13話 Traitors close at hand. Settlement.
サイトウ博士は何をしているのか。まさか博士が裏切り者?
「サイトウ博士。あんたのおかげだぜ。このまま行けば俺たちはみんな脱走だ」
「いいんだ。報酬とか、もちろん弾むんだろうな?」
「ああ、俺達の力があればかねなんていくらでも集まる」
そうは思いたくないが、博士が裏切り者だったようだ。
私は相棒をSMG(サブマシンガン)に変形させた。隠れていた影から出ると同時に乱射する。
サイトウ博士は「気配察知能力は高い」とだけ言っていたこともあってか、すぐに伏せて事なきを得ていた。変身ボールはボロボロだ。
足で顔面を蹴飛ばすと泥となった。少なくともしばらくは安全だ。
そんな時、サイトウ博士が顔面に向かって蹴りを打ち込んできた。間一髪のところで避けきる。
「私だってね、合気道や空手、柔道をやっていたのさ。たかが女には負けんよ。その銃だって、避ければリロードが必要だろう?」
私は先程撃ち尽くしたため、リロードが必要となっていた。私が替えのマガジンを装填しようとすると、博士が銃を蹴り飛ばしてきた。
「これで君は丸腰だ」
博士は腰からナイフを取り出すと、私に高速で何度も突きを繰り出してきた。
多くは避けられたが、一部はかすった。私は博士の一瞬の隙を発見した。
博士が攻撃を繰り出したきた。その瞬間、私は「一心同体」を発動させる。
腰の「バックルピストル」のカバーが開く。
バックルピストルは第2次世界対戦時に製造された腰に取り付けることで使用できる小型の銃器だ。改造を行うと同時に「一心同体」を利用し、思うがままに発砲させる。
このバックルピストルには殺傷能力はない。だが、即効性の麻酔弾を装填してある。
心臓に当たれば勝ち、それ以外にあたっても時間さえ稼げば勝ち。
これで私の勝ち……。
バックルピストルを発砲した。それは見事に博士の腕に命中した。
だが、次の瞬間、私は絶句した。
博士は自身の腕をナイフで切り落としたのだ。
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