジャンプする。空中で時を一瞬、加速させることで、相手の認識をずらす。

 そして、空中で博士の銃を取り出し、発砲する。案の定、空中で弾丸は止まったが、構わず弾丸をマガジン分打ち尽くす。換えのマガジンは持っていないが、十分だ。

 時を加速させる上限は1秒間だが、決着をつけるために倒れる覚悟をする。最大5秒間。

 残り4秒。博士の手元に残っていたナイフを拾いに行く。残り3.5秒。それを投げて、残り3秒。

 だが、変化が起こった、投げたナイフの1本が少し進んだが、Nが叩き落したのだ。

 もう行ける。

 全力でNの元へと走り。博士の刀を構える。

 Nが身構えた。正面からの攻撃では、一撃で決着をつけられない。

 方向転換し、通路の壁に向かう。

 加速している中なら、壁を少し走れる。

 そして後ろに回り、止められる数の制限に達し、俺と刀を止めることのできないNの心臓に、刀を突き立てた。

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